――久々、学園物。
政宗:Ah~……だりぃ。
元就:机にもたれ掛かるな。何を腐って居るのだ。
政宗:なんかよぉ、この時期って粗方の年中行事も終わって、残るは年度終わりだけ。
どう足掻いても、終わりしか待ってねぇんだ、そりゃだれるだろ……。
佐助:どう足掻いてもって………試験結果が良くなかったから、成績壊滅って事?
政宗:Ha!なめんなよ。俺の輝かしい英語の点数を見てねぇのか?
元就:古典は壊滅的だったではないか。
政宗:更級日記とか滅亡すればいい……なんだよ古典って。
人は未来を見据えて歩いていくもんだろ、you see?(もぐもぐ)
佐助:それ言ったら、俺様たちがお仕舞いだから。
つーかさ、さっきから何食べてるの?
政宗:Lunch timeだぞ。弁当に決まってんだろ。(もぐもぐ)
元就:貴様、いつも重箱のような弁当箱に、煮物がぎっしり入っておらなんだか?
今日は随分と粗末なものを食べておるな。
政宗:弁当忘れたんだよ……。今、小十郞が留守にしてんだ。
お陰で寝坊しちまってな、朝飯も食ってねぇ。
佐助:は?じゃあ、その弁当は?
政宗:元親の。腹が減って耐えられなかった。(もぐもぐ)
佐助:うっわぁ……怒られるよ……
元就:食い物の恨みは恐ろしいのだぞ。
政宗:もう食っちまったんだ。謝りゃいいだろ。
佐助:にしてもさぁ、変わったおかずだね。冷凍食品?
元就:というより、缶詰のようだな?
政宗:さぁ?多分マグロじゃねぇの?結構いけるぜ。
元親:さぁてと、飯飯ぃ♪
幸村:弁当弁当♪
元就:帰ってきたな。
佐助:ちゃんと手洗ってき……ちょっと!手を振って乾かさない!ハンカチ使いなさい!
幸村:う~……面倒でござる。
元親:ほれ、拭いたぞ。
佐助:服で拭わない!行儀悪いなぁ、もう……
元親:珍しく「焼きそばメンチコロッケロール」が残ってたんだよ。今日はついてるぜ♪
政宗:Ha?パン買ってきたのか、お前?
元親:おう。俺ぁ弁当なんて面倒なもん、基本持ってこねぇからな。
佐助:え?じゃあ、この弁当箱は……?
元親:ああ、そいつか。それはな………此奴の飯だ!
ねこ:にゃ。
元就:な……
幸村:おおお!猫でござる♪
佐助:なんか結構ふてぶてしい顔した猫だね~……
元就:貴様、なんというものを懐に入れて居るのだ……。
元親:朝拾ってよぉ。こんなに痩せこけて、今にも死んじまいそうだろ?
一応、朝飯の残りとか食わせてやったんだが、寮に置いていくのが心配でな。
コンビニで買った餌をタッパーにつめて持ってきたんだよ。な?
ねこ:にゃ。
政宗:………じゃあ、何か。この弁当箱に詰まってるのは全部……
元親:おう、猫缶だ。
政宗:…………。(走)
幸村:ど、何処へ行くのだ政宗殿!?
佐助:洗面所じゃない?(笑)
元親:何なんだよ。………あ!あの野郎、此奴の餌全部食ったのかよ!
元就:猫の物を奪うなど、卑しさもここまで来ると尊敬に値するな。
元親:御免な……折角昼は豪勢な特上猫缶奢ってやるって言ってたのに……
ねこ:なお~ん……
元就:ねこ。恨むのなら、思う存分伊達を恨むが良いぞ。
佐助:オクラの旦那、顔が凶悪だよ(笑)
幸村:………。
佐助:旦那も、猫缶ちょっと美味しそうとか思ってないよね?
幸村:お、思っておらぬ!全く思って居らぬ!
元就:食い物の恨みは恐ろしいのだぞ。……時に長曾我部。
生徒会長たる我の前で、校舎内にペットを連れ込むとは良い度胸だな。
元親:このタイミングで説教!?良いじゃねぇかよ、一日くらい。
明日を何の日だと思ってやがる。平成22年2月22日だぞ!?
にゃんにゃんにゃんにゃんにゃんの日だぞ!?こんなに2が揃う時なんざ
あと十数年待たなきゃ来ねぇんだぞ!?
佐助:それが言いたいが為に、今回は現代物な訳ね。
元親:裏の事情暴露すんじゃねぇよ。
ねこ:なおん……
――翌朝
政宗:(…………。やっべ!今日も寝過ごした!……Uh、まだ7時かよ……
二度寝二度寝………。………zzzz)
声:政宗様、朝食の用意が調いましたぞ!早く起きてください!
政宗:(Ah~……小十郞か。うるせぇなぁ……もう少し寝かせろよ……。(欠伸)
背中痒……痛っ。爪が伸びてんの……………………か?)
――………。
政宗:(…………。………何故、俺の手に肉球が?…………。………か、鏡!)
――………。
政宗:(なんで尻尾があるんだよ……なんで頭上に耳があんだよ……
なんで前身毛むくじゃらなんだよ……つーか、何で俺猫ぉおおおおお!!!!!?)
小十郞:政宗様、いい加減になさいませ!
黒猫:(小十郞!)
小十郞:な……!……猫?
黒猫:(小十郞、気付け!俺だ!)
小十郞:………。
黒猫:(なんだよ。なんで無言で睨むんだよ。何が言いてぇんだよ!)
小十郞:………ちっちっ。
黒猫:(Ha?)
小十郞:にゃんにゃん……こっちにおいで。
黒猫:(………。)
小十郞:にゃんこちゃん、おいちーもんあげるぞ。ほーら、怖くない怖くない……
黒猫:(怖ぇよ!お前、アレか!実は動物に幼児言葉になるタイプか!)
小十郞:イイ子でちゅねぇ……よぉしよぉし。
黒猫:(鳥肌)(む、無理だ、これ以上耐えられねぇ……逃げるが勝ちだぜ!)
小十郞:あ、にゃんこちゃん………。………やはりか。
何故、いつも小動物に逃げられてしまうのか……(沈)
――学校・玄関ホール
黒猫:(はぁ……はぁ……とりあえず学校に来たはいいが……どうすりゃいいんだ?)
慶次:お?なんでお前、こんなトコに居るんだ?
黒猫:(前田!)
慶次:学校ん中入ってきちゃ駄目だろ?お家は何処だ?(抱)
黒猫:(前田、お前しょっちゅう猿と会話してんだろ!俺の言葉も解れ!頼む!)
慶次:おーおー、暴れるなっての。首輪してないし、野良かもな。
腹減って、購買の食べ物の匂いにでもつられたのか?
黒猫:(違ぇよ!俺は猫じゃ……)
お市:あら……?猫……さん?
黒猫:(お……。)
慶次:あ、お市ちゃん、おっはよ~♪
お市:おはようございます………。その猫さん………どうしたの……?
慶次:迷い込んできたみたいでさ。どうしよっかなって思ってたとこ。
お市:野良猫……よね?その子……男の子かしら……?
慶次:ん~………あ、雄だな。
黒猫:(てめぇぇぇ!!!!!あとでぶっ殺す!!!!!!!(恥))
慶次:何?お市ちゃん、ひょっとして猫好き?雄なら飼いたいとか?
お市:うん………そんなところかしら………ふふ。市……丁度リボン持ってるの……
猫さん……付けてあげるね……。
慶次:お?すっかり飼い主さんだね(笑)じゃあ、お市ちゃんに託しちゃおっかな♪
お市:いいの……?
慶次:お市ちゃんなら、大事にしてくれそうだしさ!
お市:うん……大事にするわ……。大事な……大事な………
………使い魔に………ふっ………ふふふふふふ………
黒猫:(!!!!)
慶次:ん?何か言ったかい?
お市:いいえ……。その猫さん……貰って良い……?
慶次:はい、どうぞ……あ!逃げた!
お市:猫さん…………。…………ちっ。
――校庭
黒猫:(ったく……冗談じゃねぇぜ……。学校に来たのは失敗だったな。
早い所抜け出して……)
元就:む?
黒猫:(お、元就。)
元就:動くなぁぁああああああああああああ!!!!
黒猫:(な、なんだよ……(後退))
元就:動くなと言っているのが解らぬかぁああああ!!!!!
黒猫:(んな形相で寄ってこられたら、逃げるに決まってんだろうが!……うぉ!(転))
――ぼきっ
元就:あ……
黒猫:(痛ぇ……。見ろ、お前の所為で転けたじゃねぇか。)
元就:手塩に掛けて育てた………我の……我のザビー草が……
黒猫:(ん?……転んだ拍子に花壇に突っ込んで茎折っちまったのか。悪ぃことしたな。)
元就:許さぬ………
黒猫:(Hah?)
元就:長曾我部が連れ込んだ猫に、甘い顔をした我が愚かであったわ……
生徒会長として学校秩序を守るため、貴様を排除する!
黒猫:(おいおい……)
元就:日輪に捧げ奉らん!(光)
――廊下
元就:死ね!(斬斬斬斬)
黒猫:(逃)(お前の攻撃の方が余程学校秩序乱してんだろ!)
元就:ザビー様の仇!(斬斬斬斬)
黒猫:(やばい……アイツ、目がマジだ。殺される!)
元就:止めだ!
黒猫:(……っ!)
幸村:お止めくだされ!
黒猫:(~~~~~っ!!!………?……幸村?)
元就:真田、そこを退け!我がその性悪猫を退治てやるのだ!
幸村:無意味に殺生を行うは、武門の恥にござるぞ。(抱)
どうしてもこの猫殿と戦いたくば、この幸村がお相手つかまつる。
元就:………。
黒猫:(幸村~っ!!!!!!俺、今なら真田軍に入ってやるぜ!!!!!)
元就:………仕方あるまい。貴様の顔に免じて見逃すとする。校内を彷徨かせるでないぞ。
幸村:感謝いたしまする。よかったでござるな、猫殿♪
黒猫:(Thanks,この恩は必ず返すぜ。)
――家庭科室
幸村:佐助!
佐助:旦那、どこ行ってたの!次の選択授業、調理実習なんだからね!早く支度して!
幸村:その実習だが、少々メニューを変更したい。
佐助:え?野菜鍋、あんなに楽しみにしてたのに?
幸村:材料を足すだけだ。野菜だけでは物足りないからな。
喜べ、今日は………猫鍋だ!
黒猫:(………は?)
佐助:あれ?これって、昨日鬼の旦那が連れてた猫?勝手に食べたら怒られるよ。
幸村:いや、さっきそこで拾った別の猫だ。問題ない。
黒猫(問題あるわぁあああああああああああ!!!!!)
幸村:安心されよ猫殿。某、無益な殺生は決して行わぬ。そなたを無駄にはせぬ。
命は巡り巡るもの。そなたは必ずや、この幸村が完食してみせるでござる!
黒猫:(んな、ライオン○ングみてぇな話知るかよ!)(逃)
幸村:あ!猫殿!何故逃げるのだ!
佐助:そりゃ逃げるっしょ……。つーか、そこら辺のものを
つまみ食いしようとしちゃ駄目だよ。
幸村:ぬぅ……。
――生物室
黒猫:(あんな食欲の塊みてぇな奴を信じた俺が馬鹿だった。もう誰も信じねぇ。
ひとりで解決法を探す!)
光秀:おや?
黒猫:(げ。決意を固めた矢先に、最悪の奴に出くわした。)
光秀:これはこれは………丁度生物実験がしたかったのです………
自ら来てくださるとは……なんとも奇特な方ですねぇ……(抱)
黒猫:(やめろぉおおおおおおお!!!!)
光秀:おや?ご不満のようですね。
黒猫:(お……お前、言葉解るのか!?)
光秀:まぁ………人間よりは、畜生の言葉の方が分かり易いでしょう……んふふ。
黒猫:(相変わらず気味の悪い野郎だが……これは好都合だぜ。
俺は本当は猫じゃねぇ、人間だ。なんとか元に戻りてぇ。
お前、何か方法知らねぇか?)
光秀:そう言われましても……私の方が聞きたいくらいですよ……。
そんな身体になれたのなら……信長公の元へ潜り込んで……くくくくく……
黒猫:(……。)
光秀:まぁ………大方の予想は付きますがね。
黒猫:(本当か!)
光秀:化け猫、猫叉など……猫というのは元来怨念によって力を持つのですよ……
黒猫:(怨念……?)
光秀:貴方……何か猫に恨みを買うようなこと……したのですはないですか……?
――教室
黒猫:(そうだった……考えるまでもねぇ。今までの、身体が入れ替わるだの縮むだの、
全ての元凶を持ち込んできたのは誰だったか……。今回もてめぇの仕業って訳か。
………元親!)
元親:お?なんだ、また猫かよ。
黒猫:(この身体、戻して貰うぜ!)
元親:お~お~、にゃあにゃあ元気いいなお前。最近、やたら猫にモテるな。
どうせなら、人間の女子にモテたいのによぉ(笑)
黒猫:(お前の寂しい恋愛事情なんてどうでもいい。さっさとあの猫を連れて来……)
ねこ:………にゃ。
黒猫:(てめぇの仕業だなクソ猫ぉおおお!!!!(追))
ねこ:……。(逃)
元親:あ、おい!喧嘩すんじゃねぇよ!
――近所の公園
黒猫:(どこ行きやがった……化け猫野郎。……ん?花壇に何かあるな。
なんだこりゃ?土が盛ってあるようだが……)
氏政:おや?先客がいたようじゃな。
黒猫:(じ、爺さんか……驚かすなよ。)
氏政:お前さん、もしやご先祖様の墓参りかな?
黒猫:(………墓?これ、墓なのか?)
氏政:近所の心ない人に、そこの捨てられた鞄に閉じ込められた猫が居てのう
飢死んでしまったようなのじゃ。可哀想に思うて、そこに埋めたんじゃが……
お前さん、その猫の身内かな?
黒猫:(い、いや……俺は……)
氏政:さぞかしお腹が空いて辛かったろうが、お前さんが来てくれて、
ご先祖様も喜んでおるじゃろうな。
黒猫:(………もしかして、あの猫……。)
ねこ:………。
黒猫:(おまっ!いつのまに……!)
ねこ:………。
黒猫:(さぁ、さっさと俺を元に戻せよ!)
ねこ:………。
黒猫:(………人に戻ったら、花と猫缶、手向けに来るからよぉ)
ねこ:………なおん。
――………。
――…………。
――
元親:……おい、おい!おいっつってんだろ!
政宗:痛っ……。何しやがる。
元親:お前がいつまでも起きねぇからだろ。とっくにHRも終わったぜ。
政宗:Ah……HR?
元就:授業中から居眠りを続け、下校時間まで目を覚まさぬとは良い度胸だ。
その余裕ぶりでは、来年度もさぞや良い成績を取るのであろうな。
政宗:居眠り……?夢……?
佐助:あ~あ、駄目だ。この人、まだ寝惚けてる。
帰る途中で、事故らないよう気をつけなよ。
政宗:帰る……?
幸村:今日は急いで帰って、ピラメ○ーノを見ると言っていたでござろう?
政宗:………いや。寄る所がある。買い物もしてかねぇと。
佐助:買うって、何を?
政宗:……………猫缶。
佐助:は?竜の旦那、猫なんて飼ってたっけ?
元就:猫と言えば、長曾我部が昨日連れ回していた猫はどうなったのだ?
元親:それがよぉ、今朝になったら消えちまってたんだよ。薄情だよなぁ。
政宗:そうじゃ……ねぇよ。……多分な。
佐助:まぁ、何を買おうが勝手だけどさ…………その格好で買い物行くのは
どうかと思うよ?
政宗:格好?
元就:首にリボンとは、なかなか個性的だな。首輪の代わりか?
幸村:あ……愛らしいでござるな。
元親:お前、一体どんな趣向してんだ?怖いからあんま近寄るな。
政宗:ち、違う!!!!!!!(恥)
――にゃおん
22・2・22(にゃんにゃんの日)
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