夏の風物詩

祭り囃子が彼方に聞こえる今日この頃、
二回目のお題は「夏の風物詩」で行きたいと思います。

……夏といえば？

幸村：団子でござる！
佐助：旦那、それ一年中食べてるでしょうが…。
幸村：年間を通してウマイでござる！
佐助：この子趣旨分かってないわ…。ほら、あるでしょ？
　　　ヒグラシの声とか、蚊取り線香の香とか、縁側での西瓜とか。
元親：渋。お前いくつだよ。
佐助：ほっといて。苦労が絶えないと老け込むのも早いんだよ…
幸村：西瓜団子！
佐助：聞くからに気色悪い物で、目輝かせるの止めようね。

元親：夏と言えば決まってるだろ～？海だぜ！
元就：海も一年中存在する。
元親：やぁっぱ夏が一番海に気合い入ってる気がするんだよ！
元就：無機物に気合いが入るか阿呆。
元親：はっ、言うじゃねぇか…。お前だってはしゃいでたくせによぉ。
元就：我ははしゃいでなどおらぬ。駒達とお前の部下共が騒ぎ散らしていただけだ。
佐助：あ～、うちにもお誘いのあった瀬戸内最強決定西瓜割り大会の話？
　　　盛り上がったらしいね～。
幸村：某も西瓜が食べたかったのだが、佐助に捕まったでござる…
佐助：旦那は普段仕事さぼって「殴り愛」ばっかしてるからだよ！
幸村：うぅ…今度から自重する…。でも楽しかったであろう？羨ましいでござる！
元就：西瓜そのものは美味であった。しかも我は見事に割って見せたからな。
　　　駒達も士気が上がったというもの。
幸村：お～！元親殿は割ったのでござるか？
元親：俺の番の時ぁな、元就が散々「右だ。左だ。」って指示出してくれたんだぜ！
　　　さぁ俺もいっちょ気合い入れて割ってやるぜと思ったら……
幸村：む？急に声が小さくなったな。どうしたのでござるか？
元親：いつのまにか海岸に誘われ、気付けば脳天まで海につかって……あわや大惨事……
佐助：遅！足が海水に触れた時点で引き返そうよ。
元親：それでも信じてみたかったんだよ！
佐助：限度があるって。
元就：結局戦は我が軍の勝利よ。
　　　これで瀬戸内が誰の手に渡るべきか分かったであろう。
　　　西瓜一つまともに割ることが出来ぬ愚か者よ！
元親：お前は「散れ！」とか言って、西瓜粉砕しただけだろうがぁっ！
　　　辺り一面真っ赤な汁が飛び散って、ある種地獄絵図と化したんだぞっ！
元就：知らぬ。力一杯たたき割れと言ったのはお前だ。
元親：粉々にしろとは言ってねぇ！
幸村：毛利殿！食べ物は粗末にしちゃいけないでござる！
元就：む……。
佐助：ちょ、ちょっと待ってよ旦那達。向こうに何か……じめじめした空気が……
幸村：あれは……伊達殿か？
政宗：なんで……なんでだよ……。なんで俺だけ誘われてねぇんだよぉぉ！
一同：……。
幸村：誘ってなかったのか？
元親：いや、俺はお前等に連絡するから、奥州へは元就に頼んだんだが…？
佐助：毛利の旦那、誘わなかったの？
元就：長曾我部の言葉に従うのが癪だったからな。
元親：そんな理由で！？
政宗：へっ……。そういう催しがあると噂に聞きつけ、
　　　小十郎に頼んで上等の西瓜を手配しておいたってのに……
　　　俺のPrideはズタズタだ！てめぇらの行く先は地獄じゃ済まねぇ！HELL DRA…
佐助：そ、そういやぁ竜の旦那にとって夏の風物詩は何かなぁ？
政宗：おめぇらはな、蝉だの西瓜だの発想が地味なんだよ！
元親：あ。機嫌治った。
政宗：夏と言えばこれに決まってるぜ！BON-DANCE！
幸村：ぼんだんす？
元就：盆踊りらしいな。
元親：なら素直にそう言えよ。
政宗：明日うちの領で開催するんだ。神社の境内に櫓建ててよぉ、
　　　そこからこうずら～っと提灯が並んで、祭り囃子に餓鬼共のはしゃぐ声……
幸村：屋台……焼きそばの香り……膨らむ綿あめ……
　　　佐助！盆踊りに行くぞぉぉぉおおお！！
佐助：まぁた唐突なことを。この時期結構忙しいんだからね！無理無理。
元親：いいじゃねぇか。たまには息抜きも必要だ。
幸村：流石元親殿！話がわかるでござるな♪
佐助：ちょっと鬼の旦那！余計なこと吹き込まないでよ！
元親：夏ってのは羽目を外すためにあるんだぜ？
　　　オカンよぉ、一日ぐらい大目に見てやれや。元就も来ねぇか？
元就：林檎飴。
元親：来るってよ。
佐助：まったく……。一日だけだからね。
政宗：なんだよなんだよ。全員来るってか？
　　　まぁ俺としちゃ、大人数で押しかけられても迷惑なんだが、仕方ねぇ。
　　　ちょっくら用意してくるぜ。Let`s party!Yeah!
幸村：凄い勢いで走り去ったな。嬉しそうでござる！よかったなぁ佐助！
佐助：何だろう、俺様あの後ろ姿がもの凄く切ないんだけど……