今年こそは、オカンにもお返ししたい旦那の話です。
幸村：見渡す限りのキャンディーの山！
ふぉぉ……なんと素晴らしきコーナーであることか！
元就：長曾我部、財布を出せ。
元親：何で俺が奢らなきゃならないんだよ！
そもそもこれ、ホワイトデーコーナーだろ？
幸村：ほわいとでい？
元親：知らねぇのかよ。お前、バレンタインはあんなにはしゃいでたクセによぉ。
元就：気にするな、貰ったものは貰ったもの。
見返りを期待する方が悪いのだ。（もぐもぐ）
元親：まぁ、お前はそうだろうな。つか、試食食い過ぎだ。
幸村：お返し？ばれんたいんに貰った品には、お返しをするのが普通なのでござるか？
元親：普通かどうかは知らねぇが、まぁそういう風習はあるな。
幸村：………むぅ
元親：あん？何唸ってんだ？
幸村：元親殿！
元親：な、なんだよ。急にでけぇ声出すなよ！
幸村：ご相談に乗っていただきたく！
元親：相談？
――
政宗：White dayだと？
幸村：貰う者だけ貰って恩を返さぬ等、武士の名折れにござる！
政宗：お前、このイベントの存在すら知らなかったんだろ？
幸村：ぐっ……。
元親：そう言うなよ。幸村なりに、誠意を見せたいんだろ。
元就：捨て駒等など、２月も３月も菓子を寄越すぞ。
元親：お前、実は餌付けされてんじゃねぇの？
元就：!!!!!
幸村：彼程の菓子を貰ったのだ。それ相応のものを用意せねばならぬ。
何が良いでのでござろうか……？
政宗：チョコの家だっけか。お前、マジであれ一人で喰ったのか？
幸村：美味でござった……（悦）
元就：我にも寄越せば良いものを。
元親：まぁ、ホワイトデーって、基本は飴だろ？
政宗：飴の家か。
元親：べとべとになりそうだな。
幸村：想像するだに甘い香りが……（悦）
元就：…………（悦）
政宗：戻ってこい。お前等と違って、別にアイツそんなに甘いもの好きじゃねぇだろ。
元就：飴と言えば、飴細工も有名だな。
元親：そうそう、そういう小さくても凝ってるやつにしたらどうだ？
幸村：飴細工って、どうやって作るのでござるか？
政宗：確か、ガスバーナーみたいので熱して溶かして……
幸村：漲るぁあああああああああ!!!!!!（ごおおおおおお）
政宗：お前がやると、消し炭になりそうだな。
元親：こりゃ却下だな。素人には無理だぜ。
元就：注文すれば、好みの形に作るような店もあるらしいぞ。
幸村：誠でござるか！ならば是非お館様型を所望したく！
政宗：お前の好きなもん作ってどうすんだよ。
幸村：さ、佐助の好きなもの……にござるか。むぅ……（悩）
元親：ああ、じゃあ上杉の忍とかがイイんじゃねぇの？
政宗：成る程な。アレだけ凹凸がありゃ作りやすそうだぜ。
元就：ほう。それを舐めて喰えと言うのか。
元親：………。
政宗：………。
元親：ダメだ！情操教育上、その光景はよろしくねぇ！
政宗：今の案は忘れろ！いいな、幸村！
幸村：？
元親：そもそも飴にこだわるから、話が進まねぇのかもな。
元就：我は別に、甘味なら何でも構わぬぞ。
政宗：お前にやるものの話してんじゃねぇんだよ。
幸村：やはり……ここは団子でござろうか……。
政宗：なんでも自分のものさしで考えるな。
飴の次に王道なのは……Cookieとかじゃねぇか？
幸村：クッキー大好きでござる♪
元親：型抜きにすりゃ、いろんな形作れそうだぜ。
幸村：おお、それならば……！
政宗：武田のおっさん型は却下な。
幸村：むぅ……。
元就：無難に星やらハート型で良いのではないか。
元親：～～～～っ
元就：なんだその顔は
元親：お前の口から「ハート」という言葉を聞く日が来ようとは……（ふるふる）
元就：……や、焼け焦げよぉおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!（恥）
政宗：勝手に焦げてろ（呆）作り方なら、大体は知ってるぞ。
幸村：しかし……やはり少々「いんぱくと」に欠けるのではありませぬか？
政宗：ぐっ……impactか。
元就：くだらぬ拘りだな。
幸村：わ、わかっておりまする。分かっておりまするが、
あの家を作った労力を考えると……。
何とか釣り合いがとれるものにしたいのでござる！
元親：あー、それなら別に菓子に拘らなくてもイイんじゃねぇの？
元就：生きていたのか。
元親：あの程度で俺を焦がそうなんざ甘ぇよ。何回日輪に捧げ奉られてると思ってんだ？
元就：捨て駒共。例の兵器を用意せよ。そうだ、例のアニメで使用したものをな。
出力最大で充電を始めろ。跡形も残さぬようにな。
元親：すいませんでした（平伏）
幸村：あの鏡の兵器でござるか！確かにアレは凄かったでござる♪
元就：貴様が叩き壊したのではいなか……（白い目）
幸村：そ、それはその……！だ、段取りというものが！
政宗：妙な裏事情を暴露すんな。
幸村：とにかく某は、あの兵器の如く、
誰もが驚くようなものをお返しとしたいのでござる！
元就：ただ大きいことや、手間がかかっていることが驚くということではあるまい。
幸村：！
元就：問題なのは気持ちであろう。そもそも「返す」という風習すら知らなかった
貴様からの贈答品であれば、何であろうと奴は小躍りするのではないか。
幸村：………。
元親：なんか、一番好き勝手なこと言ってたくせに……
政宗：一番良いトコもって行かれた気がするぜ……
――
佐助：へ？何、これ？
幸村：ほ、「ほわいとでえ」なるものにござる！
佐助：あー、お返しか！わざわざ良いのに……でも、なんで封筒？
ひょっとして……給料上げてくれたとか！？俺様大歓喜～♪
幸村：ぐっ……それは……
佐助：冗談冗談。落ち込まないでよ（笑）さてと、何かなぁ……？
幸村：こ、こんな、つまらぬもので……だが、何にすれば良いのかもわからず……
佐助：……。
幸村：す、すまぬ！やはりこのようなものでは釣り合いが取れておらぬな！
佐助：旦那。
幸村：言い訳のしようもない！必ずや何か……！
佐助：これ「た」が一個多いよ。「肩たたたき券」になってる。
幸村：……？……な、何！？な、なんたる失態……（沈）
佐助：………ありがとね（笑）
幸村：？
佐助：嬉しいよ、すごく。
幸村：ま、誠か？
佐助：まことまこと♪
幸村：よ、よかったでござる～……。
佐助：へたり込むほど安心しますかね（笑）
幸村：当たり前でござる！どれ程悩んだと思っておるのだ！
佐助：はいはい、ごめんて。何となく想像付くけど……その辺の気配で、ね。
幸村：？
――
元親：やべ、こっち見た！バレたか……？
元就：何故このような茂みで、様子を窺わねばならんのだ。
元親：相談に乗った以上、気になるじゃねぇかよ！
大体、決め手になるアドバイスしたのお前だろ。
実は一番気になってるクセに、文句言うなよ。
元就：わ、我は知らぬ！
政宗：それにしても肩たたき券って…………敬老の日じゃねぇんだぞ。
元親：別にイイじゃねぇか。母の日と同じ感覚だろ。
政宗：まぁな。そもそも母の日と同じ感覚で違和感がないことに
佐助の野郎は危機感を持った方が良いと思うがな。
元就：とりあえず片が付いたようなので、我は帰らせて貰うぞ。
政宗：同じくだ。俺も用意しねぇとならねぇしな。
元親：畜生！お前、どうせ今年も大量に女子から貰ってんだろ！
政宗：は、半べそかくことでも無ぇだろ……返すのが面倒なだけだぜ？
元親：うわ、最低だ！モテ男発言でましたー！超感じ悪いー！
元就：そのぐらい友人も増えると良いな。
政宗：大きなお世話だ！
佐助：ちょっと、人ん家の庭でもめないでくれます～？
幸村：ぬお！皆、何故そのような所におられるのだ！？
元親：うわ、バレた……。
佐助：なんか旦那がお世話掛けたっぽいし、お茶ぐらい出すから上がっていきなよ。
元就：全て見透かされておるな……
政宗：ま、茶ぐらい飲んでも罰は当たらねぇか。
幸村：茶菓子は団子が良いでござる♪
佐助：はいはい。………。
元就：おい。
佐助：……！な、何？
元就：それは使用してこそ意味のある券だぞ。懇切大事に仕舞い込んでどうする。
佐助：だ、だって、勿体ないじゃない……。
元就：………。
佐助：溜息付くのやめてくんない！？（恥）
――
金吾：うわぁ、天海様！飴細工作るの上手だねぇ！天海様にそっくりだよ。
天海：んふふ……これくらい朝飯前ですよ……
朝飯前にも昼飯前にも……一日中あの御方に食べていただきたい！
金吾：これってホワイトデーのお返しなの？
天海：そうですねぇ……いつも素敵な弾丸をいただいていますから………
お返しはきっちりしなければなりません……ええ、きっちりと、ね………
んふ………アハハハハハハハハハ!!!!!!!
金吾：天海様の飴、アリが群がってるけど大丈夫かな？
まぁ、楽しそうだからいっか♪
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