「馬鹿な……こんなところに、奴等が居るはずがねぇ!」
「兄貴!後ろからも来るぜ!もう持たねぇ!」
「まずい……大筒丸ごと持って行かれ………うぁああああっ!!!!」
「どうしたっ!?」
「アイツ等がやられちまった!兄貴このままじゃ俺等も……。
……っ!!!!」
「なんだ!?おい!返事をしやがれっ!おい!」
「…………。あとは……頼みましたぜ兄……ぐっ。」
「畜生っ………全員……。こんな……こんなことが………。」
――四国
元親:はぁぁ………
元就:………。
元親:はぁぁぁぁ………。
元就:………。
元親:………。はぁっぁぁっぁぁぁっぁああああああっ!!!!!
政宗:どうかしたのか。
元就:愚か者。我が敢えて無視していたというに、声を掛ける奴があるか。
政宗:なこと言っても、こんな出産時みてぇな溜息つかれたら気になるだろ。
元親:聞いてくれるか友よ!
政宗:聞いて欲しいんだろ。
元親:(頷)
政宗:だったらappealなんかしねぇで、素直にそう言え。どうした。
元親:………やられちまったんだよ。
元就:頭がか?安心しろ、それは元からだ。
元親:ちげぇよ!うちの野郎共だ。全員………やられた。
政宗:……っ!!!お前、だったらこんな所でジャンプ読んでる場合じゃねぇだろ!
誰にだ!?織田か?豊臣か?徳川か?
元親:分からねぇ。気付いた時には全滅だった。
元就:気付いた時には……?奇襲されたと言うことか。
元親:ああ。だが、誰かが罠を張っていたのは間違いねぇ。
でなきゃあんな所で、奴等に遭遇する筈がねぇんだ。
政宗:何か手がかりねぇのかよ。目星の一つでも付きゃあ、手を貸すぜ。
元親:目星か……。おい、おめぇ等!アレ持ってこい!
野郎共:了解っす!野郎共、接続だ!
野郎共:おぉ!
元就:……………。
政宗:全滅……してねぇじゃねぇか。
元親:ん?ああ、説明してなかったか?全滅って言っても、これは……
――甲斐
佐助:オンラインゲーム?何それ?
政宗:ネットで繋いで、キャラクター作って遊ぶパソコン用ゲームだ。
いろんなtypeがあるらしいが、これは怪物を狩って遊ぶらしいぜ。
ほらよ。説明書、印刷してきたぜ。
幸村:おぉ!恐竜でござる!面白そうでござるなぁ♪
佐助:ゲームってラスボスが居て、其れを倒すためにストーリーこなしていく
もんじゃないの?これ、どうすればクリアな訳?
政宗:正確には「クリア」って概念は無いらしい。ただ自分の腕や武器のレベルを上げて、
ひたすら強い怪物に挑み続ける。怪物は際限なく出てくるって話だ。
幸村:慢心することなく、常に歩み続けよとはお館様の教え!
戦い続けるその心構え、某、感服いたしまする!
佐助:そうかなぁ……面倒じゃない?なんで俺様がそんなものやらなきゃならないのよ。
政宗:元親の野郎がな。例によって嵌ったんだと。自軍の奴等にも広めて、
今や長曾我部軍は、暇を見つけちゃ軍総出でパソコン叩いてるらしい。
佐助:働けよ。
政宗:で、だ。このゲーム、無論戦う相手は怪物。プレイヤー同士が味方ってのが
普通なんだが………怪物を手懐けることも可能らしい。
幸村:恐竜を飼うのでござるか!?
政宗:飼うって言っても、愛玩にするような見た目じゃねぇからな。
主な用途としては、意のままに操って、他の奴等にけしかける。
佐助:他のプレイヤーを倒せるってこと?何のメリットがあるのさ?
政宗:倒した相手の装備や資金を奪える。レベルも上がる。
ちなみに、プレイヤー同士の戦いは公式ルールだから、文句も言いようがねぇ。
佐助:まぁ……えげつないポ○モンみたいなもんか……。
政宗:怒られそうなこと言うんじゃねぇよ。兎に角、野郎共と楽しくやってた元親の軍は
何処ぞの怪物使いに壊滅させられちまったんだと。
佐助:最初からやり直せばいいじゃない。ゲームなんだから。
政宗:それが、倒された相手ってのが厄介でな。この手法で、
世界の頂点に立とうとしてるんだそうだ。相手の息の根を止めるんじゃなく、
ある程度体力を奪ったら捕縛して、配下に加えてるらしい。
幸村:そんなことも出来るのでござるか!?
政宗:そういう「何でもあり」な感じがウケてるんだと。最近じゃ「悪の帝王」とか
言われて、一部のコアな奴等に人気のある巨大勢力になっちまった。
勿論、倒されても従わない奴もいる。元親の軍の連中もそうだ。
そういうやつは「牢獄」に入れられて、全くプレイ出来ない状態に追い込むらしい。
幸村:なんと非道な!許せぬ!
政宗:そんなこんなで、生き残ったのは元親一人。牢獄にとらわれた連中に、
毎日「いつ助けてくれるんですか?」という期待の目で見られて、
針のむしろ状態なんだそうだ。
佐助:あはは!気の毒に。
幸村:笑い事ではないぞ佐助!つまり、元親殿にはお味方が一人も居られぬ状況。
それ故、我等に助太刀を頼みに来たということでござるな!
佐助:え。何?そういう流れなの?
政宗:流石幸村、話が早ぇな。ま、暇つぶしとでも思って付き合ってやろうぜ。
元就にも話は付けてある。元親の話じゃ、剣士、魔法使い、遠距離系と補助系、
自分以外に最低4人は欲しいって話だ。俺と元就とお前等が加わりゃ上等だろ。
佐助:え~……面倒くさいっての。大体うち、パソコン1台しかないし。
政宗:協力してくれたら、元親が一台やるってよ。
佐助:え!嘘!タダで!?
政宗:それだけ切羽詰まってんだろ。あいつ、ゲームの料金も自腹切ってるんだぜ?
お前には人情ってものがねぇのかよ。
佐助:うぅ……仕方ねぇか。
幸村:いざ!出陣でござる!うぉおおおおりゃああああああ!!!!!!!
佐助:うん、旦那……マウスってのは振り回すものじゃなくてね………。
ごめん。うち参戦までに時間掛かりそうって伝えといてくれる?
政宗:O.K.さて。俺も帰って始めるとするか。
――奥州
小十郞:また新しいげぇむですかな、政宗様。ほどほどになさいませ。
政宗:俺等の立場で言っても、あんまり説得力無くねぇ?
小十郞:ぱそこん……ああ、これが例の長曾我部から頼まれたというものですか。
政宗:That's right.Hum……名前の入力か。漢字も入るみてぇだな。
折角だから独眼竜って入れとくか。D・O・K・U……Ah?なんだよこのPC。
独眼竜くらい一発変換しろよな。
小十郞:そういう時は、1文字ずつ変換した方が早いのです。
市民パソコン教室で教わってきたこの小十郞が腕前、お見せいたしましょう。
政宗:お前……いつの間にそんなもん行ってきたんだ……?
小十郞:まずは「独」の字。では、K・O・D・O・K・U……変換。
これで「孤」の字を消せば、独の字が……
政宗:………(沈)
小十郞:し、失礼いたしました!ええい、このパソコンめ!政宗様に孤独とは何事か!
そこへ直れぇええええええええっ!!!!!(抜刀)
政宗:もうイイ……普通に名前入れる。せめて「独立」とかにしてくれればよぉ……(呟)
Ah~……次は職業か。ま、初心者は剣士が無難だろうな。衣装は青。
デザインは……
小十郞:ほぅ。なかなか似ておりますな。
政宗:そうかぁ?俺はもっと男前だと思うが……。まぁとりあえず、START……と。
――始まりの村、ピースフル
政宗:Hum……流石は人気ゲームだな。プレイヤーがうじゃうじゃ居やがる。
元親達を探さねぇと話にならねぇし……ったく、待ち合わせ場所指定しておけよな。
宿屋にでも入って、情報集めてみるか。
マサムネ>あ~……ちょっといいか?
うさ耳娘>?
マサムネ>人を探してる。モトチカって野郎、見たことねぇか?
うさ耳娘>う~ん。聞いたことねぇべな。おめぇさんたち知ってるか?
親衛隊A>しらねぇっぺなぁ?
親衛隊B>似たような名前を聞いたことはあるけんど、なんせここは人が多いもんなぁ。
うさ耳娘>だっぺ。役に立てなくてすまねぇな。
マサムネ>………。なぁお前、もしかして……。
うさ耳娘>?
マサムネ>………。いや、イイ。ゲームは一日一時間にしておけよ。
うさ耳娘>んだ。あ、兄ちゃん。人捜しも良いけど、レベル1って事は始めたばっかだべ?
ここいらは平和地区だから襲われる心配もねぇけど、もし隣町にいくようなら
そのまんまじゃ危ねぇべ。野党と野犬くらいは倒せるようにしとかねぇと
なにかあった時に困るからな。
マサムネ>Ha!俺に掛かればこれしきのゲームどうってことねぇ。
そこいらの雑魚キャラに倒されるほどヤワじゃねぇから安心しな。
政宗:手がかり無し……か。他に何か……ん?掲示板か。何か書いてあるかもな。
〔掲示板〕
本部へ>なんでバナナが武器に入らないんですか?改良してください。(9・レンジャー)
皆さんへ>Kを倒す同士募集。レアアイテム、身代わり人形支給します。(76・武闘家)
いっくんへ>いい加減、PSP返して。(53・剣士)
本部へ>Kに友達全員やられました。いくらプレイヤー同士の戦闘が公式でも、
酷いと思います。(38・僧兵)
タナへ>同期会開きたいってみんな言ってるよ。幹事ヨロシク~(23・魔法使い)
皆さんへ>今、Kの配下に下ると、もれなく10万貰えるって本当ですか?(34・剣士)
皆さんへ>K様最高。(45・アサシン)
皆さんへ>K様の配下に下ったら、一気にレベルあげて貰えました。
凄く面倒見のいい人だよ。(53・僧侶)
上のコメ>騙されてるのも知らないで可哀想に。
大体、人にレベルあげて貰って嬉しいの?(78・剣士)
政宗:いろいろ好き勝手書いてやがるな。この数字は、レベルか?
このKってのが、元親の言ってた野郎なのか。
だが、この掲示板も役に立たな…………ん?
〔掲示板〕
馬鹿共へ>さっさとこい@セカドの街(32・魔法使い)
政宗:………これ………アイツか?
――セカドへ続く街道
政宗:隣町…って、この道を行けば良いんだよな?
兎に角アイツ等と落ち合わねぇことには……
――コボルトの群れがあられた!
政宗:What!?いきなり敵かよ!?ヤッベェ……剣士なのに、檜の棒しか持ってねぇし……
逃げるのは俺の主義に反する。一か八か!(構)
――マサムネの攻撃!檜の棒は折れてしまった。
政宗:つかえねぇえええええええええええっ!!!!!!!
――コボルトの攻撃!
政宗:うぉおおおっ!!!!死ぬ死ぬ死ぬ!防御!あああコマンド入力間に合わねぇえっ!
魔法使い>さんしゃいんしゃわぁあああああっ!!!!!(光)
政宗:うぉ……。すげぇ……一撃で全部葬り去っちまいやがった……。
魔法使い>ろくな装備も持たず、このような場所を彷徨くなど……
貴様、余程死にたいようだな。(-_-)
マサムネ>てめぇ……人が礼の言葉入力してる間に……。
誰も頼んでねぇだろ。無駄に身長伸ばしたフォルムにしやがって。
人を見下してんじゃねぇよ!
魔法使い>ふん。愚かに愚かと言うて何が悪い。礼なぞ、初めからいらぬわ。
たまたま狙ったコボルトの群れに、貴様が出くわしていただけよ。\( ̄_ ̄)
マサムネ>ああそうかよ。じゃ、あとは好きにやれ。
魔法使い>待て。
マサムネ>まだ何か用か。
魔法使い>貴様は……その……けいじばんを見て来たのではないいのか?(*'へ'*)
マサムネ>掲示板?
魔法使い>その見た目は、伊…………否、人違いと言うこともあるかもしれん。
マサムネ>何言ってんだ?俺にはこんな細長い緑のキュウリみてぇな知り合い……
…………待てよキュウリ?
魔法使い>な、なんだ。急に黙りおって……
マサムネ>動くな。今身長を凝縮した状態をイメージしてんだから。
魔法使い>んなっ……!(怒)
マサムネ>お前……元就か?
サンデー>痴れ者め。我が名はサンデー!もとなりにあらず!
マサムネ>やっぱりお前か……。つか何だよ、この無駄にでかい外見は。
コンプレックスの表れとしか思えねぇよ。
サンデー>喧しい!我は我の影を作り上げたまで。何処にも狂いなど無いわ!
マサムネ>まぁ……別にいいけどよぉ。それで?他の奴等には会ったか?
サンデー>他の間抜け共は、相変わらず姿を見せて居らぬ。それより伊達よ。
貴様、レベル1とは……なめておるのか?(-〝-;)
マサムネ>仕方ねぇだろ。今さっき始めたばっかなんだから。
サンデー>世話の焼ける奴だ。我が直々にレベル上げをしてやろう。ついて参れ。
マサムネ>………。お前、短時間でのレベル上げと言い、顔文字の多様と言い……
実はすんげぇはまってねぇか?
――ネムの森
サンデー>バーニングフレア!(炎)ほれ、気絶させてやったぞ。とどめを刺せ。
マサムネ>ん?ああ。……(殴)よし。倒したぜ。
サンデー>貴様もレベル25までになったか。なかなかだな。(^_^)v
マサムネ>なんかこのやり方……怪物共に申し訳ない気分になってくるんだが……
サンデー>確かに、こうしたレベル上げはあまり誉められたものではない。
しかし多くの者も使用している手段ではあるし、我等にはさほど
時間があるというわけでもないのでな。(-_-;)
マサムネ>手っ取り早く片付けるには、これが一番って訳か。
サンデー>そういうことだ。だが、この手段は上位のレベルの者がいるほど
時間は短時間で済む。長曾我部の阿呆が一番レベルが高いのは確実なのだ。
さっさと奴が出てくれば、より早く済むものを……(-_-;)
マサムネ>確かにな。さっき電話してみたんだが、繋がらねぇんだよ。
ったく、どこをほっつき歩いてr……
――モンスター出現!
マサムネ>な、なんでこんなところにディアンドサウロスがいるんだ!?
こいつは砂漠地帯にいる筈だぜ。
サンデー>此奴はプレイヤーの操るモンスターだ。獣使いが近くに居るぞ。(@_@)
獣使い>ほほっ!よくぞ見抜いたでおじゃるな。褒美に、一撃にて葬ってくれようぞ。
いけぇぇっ!!!!新参者を噛み砕いてやるでおじゃ!
――モンスターの攻撃!
マサムネ>Ha!図体の割に、大したことねぇな!
サンデー>馬鹿者!避けよ!
マサムネ>Hah?なんだよ。これくらいならどうってこt……ZZZZ
サンデー>愚か者め……彼奴は睡眠攻撃を操るというに……。
政宗:やっべぇ……操作効かなくなっちまった……。
獣使い>おほっ?どうやら一匹しとめたようでおじゃるな。
麻呂のペットは物理攻撃にこそ弱いものの、魔法耐性は完璧おじゃ。
Kの配下に下るなら、今の内よ?
サンデー>何!?貴様……彼奴の手の者か!?
獣使い>Kは獣使いを多く配下においておるおじゃ。麻呂はその中でも
腹心中の腹心……。情けをかけている内に、言うことを聞くが身のためぞ?
サンデー>………。さんしゃいんしゃわぁあああああ!!!!!(光)
獣使い>ほほほ~♪だから魔法は効かぬと言うに。しかし……攻撃したと言うことは、
交渉決裂でおじゃるな。覚悟するおじゃあああああっ!!!!!
サンデー>!!!!(*_*)
政宗:元就の野郎……顔文字入れてる暇があったら抵抗とかしろよ。
これ……死んだら一からやり直しだよな?うぅ……面倒くせぇな畜生。
大槍使い>これでもくらうがイイ。(ずばばばばばばぁあああん)
政宗:お?なんか助かったぞ?
小十郞:政宗様。まだやっておられるのですか?
政宗:まだ元親の野郎がみつからねぇんだよ。
小十郞:ほどほどになさいませ。……おや?この金髪のおなごは誰ですかな?
政宗:知らね。いきなり入ってきやがったんだ。………Hum,悪くねぇStyleじゃねぇか。
小十郞:こんな薄着で狩りをしたら、怪我をしそうですが……。
政宗:分かってねぇな、小十郞。女子の衣装なんてのは、機能性より見た目なんだよ。
小十郞:………政宗様。西海の鬼に、悪影響を受けておりませぬか?
獣使い>お、おじゃあああああっ!!!!?ず、ずっこいおじゃ!横から入ってくるなおじゃ!
大槍使い>黙れ。高価な耐性アイテムで身を固めおって……。
どうせKから渡されたものであろう。己の力で戦おうともせず、
力のある者の陰に隠れてでかい面をしている馬鹿など、この世界に必要ない。
とっとと去るがイイ!(ずばばばばばばっばああああん!!!!)
獣使い>お、おじゃ……無念。(コマンド入力>吐血)
サンデー>ほう。最後に気の利いた動作を見せたな。
マサムネ>Ah?お。動けるようになった。助かったぜ。
大槍使い>礼など要らぬ。だが貴様等、不用心にも程があるぞ。
この辺りにはKの配下が多い。そんな低レベルで彷徨いていては、
奴等に狩り取られても文句は言えまい。
サンデー>ぐっ……。
マサムネ>さっきの言葉、そっくり返されちまったな(笑)
サンデー>黙れ!女、偉そうなことを申すな!我こそは、Kとやらを倒しに参った
真の勇者サンデーなるぞ!貴様なんぞに手出しをされずとも……
大槍使い>勇者www
マサムネ>?
サンデー>?
大槍使い>失礼。お前達があまりに途方もないことを本気で言うので、思わずな。
だが、この世界にまだそのような者が現れようとは。
私達ではもうどうにもならぬと、諦めかけていたのだ。
マサムネ>つーことは、お前もKに対抗してるクチか?
大槍使い>いかにも。人質を取られ、ろくに攻め込むことも出来ず、
このような所で燻っている。いわば負け犬よ。お前達にかけた先の言葉、
あれは八つ当たりに過ぎん。すまなかったな。
サンデー>――。
マサムネ>お前も反省したなら文面に書けよ。分からねぇだろ。
サンデー>ふん。(-_-)
大槍使い>虫のいい話だが、どうか手を貸して欲しい。私はどうしても、
Kを倒さねばならないのだ。
マサムネ>こっちには借りがある。無論、協力させて貰うぜ。なぁ元就?
サンデー>………まぁよかろう。捨て駒は多いに越したことはn……
マサムネ>余計なこと書くな!
サンデー>ぬぅ……
大槍使い>???
――商業都市ドーナ
マサムネ>あ~……流石に疲れたぜ。
大槍使い>無理もない。一度にこれだけのレベルと上げたのだ。集中力も並ではない。
マサムネ>けど、お前99って最高レベルじゃねぇか。
女がどれだけ強くなってんだよ(笑)
大槍使い>女も男もあるものか。ここはそういう世界だ。
マサムネ>まぁな。お前のお陰でこっちも随分レベルが上がった。
けど、あんま無理すんなよ。お前、プレイ時間が相当長くなってるぞ。
ゲームで目を腫らしてくるなんざ、色気にかけるぜ。
大槍使い>言ってくれる(笑)気をつけるとしよう。
サンデー>…………。
マサムネ>なんだよ。言いたいことがあるなら、文面に打てって言ってるだろ。
サンデー>現実と二次元を混同するなということだ。此奴、今はこんなナリをしておるが、
本性はマツ○デラックスかもしれぬ。
マサムネ>恐ろしい想像させるんじゃねぇよ……。俺だって馬鹿じゃねぇんだ。
それくらいわきまえてるってんだよ。だが、仲間と親しくなるのは
悪い事じゃねぇだろ?
サンデー>これだから現実に友人の乏しい輩は……
マサムネ>んだとコラ。
大槍使い>何をこそこそしている?
マサムネ>何でもねぇよ。それより、この街に用があるってどういうことだ?
Kが本拠にしてるのは、西の城塞都市だろ?買いものか何かか?
大槍使い>いや。ここでもう一人の仲間と落ち合う約束をしている。
サンデー>仲間?貴様、一人ではなかったのか?
大槍使い>いや。「現実」で落ち合う約束をしていた者のひとりだ。
この世界では一度しか顔を合わせていないが。
マサムネ>成る程。「現実」ではよく知ってる、信用できる奴ってことだな。
大槍使い>その通りだ。仲間はそこの教会で働いている。
マサムネ>働く?
サンデー>知らなかったか?この世界ではKのように軍を束ねるだけでなく、
店などの組織を運営することも可能なのだ。
マサムネ>本当に何でもアリなんだな……。
――教会
サンデー>教会か……。と言うことは、貴様の仲間は神官か何かか?
大槍使い>恐らくそうd……………下がれ!
――モンスター出現!
マサムネ>野犬の群れか!
サンデー>ステンドグラスを割って入って来おった……。
教会は宿屋同様、安らぐための場所ではないのか!?
大槍使い>野犬なら、こんな所まで入ってこられない。手引きしている奴が居るんだ。
マサムネ>まさか……またKの野郎か!?
大槍使い>多分な。来るぞ!構えろ!
僧兵>ちょっとちょっと。うちで暴れないでくんな~い?
マサムネ>何!?
僧兵>破っ!(殴)
サンデー>もう3匹くるぞ!
僧兵>あっま~い♪(殴)
マサムネ>すっげぇ……瞬殺だぜ……。
僧兵>仮にもうちは聖なる場所よ?闇系のモンスターは攻撃力が衰えるの
分かってるでしょうに。
大槍使い>短時間に、随分と腕を上げたようだな、トビザル。
トビザル>えっへへ~♪結構ゲームのセンスあるのかも♪
マサムネ>トビ……?
サンデー>ザル……?
トビザル>まったく遅いよ、竜の旦那たち~。俺様待ちくたびれて80まで
レベル上がっちゃったじゃん。
マサムネ>乗り気じゃねぇみたいなこと言っておいて……一番適応してんじゃねぇか。
トビザル>まぁね。正直こんなに面白いと思わなかったよ~♪
サンデー>僧兵とは……随分本業とかけ離れたものを選んだな。(?_?)
マサムネ>そうだ。お前ならアサシン辺りを選ぶと思ってたぜ。
トビザル>俺様もそうしたかったんだけどさ。旦那が「名前が格好イイ」ってだけで
レンジャーなんか選んぢまって……。あの人、突撃しか能がないだろ?
でも、レンジャーの得意武器はボウガン。遠距離専門と言ってもイイ。
だから殴る系の近距離攻撃と、魔法回復の両方が出来る僧兵を選んだってわけ。
サンデー>お前の基準は、いつも保護者だな……。当の真田はどうした?
トビザル>それがさぁ、俺様の援護も虚しく、かなり初期段階で突撃死しちゃって……。
やり直すって部屋に籠もったきり出てこないのよ。いっそこっちの世界で
探し当てようと思ったんだけど、なかなか見つからないんだよね。
まぁ、探してる内に、俺様のレベルも上がっちゃったんだけど。
マサムネ>こっちでも迷子になってやがるのか、アイツは……。
トビザル>困っちゃうよねぇ(苦笑)けど、その辺の事情、聞いてなかったんだ。
マサムネ>聞いてなかった?こいつにってことか?
サンデー>貴様、この大槍使いの知り合いなのか?
マサムネ>金髪で女の知り合い……あ。こいつまさか、上杉の忍か?
トビザル>は?かすががこんな所に居るわけないでしょ。
ひょっとして、気付いてないの?そっちのお姉さん、鬼の旦那だよ。
政宗:…………………。
大槍使い>ああ。そういえばまだ名乗っていなかったな……。
はじめまして♪金髪美少女大槍使い、チ・カ・コでっす☆
マサムネ>DEATH FANG!!!!!!!!!!!!!(斬斬斬斬斬)
サンデー>焼け焦げよぉおおおお!!!!!!!!!!!!!(光光光光光)
チカコ>ま、待て待て待て!なんで突然攻撃すんだよ!?
マサムネ>当たり前だ!このネカマ野郎!
チカコ>なんだよぉ~。野郎だらけのパーティに彩りを添えてやろうという、
俺のささやかな気遣いが分からねぇのか?………あ、それとも、
お前等、何か期待しちまったとか?www
マサムネ>死ね。
サンデー>このような虫けらに今までレベル上げを頼って来たかと思うと、虫酸が走るわ。
チカコ>そこまで言わなくてもイイだろうに……。
見た目に関してはお前も人のこと言えねぇだろ?長身キュウリ。
サンデー>死ね。
トビザル>まぁまぁ。今は人員を減らすと勿体ないでしょ。
チカコ>そうそう。見た目は可愛いに越したことはねぇんだってv
マサムネ>着物を翻すな。叩き斬るぞ。
チカコ>大怖……。兎に角、これで4人揃ったな。
俺と伊達が近距離。元就が遠距離。猿飛は近距離よりも
回復に専念してもらうとして……。遠距離が魔法だけだと不安だな。
やっぱり、遠距離物理の出来る幸村に居て欲しいところなんだが……
トビザル>まったく、何処ほっつき歩いているんだかねぇ……世話の焼ける。
僧兵A>長~。オークション始まりますぜ。
サンデー>む?知り合いか?(?_?)
トビザル>うん。忍隊の中にも、何人かやってる奴がいてさ。協力仰いだって訳。
マサムネ>Auction?そんなものに出てどうする?
チカコ>まったく。坊や達と来たら、何にも知らないんだからvvv
サンデー>焼き殺されたいか……(^_^)/~
チカコ>え、笑顔でロッドを構えるな!……(咳払)オークションってのは、
文字通り競りのことだ。Kの所へ攻め込むんなら、装備を整えないことには
話にならねぇ。しかも武器屋で買えるレベルじゃ、勝てやしねぇだろう。
トビザル>アイテム集めて武器を作るのは時間掛かるしね。
オークションの方が性能の良い物を、早く確実に入手出来るんだよ。
マサムネ>資金はどうするんだよ?レベル上げに専念してはきたが、
その分回復に結構な額を使ったから、俺等あんまり持ち合わせねぇぜ?
チカコ>それに関しては心配いらねぇ。とりあえず、お前等の武器揃えるくらいの額は
俺が持ってるからな。んじゃ、いっちょ競り落としてやろうぜ。
――オークション会場
司会者>さぁ、お次は髪が伸び、血の涙を流し、夜に歩き回るという噂のビスクドールだ!
3000からスタート!
マサムネ>なんかよぉ……さっきから、胡散臭ぇものばっか出品されてねぇか?
トビザル>まぁ大半はそうでしょ。要らないものを売ってるわけだから。
チカコ>たまに出てくる一級品を、見逃さないようにしねぇとな。
マサムネ>本当に大丈夫かよ……。
呪術師>はい……一万で……買うわ。
司会者>他にいらっしゃいませんか?では、一万でそちらのお嬢さんが落札!
呪術師>ふふ……嬉しい……。
司会者>さぁ盛り上がってきました!ここらでちょっと変わった一品をご紹介!
なんと今日は、モンスターが売りに出されてるよ!
サンデー>食用か?
チカコ>なんでも食い物にすんな。
マサムネ>お前……狩ったモンスターも、片っ端から食ってたもんな。
サンデー>サークルオブライフだ。命は無駄にしてはならぬ。(=_=)
チカコ>立派な心がけだぜ……(^^;)だが、こういう時に出てくるのは、
獣使い向けのモンスターだ。
マサムネ>飼うの専用ってことか。
チカコ>捕獲に成功したものの、自分は獣使いの仲間がいないとか、
単に金策のために捕まえたとか、そういう奴が売りに出されることがあるんだよ。
トビザル>じゃあ、俺様達にも関係ないね。
チカコ>レンジャーの幸村がいれば、飼えないこともねぇんだが……
とりあえず、今は不要だな。
司会者>では商品の登場です、カンミーの森で捕獲された珍獣ダン君です。どうぞ~!
サンデー>ほぅ。なんだか毛むくじゃらの物体が出てきおったな。
マサムネ>Ah~……辛うじて耳?らしきものが生えてるのが分かるが……
チカコ>なんだろうな?狼系統のモンスターにしちゃ、尻尾が短いような……
トビザル>……………だんな。
マサムネ>Uh?なにか言ったか?
トビザル>………旦那だ。
チカコ>は!?どこに居んだよ!?
トビザル>あのもっさりした生き物………真田の旦那だ。
マサムネ>は?
チカコ>あせfふあじj;ぁふぇあfh;!!!!!????
サンデー>どういうことだ(*_*)
トビザル>いや……旦那が本名入れようとしてたから、それは危ないってんで
俺が「だんな」って入れようとしたんだよ。そしたら旦那が
「どうせなら団子のほうがイイ」とか言い出して、もめてる内に
中途半端な「ダン」なんて名前でエンターキーを……
マサムネ>落ち着け。名前の由来は聞いてない。
トビザル>正直俺にも状況は分からない。ただあのもさもさには見覚えがある。
お館様と同じにしたいとか言って、旦那が初期装備に選んだものだ。
あの中途半端な耳や尻尾も……間違いない。
サンデー>………。長曾我部。プレイヤーが商品として登場するなどあり得るのか?
チカコ>いや……まぁ基本的にはねぇよ?ただまぁ……女子キャラの場合なら……。
世間にはいろんな需要があるからな。
マサムネ>どういうことだ?
チカコ>外見データをいじって楽しむような連中も居るってことだよ……。
サンデー>………。(-_-)
チカコ>お、俺はやってねぇぞ!まぁ……ただ幸村の場合はモンスター、
つまり戦力として売られてる訳だ。傭兵をして稼ぐシステムを利用して、
「競りで雇い主を探す」ってことにすれば、自分を売りに出すことも
可能かも知れないぜ。
サンデー>あれは真田なりの金策ということか?
トビザル>まさか。真田の旦那に、そこまで考えられると思う?
マサムネ>自分の主に随分な言い様だな……。
司会者>さぁ1万からスタート!
獣使い>20万だしまする!
司会者>おおっとぉ!いきなりの高額だ!
チカコ>まずい!競りがはじまっちまった!
マサムネ>これ……他の奴等に買われたらどうなるんだ?
チカコ>少なくとも、「傭兵」として買われる訳だから、契約が切れるまでは
一緒に行動はできねぇな。雇い主の言いなりなるしかねぇ。
マサムネ>んなっ……
サンデー>30万。
チカコ>お、おい元就!勝手に手挙げんなよ!
サンデー>こうなれば、競り落とすしかあるまい。
トビザル>そうだ!鬼の旦那!なんとしても買って!
チカコ>いや……買ってもいいけどよぉ……金が……
マサムネ>いいから落とせ!
トビザル>さもないと、今この場で違うものを落とすことになるよ?
チカコ>わかわかわかったってんだよ!!!!!あぁぁもう!どうなっても知らねぇからな!
獣使い>50万!
チカコ>60!
獣使い>ならば100にて!
チカコ>ぐっ……じゃあ………120!
獣使い>250!
チカコ>うぉぉ……マジかよ。
司会者>さぁ。もう一声ございませんか?
チカコ>251!
サンデー>本気で一声だな。(-_-)
チカコ>こっちもぎりぎりなんだよ!
司会者>よろしいですか?他にございませんか?では其方の金髪のお嬢さん。
251万にて落札でございます!
――教会
ダン>おお、佐助。
トビザル>おおじゃねぇ。どんだけ心配したと思ってんの!
ダン>すまぬ……
サンデー>心配という割に、貴様しっかりレベルを上げて楽しんでいたろう。('_')
マサムネ>まぁ、何はともあれ、全員集合だな。
チカコ>しっかし、凄い見た目だな幸村。これじゃモンスターと
間違われても無理ねぇよ。
ダン>お館様のように強き外見にしたかったのだ。しかし、角を生やそうと選べば、
何を間違えたのか、このように長き耳が生え……
尻尾まで選べと言うのでせめて虎のものをと思えば、何を間違ったのか
狸の如き尻尾の生える始末………(コマンド入力>血涙を流す)
マサムネ>それで獣人な訳か……。まぁ、もさもささえ取れば、
それなりに似合ってんじゃねぇか?
ダン>これは譲れぬ!お館様に近付くため、無理をおして購入したのだ!
マサムネ>あ、おい。このもさもさ、いろんなもの絡みついてるぞ。
お前、引き摺って歩いてただろ……。
うぉ……こんなでっけぇプラモまでくっついてやがる。
チカコ>へぇ。なかなかしっかりしたプラモじゃねぇか。
ダン>お?そのようなもの知らぬぞ?政宗殿にあげるでござる。
マサムネ>ありがた迷惑だよ………。
トビザル>そういえば……旦那、全然レベル上がってないよね?今まで何してたの?
ダン>(コマンド入力>血涙を流す)
マサムネ>余程惨めな人生歩いてきたみてぇだな。
ダン>(コマンド入力>頷く)某ひとりでは、あっという間に無一文になり。
漸く受けた仕事中、道に迷い、森に置き去りにされ……あまりの空腹に
道端のキノコを食べれば毒に当たり……。命辛々街に降りてきた所を
漸く拾ってもらったのだが……。 病院と思って連れてこられた場所で
何を間違われたのか檻にとらわれ……気付けば荷馬車に乗せられ、売られていた。
チカコ>うわぁ……よく投げ出さなかったな、お前。
ダン>逃げ出すなど武士の名折れ!
サンデー>もはや武士とは呼べぬ生き方をしてきた気がするのだが……
トビザル>探しても見つからないわけだよ。まさかこんなところで
ドナドナしてると思わないもん……。
チカコ>けど、どうするんだ?
マサムネ>何がだ?
チカコ>装備だよ装備!幸村を競り落とすのに、あれだけ使ったんだ。もう金が無ぇ。
武器屋で装備を揃えるにしても、一人10万は必要だ。
こんな状態じゃ、Kに挑むなんて自殺行為だぜ。
ダン>面目次第もござらぬ……。
獣使い>失礼いたしまする。
マサムネ>Uh?客みてぇだぜ。
チカコ>ん?アンタはさっきの……
槍使い>お邪魔いたす。お主達に話があってきたのだ。
サンデー>仲間を連れてきたか。よもや、競りに負けた腹いせに
腕ずくで奪いに来たというのでは無かろうな?
ダン>な、何!?
トビザル>へぇ?そういう物騒な手段にでるわけ?
槍使い>そう構えるな。
獣使い>そんなはしたない真似は致しませぬ。
槍使い>申し遅れた。某、槍使いのポチと申す者。これは、妻のパインだ。
パイン>何卒、お見知りおきを。
マサムネ>で。夫婦揃って何の用だ?
パイン>失礼は承知の上で……今のお話、聞かせていただきました。
ポチ>お主等、Kに戦いを挑もうとしているのだな。
チカコ>ああ、まぁな。ちょっと訳ありでよぉ。
ダン>人質を取るなどという非道な手段に出る者を、捨て置くことが出来ぬのだ!
チカコ>全部喋っちまいやがった……。
パイン>まぁ……あの子と来たら、まだそのような真似を……。
マサムネ>ん?あの子?お前等、Kの正体を知ってるのか?
ポチ>まぁそんなところだ。某達も、Kをこの世界にいさせる訳にはいかん。
パイン>現実世界に連れ戻すことこそ、我等の役目。
ポチ>しかし、いかんせん力を付けすぎて、太刀打ちできる者が殆ど居ないのだ。
パイン>立ち向かおうにも、皆様端から無理と決めつけて、協力してくれませぬ。
全く、武士の風上にも置けぬ臆病者ばかりにございます!
ポチ>だから某達は獣使いを雇い、自分達でもモンスターをかき集め、
一種の軍のようなものを築き上げたのだ。
先程そちらの御仁を競り落とそうとしたのも、仲間に加えるためだ。
パイン>しかしKのお城は、強固な魔法によって固められております故、
獣使いとモンスターだけの軍団では、心許ないのも事実。
ポチ>頼む。某達に、協力しては貰えないだろうか。
サンデー>協力?
チカコ>まぁ……数は多いに越したことはねぇから構わないけどよぉ。
俺等金がないから、レベルの割に装備が貧相だぜ?
パイン>それに関しては心配ござりませぬ。
ポチ>我等、十分な蓄えがある故、出資させて貰おう。
マサムネ>まぁ……そういうことなら、文句はねぇよな?
チカコ>そうだな。
サンデー>よかろう。(=_=)
トビザル>異議無し!
ダン>漲るぁああああああああああああ!!!!!
――こうして、戦いの準備は整った。
政宗:ポチ…………犬。パイン……pineapple?否………そういや松もpineか。
小十郞:……?如何なさいました?
政宗:いや……敵の正体がなんとなく分かったと思ってな。
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