――ボーカロイドにはまってます。
政宗:また何か言いだしやがったぜ。
幸村:また某達飽きられたでござるか!?
元就:それはなかろう。管理人は先程も、発狂せん勢いでXをやっていたからな。
佐助:近所迷惑な雄叫び上げながらね(苦笑)
幸村:そもそも「ぼーかろいど」とは如何様なものでござるか?
元親:お前等、ボーカロイドも知らねぇのかよ!かぁ~っ、情けねぇ!
ニコ動見ろよ、ニコ動!俺等がどんだけ世話になってると思ってんだ!
政宗:またオタクがはしゃいでるぜ。
元親:VOCALOID(ボーカロイド)とはヤマハが開発したデスクトップミュージック
製作を目的とした音声合成エンジン及びそのシステムの事だ!
メロディーと歌詞を入力する事で、人の声を元にした歌声を作れる優れもの!
過去に発売されたシリーズには、それぞれMEIKO、KAITO、ミク、リン・レンと
名前が付けられ……
佐助:はいはい、分かったから。早い話がそのシステムで作られた曲の一つに心酔して、
またパロディやるってわけ。
政宗:ネタが……無ぇんだな。
佐助:しっ!そういう事言わない!でもこの曲が好きってのは本当みたいだよ。
元就:好きな割に、ぱろでぃなぞやって、内容を壊すのか?
佐助:だからぁ!そういうお叱りを受けそうな発言は止めなさいっての。
幸村:どのような状況に有ろうとも、ただ全力を尽くすのみぃ!いざ参る!
・ご存じない方は、ニコニコ動画の「悪ノ娘」及び「悪ノ召使」を
ご覧になることをオススメします。(ネタバレがっつり含みます)
・知らずに読んでも、一応話の筋は分かるとは思いますが……自信有りません。
替え歌詞とストーリーを交互にしております。
・「悪ノ娘」の間に「悪ノ召使」が挿入されるという、非常にややこしい展開ですが……
一応「――」の間のみ、「召使」サイドの話です。
・元ネタ様には涙無しには見られない感動がありますが、
うちの野郎共は……例によって例の如くです。
・また真田主従かよ……とは言わないでやってください……orz
むかしむかしあるところに
悪逆非道の王国の
頂点に君臨するは
齢十七の王女様
王女:某は男子でござる。どう頑張っても王女にはなれぬ!
召使:いきなりの全面否定から入らないでよ旦那……。
まぁその辺は、語呂の関係とかいろいろあるんだって。
深く考えずに先に進むよ~
絢爛豪華な調度品
顔のよく似た召使
愛馬の名前はジョセフィーヌ
全てが全て彼女のもの
召使:どう?似てる?
王女:おぉ!まさに某に瓜二つ!天狐仮面殿に勝るとも劣らぬ変化の術よ!
召使:………あ、そう。それはそうと旦那。さっきから何してんの?
王女:む?これか?干し草だ。
召使:干し草?
王女:愛馬の「徐背不意犬」にやるのだ。
召使:「ジョセフィーヌ」ね。その暴走族みたいな当て字やめなよ。
大体餌やりなんて、放って置いてくれりゃ俺がやりますよ?
そもそも旦那、馬は一杯持ってるよね?特にコレっていう愛馬なんていたっけ?
王女:最近とても良い馬に出会うたのだ。この馬がじょせふぃーぬだ。
召使:え……これ?なんかどっかで見たような……。
王女:政宗殿のだ。
召使:………はい?
王女:十メートルほどの崖からダイブしても折れぬ屈強な足を持つというのでな。
某もしょっちゅう馬で飛び降りるため、理想的でござる。
召使:ちょっと待ってよ……竜の旦那、滅茶苦茶馬探してたよ!?
アンタ、かっぱらってきた訳!?
王女:人聞きの悪いことを申すな!借りたのでござる。……まぁ、
当人は知らぬかも知れぬが。
召使:そういうのを泥棒って言うんだよ!
王女:心配するな。ちゃんと後で返す。……さぁ、盗んだ軍馬で走り出すでござるぅうう!!!!
召使:やっぱ盗む気満々じゃないかよ!ちょっと待ちなさい、旦那ぁっ!!!
お金が足りなくなったなら
愚民どもから搾りとれ
私に逆らう者たちは
粛清してしまえ
王女:佐助、おかわり!
召使:……いい加減にしないと、いくら旦那でも太るよ?
もうお櫃は空っぽです。夕飯まで我慢しなさい。
王女:我慢など出来ぬ!米がないなら、団子を食べればいいのでござる!
召使:上新粉のが高いんだっつの!……まったく。トップがこんなんだから、
この国のエンゲル係数はいつまでたっても高いまんまなんだよ。
食い意地のために財政破綻したなんて、笑えないよ旦那。……旦那?
あれ?何処行った?
王女:それでな、佐助がケチなので御飯をくれぬのだ。
おばちゃん:まぁ!なんとお可愛そうに!どうぞこれをお持ち下さい王女!
おじちゃん:こっちも持ってけ!
おねえさん:これもお持ち下さい王女!
おじちゃん:鮪持っていけよ!
おばちゃん:タケノコ、一杯お食べ~。
召使:こらぁあああ!!!町民から恵んで貰ってどうすんのさ!
王女:………。
召使:視線でねだるな!あのねぇ旦那、町民は裕福とは言えないんだよ?
そこから搾り取るような真似しちゃ駄目だって。
王女:ぬぅ……ならば裕福な者から搾り取れば良いのか?
召使:いや……あの……うぅん……そりゃまぁ、まだマシかもしれないけど……
政治的には不都合が生じるというか……
王女:某はやるぞ佐助!町民が為、そして明日の団子の為!
華美を禁じる法を打ち立てて見せよう!
召使:………華美?
王女:無駄な派手派手という事だ。
「さあ、ひざまずきなさい!」
王女:派手は禁止でござる!
顕如:拙僧の金がぁあああああああ!!!!
王女:過ぎたる白塗り禁止!
義元:麻呂のチャームポイントがぁああああ!!!
王女:過ぎたるフルアーマー禁止!
蘭丸:あぁっ!信長様の特徴がなくなっちゃったぁあああ!!!
信長:………(沈)
王女:無駄を無くし、国の財政を立て直すのだ!
悪の華 可憐に咲く
鮮やかな彩りで
周りの哀れな雑草は
嗚呼 養分となり朽ちていく
召使:税金で団子代賄うなっての……。
暴君王女が恋するは
西海に住まう強き鬼
だけども彼は隣国の
緑のオクラにひとめぼれ
紫の王子:あぁ……紅の国はどんどん貯蓄が貯まってんのによぉ……どうしてうちは……
緑の王女:貴様の財政計画がなっておらぬからだ。余計なガラクタばかり拵えるのが悪い。
紫の王子:身も蓋もない言い方すんなよな~……はぁ。お前んとこはいいよな……
オクラという名産品があるからよぉ。
緑の王女:人の頭を掴んでゆさゆさ振るな。焦がすぞ。
紫の王子:ゴメンナサイ。
緑の王女:ふん、精々貧困に嘆くがよいわ。我は帰る。
紫の王子:あん?なんだ、もう帰っちまうのかよ。もっとゆっくりして行けよ。
緑の王女:阿呆の国に長居すると、阿呆が移るわ。
紫の王子:豆大福あるぜ。
緑の王女:さっさと出せ(座)
紫の王子:へいへい(笑)
嫉妬に狂った王女様
ある日大臣を呼び出して
静かな声で言いました
王女:元親殿~!遊びにきたでござるよ~!
紫の王子:おぅ、幸村!相変わらず暑苦しいな!
王女:お互い様でござろう♪ところで、豆大福はどこでござるか?
紫の王子:大福?……あっ!そうか!お前に喰わしてやるって約束したから
買ってきたんだった……。悪ぃ……さっきうっかり元就に出しちまった……。
王女:!!!!!
紫の王子:今度必ず用意しておくから……そんな此の世の終わりみてぇな顔すんなよ。
王女:絶望でござる……。大福の恨みは海よりも深し!
紫の王子:怒るなよ。ほら、侘びに元就が置いていったオクラ喰わしてやっからよぉ。
王女:某はオクラではなく大福が………旨いでござるな。
紫の王子:だろ?お前もたまにはビタミンも摂っとけ(笑)
王女:これは誠に美味なネバネバ!よし、某決めたでござる!
紫の王子:あん?何をだ?
「緑のオクラを入荷しなさい」
幾多のオクラが焼きあげられ
幾多のオクラが消えていく
苦しむ農村の嘆きは
王女には届かない
捨て駒:元就様ぁ……もう……生産が追いつきません……。
緑の王女:泣き言など聞きたくない。発注がある以上、送らぬ訳にはいかぬのだ。
作れ、塵となろうとも。
捨て駒:紅の国……どんだけオクラブームなんだよ……。
捨て駒:なんでも、王女が偉くご執心らしいぜ……。
捨て駒:残業手当も出ないのに……とほほ。
紫の王子:おぅ元就。生きてるか?
緑の王女:貴様か。忙しいのだ。帰って貰おう。
紫の王子:儲かってんのは良いことだけどよぉ……お前、ちゃんと寝てるか?
隈、できてるぜ?
緑の王女:これも全て、策のうちよ。
紫の王子:どんな策だよ。
緑の王女:煩い。貴様如きに……我の壮大なオクラランド創設計画を邪魔させるわけには
いかぬのだ。帰って貰おう。
紫の王子:何を建設しようとしてるんだよお前は。ブームに乗っかって妙なもん作ると、
去った後に破綻するのは目に見えてんだぜ?
緑の王女:貴様に言われたくないわ、破綻王子め。
紫の王子:悲しい二つ名付けんなよ……。
緑の王女:全て……我は……計算済み……(倒)
紫の王子:お、おい!?元就!?
緑の王女:zzz……
紫の王子:……(溜息)オクラ畑なんかで寝ちまうと、あとで粘つくぜ(笑)?
「あら、おやつの時間だわ」
悪の華 可憐に咲く
狂おしい彩りで
とても美しい花なのに
嗚呼 棘が多すぎて触れない
召使:旦那………何コレ?
王女:団子でござるよ?
召使:それは、俺が作ったんだから分かってるよ。この飛び出してる物……何?
このトゲみたいな奴。
王女:オクラでござる。
召使:アンタ、団子に何を刺してんだよ……。
王女:美味でござるよ?……むぅ、だが少々食べづらいでござるな。
召使:当たり前だよ!あぁ……もう(溜息)
悪の王女を倒すべく
ついに人々は立ち上がる
烏合の彼らを率いるは
青き鎧の竜剣士
剣士:……。
従者:政宗様?お食べにならないのですか?
剣士:Everyday everynight everytime……
従者:鼻歌ですか?
剣士:牛蒡だ!毎日毎日毎日牛蒡と葱のOn parade!これは拷問か!?
従者仕方有りますまい。華美は法にて禁じられております。
質素な見た目に、しっかり栄養。牛蒡と葱こそ、今の法に則った
確かな食材といえるのです。
剣士:畜生……ああ言えばこう言いやがって……。もうイイ!
こうなりゃ法からぶち壊して、葱を禁じて貰う!
従者:はっはっは!そんな暴挙が通るとお思いか。
剣士:宥めんな!俺はやると言ったらやる漢!幸村には馬ぱくられた礼もあるしな。
いっちょ攻め入ってやるぜ、Let's party!Yeah!(走)
従者:晩ご飯までには、お戻り下さい。
つもりにつもったその怒り
国全体を包み込んだ
長年の戦で疲れた
兵士たちなど敵ではない
剣士:Ha! Peice of cake!もっと強い奴、出てきやがれ!
紫の王子:お?伊達。何暴れてんだ?
剣士:元親、お前こそ何しに来た。
紫の王子:俺はちょっくら幸村に説教をな。あんな無茶な発注じゃ、
オクラランドが崩壊しちまう。
剣士:目的は同じ、みてぇだな。紅の王女、覚悟して貰うぜ。
――
召使:思えばさ、この国も……いろいろあったよね。
王女:……?今は思い出話などしている時ではなかろう!反乱でござるぞ!?
召使:まぁまぁ、旦那。少し……ほんの少しだけ、話に付き合ってよ。
君は王女 僕は召使
未来を分かつ 哀れな運め
君を守る その為ならば
僕は悪にだってなってやる
期待の中君は生まれた
祝福するは教会の鐘
召使:覚えてる?旦那が小さいとき、教会の鐘が消えるって事件あったの。
王女:…?覚えておらぬ。
召使:事件は解決したよ。教会の裏手に、鐘が落っこちてた。
何トンはあろうかっていう巨大な鐘。勿論、ちょっとやそっとで落ちるようには
出来てないってのに………デカイ音を出そうと、ありったけの力で紐ひいて
落下させた人が居る。
王女:………。
召使:昔っから馬鹿力だもんねぇ(笑)みんなで必死扱いて直したんだよ?
王女:むぅ……すまぬ。
国政の勝手な都合で
君の未来は一つしかなかった
召使:ま、そんなアンタも、よく立派に政治をしてきましたよ。
王女:だが……結局招いたのは、この結果だ。
たとえ世界の全てが
君の敵になろうとも
僕が君を守るから
君はそこで笑っていて
召使:まだ、アンタは終わらないよ、旦那。
君は王女 僕は召使
抗えぬ 哀れな運め
君を守る その為ならば
僕は悪にだってなってやる
王女:佐助……?
もうすぐこの国は終わるだろう
怒れる国民たちの手で
これが報いだというのならば
僕はあえて それに逆らおう
「ほら俺の服を貸してあげる」
「これを着てすぐお逃げなさい」
「大丈夫、俺は忍だよ?」
「きっとだれにもわからないさ」
王女:何を申すか佐助!某だけ逃げるなど出来ぬ!
召使:まぁ、アンタはそこで見てなさいって。
王女:なっ、何をする!ここを開けぬか!佐助、佐助!
召使:その抜け道を通れば、誰にも見られず港まで出られるよ。早く行きな。
王女:逃げるというなら、お前も共に来るのだ!
召使:「王女」が消えない限り、反乱は収まらない。ずっと狙われ続けることになる。
王女:其れが定めと言うならば、某は戦うまで!
召使:勝ち目はないよ。アンタに居なくなられちゃ……俺は困るんでね。
王女:何を……する気だ?
召使:う~ん、我ながら惚れ惚れする化けっぷり。ホント、瓜二つ、だね♪
王女:佐助……お前、まさか……
僕は王女 君は逃亡者
運命分かつ 悲しき主従
君を悪だというのならば
僕だって同じ 血が流れてる
むかしむかしあるところに
悪逆非道の王国の
頂点に君臨してた
とても可愛い僕の主
王女:佐助とて……佐助とて居なくては駄目だ!佐助が……佐助がおらねば……
召使:………。
王女:誰が団子を作るのだ!
召使:えぇ~……其処ぉ~?(沈)
たとえ世界の全てが
君の敵になろうとも
僕が君を守るから
君はどこかで笑っていて
――
ついに王宮は囲まれて
家臣たちも逃げ出した
可愛く可憐な王女様
ついに捕らえられた
「この 無礼者!」
剣士:さぁ、もう逃げ場はねぇぜ。王女様?
王女:あ~らら、こりゃ観念するしかなさそうだねぇ(笑)
悪の華 可憐に咲く
悲しげな彩りで
彼女のための楽園は
嗚呼 もろくもはかなく崩れてく
むかしむかしあるところに
悪逆非道の王国の
頂点に君臨してた
齢十七の王女様
処刑の時間は午後三時
教会の鐘が鳴る時間
王女と呼ばれたその人は
一人牢屋で何を思う
王女:あ!洗濯物干しっぱなし!
ついにその時はやってきて
終わりを告げる鐘が鳴る
王女:今時断頭台って無いんじゃないの……?
紫の王子:お前な!ベルばら読んだこと無ぇのかよ!
王女:無いよ。
元親:か~っ!これだから最近の若いもんは!マリーアントワネットの
悪でありながら気高きその最期は断頭台が……
王女:はいはい、オタク談義は分かったから。やるならさっさとしてくれない?
剣士:Ha!肝の据わった王女様だぜ。お望み通りにしてやるよ。
王女:……なんか、随分変わった形だなぁ。箱形?これに入るの?
剣士:まぁ、見てのお楽しみ、ってもんよ。
王女:その邪悪な顔止めてってば。……………あれ?
召使:………。
王女:うわ~……見に来てるし。
召使:……っ。
王女:如何にも物言いたげな顔しちゃって。だったら来なきゃいいものを。
召使:………さ……佐助……
王女:げ。駄目だかんね旦那ぁ~……名前言ったら、元も子もないんだよ~……
召使:………っ。
王女:よし、よく飲み込んだ。偉いよ~、旦那。
召使:………。
王女:………そんなに俯かないでよ。アンタは何も、気に病む必要はない。
召使:……っ……さすけ……
王女:アンタはいつも、笑っててよ。
政宗:時間だぜ。
召使:っ!!!
民衆などには目もくれず
彼女はこういった
「佐助ぇっ!!!!タイムサービスの時間でござる!!!」
王女:マジですか!?
召使:マジでござる!卵一パック88円でござるよ!
王女:うぉおおお!!!絶対見逃せねぇええええ!!!いくよ、旦那!
召使:うむ♪
剣士:え?あれ?王女?箱に入れて鍵掛けてた筈だってのに……逃げてやがる。
王女:俺様忍よ~?変わり身なんてお手の物だっての。
紫の王子:ぎゃああああなんだこれぇえええええ!!!!!がはっげへっごぼっ!
なんで俺が代わりに入れられるんだよっ!!!
剣士:Shit……折角の粉地獄用意したってのに、お前が逃げちゃ台無しじゃねぇか。
番組の流れってもんを考えろよな!お前等、カットすんぞ!
紫の王子:粉ぁっ!?バカ殿かよ!
緑の王女:ほぅ、見事な変わり身だな。
紫の王子:拍手すんな其処!つかさり気なく見に来てたのかお前!
緑の王女:猿飛から「面白いものが見られるよ」と連絡を貰ってな。
成る程、これは良き見せ物だ。
紫の王子:畜生、俺最初から身代わり決定事項かよぉおおおお!!!!(泣)
召使:よ、良いのか佐助?
王女:いいのいいの。さぁ、いざ、スーパーという名の戦場へってね♪
悪の華 可憐に散る
鮮やかな彩りで
のちの人々はこう語る
嗚呼 彼女は正に悪ノ忍
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