夢が為、主が為。
遠慮はいらぬ。情けもいらぬ。
さぁ、己が武器を取り、
目の前の敵を存分に………
――褒め殺せ。
久秀:と言うわけで、皆には愛してるゲームに参加して貰う。
元親:本気でやるのか?
久秀:規則は特にない。同じフィールド内に闊歩する人間を、照れさせれば勝利。
最後の一人となるまで続けて貰う。
元就:限りなく無駄な時間だ……。
久秀:尚、照れたかどうかは、私の独断と偏見によって判断させて貰う。
勿論、勝者には賞品を出そう。卿達の望む物をくれてやる。
……食器洗い乾燥機だろうと。
佐助:ホント!?
久秀:武田信玄オリジナルグッズであろうと。
幸村:誠でござるか!!!!
久秀:友人だろうと。
政宗:おい……。
久秀:では、頑張ってくれたまえ。さぁ、仁義なき愛してるゲームの幕開けだよ。
政宗:Shit……なんで俺がこんなことをしなきゃならねぇんだよ。
アイツ等も賞品ちらつかされた途端、目の色変えて消えちまいやがるし。
Prideってもんがねぇのかよ……ったく。
小十郎:政宗様!
政宗:小十郎、お前も参加させられたのか……。
小十郎:私だけではありません。武将という武将が気配を殺し、互いの隙を窺っています。
政宗:面倒臭ぇ事になったな……。褒め殺しって一体何だよ。第一、
俺は賞品で貰わなきゃならねぇ程、友情に飢えてなんざいねぇ……
小十郎:………。
政宗:なんだよその悲しげな目は!言いてぇ事があるならはっきり言え!
小十郎:なんでもありません。それより早く身を隠さねば。
堂々と中央に居ては、恰好の餌食ですぞ。
政宗:Ha!俺はこそこそするのが大嫌いなんだよ。この俺を殺したい奴がいるんなら
いつでも相手してやるぜ。さっさと掛かってきな……
小十郎:しかし……。……っ!政宗様、背後に誰かおります!
政宗:早速か。上等じゃねぇか、俺の心臓は此処……って、なんだ、お前かよ。
いつき:兄ちゃ~ん、久しぶりだべな♪こんな所で、何してるだ?
政宗:俺は今忙しいんだよ。餓鬼の来る所じゃねぇ、帰んな。
いつき:失礼だべな~……。あ、茶色の兄ちゃんも、こんにちは♪
小十郎:相変わらずお前は、礼儀正しい挨拶ができるな。感心するぜ。
政宗:なんだよ、その「少しは見習え」とでも言いたげな目つきは。
いつき:うわ!兄ちゃん手が泥だらけだべ!どうしただ!?
小十郎:ああ、ここに来る直前まで畑仕事をしていたからな。
政宗:成る程。さっきから気になってたんだよ、お前のほっ被り。
みっともねぇから、せめて着替えてから来いってんだよ。
いつき:みっともなくなんかねぇだ!
政宗:Ah?
いつき:ほっ被りをして、手を泥だらけにして、一生懸命野菜に愛情注いでる人は
最高に恰好良いべ。茶色の兄ちゃん、きっと今年も良い野菜がとれるだよ。
小十郎:……。
政宗:小十郎……?
久秀:失格だな。
政宗:うわ!なんだお前!どっから出てきやがった!?
久秀:状況は見させて貰った。卿は今、紛れもなく「きゅん」としたろう?
小十郎:ぐっ……。お、俺としたことが……申し訳ありません、政宗様!
政宗:したのかよ!?
久秀:これで従者を失ったぞ、精々頑張ることだな。(去)
小十郎:この片倉小十郎、一生の不覚!かくなる上は、腹かっ捌いてお詫びをぉおお!!!
政宗:こんな下らねぇ事で腹斬られる方が恥ずかしいってんだよ馬鹿野郎!
………もういいから、戻って牛蒡と戯れてこい。
小十郎:面目の次第もございませぬ……。……さて、肥料は撒いたから次は水だな。
政宗:……ったく、切り替えの早い野郎だぜ。大体お前も余計なことを……
いつき:………(くす)
政宗:いつき……?
いつき:おらは村のアイドルだべ……?きゅんとさせるのくらい……訳ないだよ。
政宗:お前、まさか狙って!?
いつき:茶色の兄ちゃんは優しいべ……まんまと照れてくれただ。
政宗:そ、そんな……子供のお前が……
いつき:おらは子供だ。でも……だからこそ持つ武器がある。曇り無き純粋な目。
それに蹌踉めかない大人はいねぇ。……おらは本当は闘いなんかしたくねぇだ。
でも……でも!村のため、優勝賞品のトラクターを手に入れるためなら!
おらは鬼にも邪にもなってやるだぁああ!!!
政宗:機械化にしてぇのかよ!
いつき:蒼い兄ちゃん、覚悟するべ!
――片倉小十郎、失格。
元親:誰もいねぇ……よな?はぁ~……恐ろしい闘いだぜ。漫画やアニメで育ってるから、
俺の感受性は人一倍強ぇんだ。健気な言葉の一つでも吐かれたら
あっという間にお陀仏だぜ……。こいつは隠れているに限る。ただ賞品の
フィギュア一年分(←?)は欲しいからな。敵が減ったところを狙って……
元就:誰か居るのか?
元親:っ!!!(隠)……元就?やべぇ……アイツには絶対見つかりたくねぇ……。
うっかりツンデレ台詞でも投げかけられてみろ。確実に……負ける。
元就:ふむ……気のせいか?
島津:おぉ?サンデーどん!
元就:チェスト殿か。久しいな。
島津:おぉおぉ、相変わらず能面のような顔しとんの~、よかよか!
元就:…っ(咳)。背を叩くな。
島津:しっかし楽しい戦もあるもんだわい。「愛」のゲームか。
サビー様もきっと喜んどるばい!
ザビー:愛、渦巻いてマ~ス!
元就:ザビー様!
サビー:愛を制す物、即ち勝者ネ~!コレ、最高のゲームヨ!愛シテェ~!(どかぁん)
元親:滅茶苦茶ハイテンションだな……(隠)
島津:ご機嫌じゃのぅ、ザビー様!
ザビー:当たり前デショ!愛のゲームで、ザビーが負けると思ウノ~?
コレまさに、ザビーのためのゲームダヨ!愛故ニ~、命知らずが今日もイク~♪
ドンナニ困難で、挫けそうデモ~、信じるコトサ~!
島津:よかよか!(笑)いやぁ~、おいもザビー様を信じた甲斐があったってもんだばい!
サビー:ソウデショ~?
元就:ザビー様、これからも永久に、貴方様の教えを守って参ります。
サビー:ウン!頑張っテネ、タクティシャ~ン!
元就:はっ。例え刃折れ矢尽きようとも、愛を貫く覚悟にございます。
命を賭して、貴方様の信条を世間に広めて行きましょう。
ザビー:……。イヤ、イイヨ。ザビーは月謝だけ納めて貰エレバ……。
島津:何を言っとるばい!おい達はもうとっくに仲間じゃ!いわば、お友達だばい!
元親:おい、島津……。肩組むのはいいが、てめぇの豪腕考えろよ……。
元就がなんか間接おかしくなってんじゃねぇか……。
ザビー:な、仲間違ウヨ……。ザビーは教祖様ネ……。お友達ナンカイラナイヨ……。
元就:何処ぞの独眼竜のような事をおっしゃってはなりませぬぞ、ザビー様!
島津:異国から来たんじゃ、何かと苦労も多いに決まっとるばい。
なんぞ困ったことがあったら、このジジイのトコにいつでも来ればよか!
ザビー:………。うぅっ(泣)
元親:あ、泣いた。
ザビー:ザビーだって……ザビーだって大変なのよ!チョップスティックは使えないし!
和式便所に腰掛けて笑ワレタシ!ミートパイ無いし!マミーが恋しいよぉお!!!
島津:そうかそうか、そいは大変じゃったのぉ。おいに全部話しちまうばい。
サンデーどん、おい等は飲みに行くから、後は頼むばい。
元就:う、うむ……?
元親:こんな絵面の友情漫画、誰も読まねぇよな……(呆)
久秀:2人失格、と。
――ザビー、異国の愛に触れ、脱落。島津義弘、自主退場。
濃姫:上総介様。
まつ:犬千代様。
お市:長政様……。
信長:?
利家:どーした?
長政:何事だ、市。揃って三つ指など付きおって。
濃姫:これからもずっと、濃めをお側においてくださいませ。お慕い申しております。
まつ:犬千代様の妻となれたこと、最高の誉れにございます。愛しておりまする。
お市:市……長政様のこと……大好き……だよ……?
信長:……っ!!!
利家:まつぅうううう!!!!
長政:いいい市ぃ!公衆の面前で、なんという事を言うのだぁあああ!!!!
濃姫:上総介様、今宵は……(微笑)
まつ:犬千代様、今宵も……(微笑)
お市:長政様…市、嬉しい…(微笑)
信長:~~~~っ!!!
利家:~~~~っ!!!
長政:○◆∞☆@♂◎■△!!!!!!!!???
濃姫:……(溜息)流石に、言う側も少し恥ずかしいわね。
まつ:そうでござりまするか?まつめはまだまだ言えまする♪
お市:長政様……大丈夫……かな?
濃姫:白目剥いているけれど、照れで死んだ人間はいないわ。大丈夫でしょう。
……御免なさい、上総介様。でも……優勝賞品のピンクダイヤは譲れないのです!
まつ:もう慶次に悪戯されないよう、必ずや全自動風呂を手に入れてみせまする!
お市:プラチナの……五寸釘……。ふふふ……。
久秀:いやはや、女性とは強きものだな。
――織田信長、前田利家、浅井長政、嫁の手によって敗北。
顕如:金、金、金!世の中という奴は、金が全てなのじゃ!
幸村:………。……顕如殿。
顕如:……?
幸村:某は金が全てだとは思わぬ。しかし、一事に信念を貫く姿勢は見事なり。
友人として、一度茶でも飲みながら話がしたいものでござる。
顕如:………っ。う、うわぁああああああん(走)
義元:お、おほっ!麻呂は自分が最高に恰好良いということを、
よぉく知っているでおじゃる。少々の誉め言葉など、さらりと流して……
幸村:義元殿。
義元:……?
幸村:某、わんこ殿大好きでござる♪今度遊びに行っても良いでござるか?
義元:お、おじゃあああああ!!!!(走)
武蔵:……っ!!お、俺様は負けねぇぞ……。俺は武蔵!最強の男……
幸村:3ではきっと、武蔵殿のストーリーモードも出来る!某は信じているでござる!
武蔵:畜生ぉおおおおおおお!!!!(走)
佐助:いや~、流石真田の旦那。一挙に三人も倒しちまうとは、アンタも罪なお人だよ♪
幸村:……佐助。(きゅぽん)
佐助:あ!耳栓取ったら駄目だって言ったでしょ、旦那。このゲームの中じゃ、
いつ何処から教育上不適切な台詞が聞こえてくるか、分からないんだからね。
幸村:でもずっと耳栓をして、佐助に指示された台詞を言うのみではつまらぬぞ。
佐助:イイじゃないの、勝ってるんだから。ああいう連中はね、悪ぶってるけど
優しい言葉に飢えてるんだ。だから旦那が純朴な目して、ちょいと言葉を掛ければ、
あっという間に落ちるのさ。
幸村:そういうものなのか?
佐助:そういうもんなの。さ、旦那、食器洗い機目指して、次行くよ次~♪
――本願寺顕如、今川義元、宮本武蔵、脱落。
家康:……来たな、北条氏政!
氏政:ふん……三河のヒヨッコめが。
家康:ガソリンの値上がり……忠勝の燃料もいつ買えなくなるか分からねぇ。
ここは何としても優勝して、燃料代を稼がにゃならねぇんだ!
氏政:儂とて譲れぬ!最近マッサージ機が壊れちゃったのじゃ!
家康:どうやら、譲る気はねぇようだな?
氏政:話すだけ無駄というものじゃ。
家康:行け、忠勝!北条をめろめろに照れさせてやれ!
氏政:行くのじゃ風魔!徳川をほのぼのさせてやれい!
忠勝:………!!!!
小太郎:……!!!!
忠勝:………。
小太郎:……。
忠勝:………。
小太郎:……。
氏政:い、いかん!会話が成立しない!
家康:出会ってはいけない二人が、出会ってしもうたな……。
小太郎:………。
氏政:うん?どうしたのじゃ、風魔?
小太郎:………?
氏政:ば、馬鹿者!いくらなんでも、まだ腰痛など起きぬわ!
小太郎:………。……?
氏政:い、いやしかし、毎晩肩叩き等、お主とて疲れるじゃろう?
小太郎:………。
氏政:ふ、風魔ぁ~……(泣)
家康:な、何なんだ?
忠勝:……。
家康:む?忠勝は心配せずとも良い。ガソリン代が上がるのは、お前の所為ではないぞ。
忠勝:………。
家康:ば、馬鹿!迷惑だ等と思ったことは一度もない!頼りにしておるぞ、忠勝。
忠勝:………。…………。
家康:た、忠勝~~~~っ!!!!(泣)
忠勝:………♪
小太郎:……♪
久秀:会話は想像で補ってくれたまえ。
――北条氏政、徳川家康、脱落。本多忠勝、風魔小太郎、それに従って自主退場。
光秀:嗚呼……何処におられるのですか……信長公……。早く……早く貴方に……
私の溢れる愛の言霊をぶつけて差し上げたいッ!!!!!
半兵衛:やぁ、光秀君。相変わらず気持ち悪いね。
光秀:お久しぶりですねぇ………貴方も参加していたのですか。
ときに……信長公を見かけませんでしたか?これ以上焦らされると私……
放送禁止用語を連発してしまいそうなのですが……?
半兵衛:信長公なら脱落したよ。
光秀:何……ですって……?
半兵衛:奥方にやられたんだよ。亭主組は揃って嫁に脱落させられた、情けない話だね。
光秀:嗚呼……嗚呼……狡い……狡いですよ帰蝶……。
半兵衛:ご覧、丁度脱落室に向かっている亭主一同が通るよ?
光秀:信長公ゥゥウウウウウウ!!!!!!(走)
半兵衛:流石、切り替えが早いね。
光秀:信長公……探しましたよ……くくくく………
信長:み、光秀……(退)
光秀:しかし……私が愛の言葉を囁く前に……貴方が倒されてしまうなんて……
許せません……許せませんよ……帰蝶……くくく……
信長:このよぉな児戯にぃ、付き合う気は無しぃ!
半兵衛:その割には、もの凄く照れたそうじゃないか。
光秀:信長公……貴方の無念……私が晴らして差し上げましょう……
信長:……?
光秀:仇を……帰蝶を倒してみせます……!!!
信長:……。
光秀:こう見えて私、意外とファン多いんですよ……?帰蝶とも長い付き合いですし……
脳髄が溶解するほど甘い台詞で………帰蝶を脱落させて見せます!!!
信長:……。
半兵衛:撃たれるのがオチだと思うよ?
光秀:待っていて下さい……信長公!!!今……今すぐに……くくく……
信長:待てぃ、光秀。
光秀:はいィィィイイイ!!!何でしょう信長公!!!
信長:とりあえず……離れよ……。……光秀。貴様に、これをつかわす。
光秀:これは……これは!帰蝶と蘭丸に叩き潰されたと思っていた、私の盗撮カメラ!
信長:………これもくれてやる。
光秀:これは!その時のテープ!!!!信長公ゥゥウウウウウウ!!!
信長:押収した写真も観察日記とやらも返してやるわ!ついでにこれもくれてやる!(撃)
光秀:嗚呼!!!愛の弾丸!!!イタイ……イタイ……最高ですよ信長公!!!
信長:満足したなら、さっさと帰れぃ!!!
光秀:ハイィィイイッ!!!!帰ります……帰りますともォオオ!!!アァァハハハハハッ!!!(走)
信長:……(息切)
利家:だ、大丈夫……ですか?
長政:兄者……もしや、義姉上に変態を近づけぬ為に……?
信長:よ、余計な詮索はぁ……無用……。
利家:うぅ……脱落して尚妻を守る!某、感動いたしましたぞ!某も、まつを守る!(走)
長政:い、市をこのような場に残しておけぬわ!(走)
信長:………(恥)
半兵衛:意外と純情なんだね。
――明智光秀、ビデオ整理のため、帰宅。
慶次:恋ってのはイイもんだよ、あったかくてさ。恋がどんどん大きくなって、
愛って奴になると、人は菩薩も驚くくらい、優しくやれるんだ。
きっとアンタもいつか、そう思える人が現れて……
蘭丸:黙れ、変態!
慶次:……~っ!なんだよ~、人が折角恋の素晴らしさを教えてやってるってのに。
ま、子供にはちぃと早すぎる話だったかもな。
蘭丸:お前、恋恋五月蠅いんだよ、万年発情男!
慶次:さ、流石にそれは傷つくぞ……。
蘭丸:愛なんて知るかってんだよ、バーカ。蘭丸の弓矢で、強制退場にさせてやる!
慶次:弓矢って言やぁ、恋のキューピッドってな♪知ってるかい?
キューピッドは愛の女神の息子なんだ。だから恋ってやつは……
蘭丸:お前、ホントいい加減にしろよ!
お市:あら……?あれは……
濃姫:蘭丸君!
まつ:慶次!何をしているのです!?
蘭丸:濃姫様ぁ~、こいつさっきから変なことばっか言うんですよ~
濃姫:まぁ!貴方……まさかうちの蘭丸君に妙な事教えていないでしょうね?
まつ:慶次~(睨)
慶次:そんなに怖い顔すんなよ、まつ姉ちゃん!俺はただ、人に優しく生きようって……
蘭丸:何が優しく~だよ。偉そうな台詞は自分の家を建ててから言えってんだ、
万年フリーター男~!
慶次:ぐっ……
濃姫:こら、蘭丸君!本当のこと言っちゃ失礼でしょう。
蘭丸:家の手伝いもしないで、日がな一日ごろごろしてんだろ?
おまけに悪戯するだぁ?お前、いくつだよ。いい加減にちゃんと自立しろ!
養って貰ってるくせに、迷惑ばっかり掛けてんじゃねぇぞ!
慶次:うぅ……
濃姫:こら、蘭丸君!そんな的確な指摘をしたら、傷つくじゃないの。
慶次:濃姫さんも、大概きっついよな……(沈)
まつ:慶次がいつまでも子供だからいけないのです。もう少ししゃんとなさい!
慶次:うん……俺……反省したよ、まつ姉ちゃん。御免…俺、迷惑掛けてばっかりだ……
まつ:な、何も其処まで落ち込まなくて良いのですよ?家族たるもの、
少々手が掛かるくらいで、迷惑だ等と思いませぬ。
慶次:ありがとな……。俺、頑張るから!いつか絶対、利とまつ姉ちゃんに恩返しする。
今はこんなだけど……誇りに思って貰えるようになりたい。だからまつ姉ちゃん、
もう少し……もう少しだけ……待っててくれ。
まつ:……ええ、信じておりまする。
慶次:……。俺、二人が家族で、本当に良かったよ。
まつ:………。………ああぁ~……地が回りまする(倒)
慶次:ま、まつ姉ちゃん!?どうしたんだよ!?
利家:まぁぁぁつぅうううう!!!!迎えに来たぞぉおおおお(走)
慶次:あれ?利?
利家:お?慶次か。………まつ!どうしたんだ、まつ!?何があったんだ慶次!?
慶次:お、俺にもさっぱり……?
まつ:嗚呼、犬千代様……まつめは……まつめは嬉しゅうございます!
利家:……?
まつ:慶次が……慶次が大人になると。真面目に働き、全自動風呂も買ってやると
そう言ってくれたのでございます!まつめは感動のあまり、立っていられませぬ。
利家:なんと!偉いぞ、慶次!
慶次:俺……そこまで言ってないんだけど。(汗)
まつ:さぁ、帰りましょう、犬千代様。祝いをしなくては。
利家:そうだな、まつ!いざ、我が家へ!(走)
慶次:………。
蘭丸:変な一家。
濃姫:そうね(笑)でも、とでも素敵な家族だわ。
蘭丸:全然素敵じゃないですよ!信長様と濃姫様の方が、ずぅっと素敵です!
濃姫:蘭丸君。
蘭丸:今は子供だけど……あんな馬鹿より、蘭丸の方がずっとずっと凄い奴になります!
信長様のお役にたって、濃姫様も守れるようになって見せます!
見ていて下さい、濃姫様。
濃姫:………蘭丸君。
久秀:失格だな。
濃姫:!!!い、いつから居たの、久秀……?
久秀:ずっと見せてもらったよ。いや、実に浪漫に富んでいる。
子の台詞に思わず「きゅん」とせずにはいられぬ、か。苛烈苛烈!
濃姫:貴方が言うと、妙に腹立たしいのは何故かしら……。
でも……(溜息)これで私も脱落ね。
蘭丸:ご、御免なさい濃姫様……。
濃姫:蘭丸君は悪くないわ。今の言葉は、ダイヤよりずっと嬉しかったもの(微笑)
……私は上総介様の元へ帰るわ。蘭丸君は頑張りなさい。
蘭丸:はい!是非も無しです!
お市:市……羨ましい……。
――まつ、濃姫、親心により、脱落。
幸村:う~む……なかなか人が見つからぬでござるな。
佐助:それに越したことはないよ。知らないところで戦って、人数が減ってくれれば
それだけ食器洗い機も近づく~ってね♪
かすが:楽しそうだな。
佐助:かすが~!やっと出てきてくれた~♪
かすが:あっさり背後を取らせるなど、貴様、忍として終わっているぞ。
佐助:またまたぁ、俺様がお前の気配に気付かないとでもお思い?
さっきから俺様のこと付け狙ってたでしょ。もういつ来るのかいつ来るのかって
楽しみにしてたんだから~。
かすが:~~~っ!!!殺す!
幸村:うぉ!危ないでござる!
佐助:こらこら、それじゃコンセプトが違うでしょーが。さぁ、遠慮せずずずずいっと
愛の台詞を言っちゃって頂戴!あ、旦那は耳栓装着してね。
かすが:五月蠅い!あんな台詞、貴様になど、死んでも言うものか!
佐助:「あんな」って事は、一応用意はしてくれたんだ~台詞♪
かすが:~~~~っ!!!絶対に殺す!
謙信:おや?そこにいるのは、わたくしのうつくしきつるぎですか?
かすが:あ……。
佐助:げっ。
幸村:む?
謙信:なにをしているのです?さがしたのですよ。さぁ、わたくしのもとへくるのです。
かすが:け、謙信様ぁあああああああああ!!!!!
久秀:失格だな。
佐助:え!?もう!?
謙信:わたくし、なにもしていないのですが……?
久秀:アレを照れと言わずして何という。失格だ。
かすが:くっ……無念。
佐助:俺様も無念~……。
信玄:ふっはっは!上杉の忍、修行が足りぬのう!
幸村:お館様ぁあああああああああ!!!
佐助:あれ?大将達、一緒に居たの?
信玄:うむ、上杉と一献交えていてな!
佐助:まぁた昼間っから宴会かよ!
謙信:いつなんどきでも、びみはびみ。よるであろうと、ひるまであろうと
わたくしは、のみたいときにいただくのがぽりしーなのです。
佐助:発想がア○中だよ!
幸村:お館様ぁっ!この幸村、必ずや戦に勝利して見せますぞ!見ていて下され!
信玄:未熟者がぁあああ!!!
幸村:ぐはぁっ!
信玄:佐助に頼りきりで、勝利を手にするなど恥ずかしくはないのか!
武士の端くれとして、お前も自らの力で愛にぶつかれぃ!
幸村:お館様ぁぁ!!某、慢心しておりました!愛など怖くございませぬ!!!
信玄:よかろう!では、これから儂が直々に稽古を付けてや……
佐助:はい、旦那。ちょいと御免よ(すぽん)
幸村:む!?佐助、何をする!?今耳栓などしたら、お館様のお声が聞こえぬではないか!
佐助:だからしたんだっての。アンタ、直々に稽古してやるなんて言われたら
尻尾ぶんぶん振って大喜びするでしょうが。即脱落だよ。
信玄:流石は佐助よ。戦の先を読んでおるな。
佐助:大将……アンタにその気は無いのかも知れないけど、旦那が脱落させられる
一番の危険人物は大将なんだよ。俺は……旦那に消えられるわけにはいかない。
アンタには脱落して貰わなきゃならないんだ。旦那は怒るかもしれないけどね。
信玄:ほぅ……大した忍よ。だが、果たしてお主にそれが出来るか?
佐助:出来るさ。ここに軍神と連れだって来たこと、それがアンタの敗因だ。
謙信:わたくしですか……?
佐助:……(微笑)。それじゃあ、行かせてもらうよ?
「今夜は何本でも飲みたい放題!文句は一切言いません!
おつまみだろうが、唐揚げだろうが、なんだろうが、ご所望の物を作りますぜ!
思う存分、朝まで宴会することを許可します!」
信玄&謙信:ひゃっほぉおおおうう!!!!!!(嬉)
幸村:耳栓で何も聞こえぬ……。お館様は何をはしゃいでおられるのだ?
佐助:旦那は気にしなくていいの。……はぁ、今晩は寝られないな~……。
――かすが、軍神の輝きにより、脱落。
武田信玄、上杉謙信、オカンの一声により、脱落。
元親:彼方此方で脱落者が出てやがるな……油断は禁物だぜ。
お市:こんにちは……。
元親:うどわぁああああああ!!!!!!……な、なんだ……おめぇかよ……脅かしやがって!
お市:市……ただ挨拶しただけなのに……
元親:わ、悪ぃ、あんまり突然だったからよぉ……。あれ?
お前、いつもべったりの旦那はどうした?
お市:長政様なら……脱落した…わ……。全部……市の所為……
元親:旦那倒したってか、すげぇ嫁だな。
お市:貴方こそ、戦だというのに、いつもの「やろうども」はどうしたの?
元親:今日は連れてきてねぇよ。そもそも、こんな展開になるなんざ
予想してなかったからな。けど、連れてこなくて良かったぜ。
お市:どうして……?
元親:俺、百パーセントこのゲーム弱ぇもん。情けないトコ見られたくねぇ。
お市:……そうなの。市は……やろうども……会いたかったわ。
元親:お?おめぇ、アイツ等気に入ってんのか!?野郎共が聞いたら、
反り返って喜びそうだぜ(笑)
お市:貴方、人に一杯慕われてるのね……羨ましい……。
市には……誰もいないから……寂しいの……
元親:おめぇんトコだって、兵は一杯抱えてんだろ?
お市:市に付いてきてくれるのは……市が兄様の妹だから………
市には……人に心から慕って貰うなんて……出来ない……
だから今も……ひとりぼっち……
元親:……(溜息)おめぇ、何にも分かってねぇな。
お市:……?
元親:口で言っても、よく理解できねぇか。何か丁度良いもんでも……(探)
元就:見つけたぞ、魔王の妹!
お市:あら……?
元就:さぁ、弱味を握り、我が駒となりし五本槍よ!彼奴を脱落させるが良い!
五本槍:りょ、了解しましたぁ……
お市:酷い……。みんな……市を……市を殺すのね……
元親:よぉし!よくやった元就!グッジョブ!
元就:???な、何故貴様がここにいる!?そもそも、ぐっじょぶとは何だ?
貴様は普段、我が策を弄すと「卑怯だ、男らしくない」と散々コケにして……
元親:よくアイツ等を此処に連れてきた!これ以上無いほどの適役だぜ♪
元就:???
炎の槍:ひい様……。
お市:……(怯)
炎の槍:俺……俺……。………すいませんっ!毛利さん、やっぱ俺出来ないっすよ!
元就:何?
氷の槍:俺も~……
雷の槍:俺もっす。
風の槍:ひい様が可哀想で……
闇の槍:後のことを考えると、長政様が怖いっすもん。
元就:貴様等……我を裏切るというか!
五本槍:だって、ひい様のが大事だし(異口同音)
元就:貴様等ぁ……もがっ!?
元親:まぁまぁ、ここは黙っとけって。
炎の槍:俺等、ひい様を裏切るなんて出来ません。
氷の槍:長政様は怒ってばっかで、ひい様が泣いてばっかで。でも……
雷の槍:そんなアンタ達にに惚れて、俺等この軍に入ったんすから。
元就:貴様等……他の軍にもちょいちょい仕えておるではな……もごっ。
元親:だぁから黙っとけってんだよ!
お市:でも……みんなが付いてくるのは……長政様や……兄様が怖いからで……
市には……誰も……
風の槍:ひい様が居なきゃ、浅井軍は成り立たないですよ(笑)
闇の槍:ひい様悲観的だからなぁ……はっきりいいますよ?俺等みんな…
五本槍:ひい様大好きです!(敬礼)
お市:………。
元親:俺、感動しちゃった……(泣)
元就:馬鹿馬鹿しい……。さっさと離せ!
お市:酷い……
元親:へ?
五本槍:ひい様……?
お市:みんなでそうやって……市を照れさせて……脱落させるのね……(さめざめ)
五本槍:そ、そんなことないっすよ!俺等は本心から……
長政:削除ぉおおおお!!!(蹴)
五本槍:ぐはぁっ!(爆散)
長政:婦女子を泣かせる悪め!貴様等五本槍がそのような悪であったとは、
私はがっかりしたぞ!市を泣かせおって……許さぬ!無言即殺!
五本槍:ちょ、違いますって!話を……
長政:問答無用!成敗!
五本槍:ぎゃああああ!!!
お市:待って……長政様……。
長政:む?何故止めるのだ、市。
お市:みんな……ありがとう……。脱落させるための嘘でも……市……嬉しかった。
五本槍:……。
お市:長政様、帰ろう……。
長政:し、しかし市!お前は折角、勝利の可能性が残されていると言うに……
お市:いらない……。ひとりぼっちで戦うのは……嫌。
長政様と……みんなと……一緒にいる方が良い…の…。
長政:~~~っ!!!
元親:俺も早く結婚してぇなぁ……(羨)
元就:馬鹿ではなかろうか?
――五本槍、お市により、脱落。浅井長政、2度目の討死。お市、主に付き添って帰宅。
蘭丸:信長様や濃姫様の為にも、頑張るぞ!必ず優勝して、金平糖を手に入れるんだ!
政宗:だぁぁああ!!!!付いてくるんじゃねぇええええ!!!!(走)
蘭丸:アレは……奥州の馬鹿。誰かに追われてんのか?
いつき:待つだぁあああ!!!逃がさねぇだよ!!!
蘭丸:なんだ……アイツかよ。けっ、馬っ鹿じゃねぇの?
いつき:蒼い兄ちゃん~!!!おら、お侍はみんな悪人だと思ってたども、
兄ちゃんのお陰で変わっただ!おら……おら!兄ちゃんのこと信……!
政宗:あぁあああああ!!!!聞こえねぇ!何も聞こえねぇぞ!
いつき:耳塞いで逃げるなんて卑怯だべ!ちゃんとおらの言葉を聞くだ!
政宗:策だと知っていようが、聞いたら負けなの分かってっから逃げてんだよ!
いい加減にしろよ、お前!大体なんだよ、トラクターって!手作業にPride持て!
いつき:作業の効率が上がって作物が増えりゃあ、飢饉が起きても助かる人が
増えるかもしれねぇだ!だから兄ちゃん、おらの話を聞いてけろ!
政宗:こんなくだらねぇゲームで、真面目な提案持ち出してんじゃねぇよ!
いつき:おらの村は、今年は大豊作だっただ。本当なら、この前の戦で踏み砕かれて
今年は米とれねぇと思ってたども、畑一杯、金色になっただ。
それもこれも、戦を遠ざけるためだけに出陣してくれた、兄ちゃんのお陰……
政宗:だぁぁぁああ!!!聞きたくねぇ!そんな目で見るんじゃねぇえええ!!!(逃)
蘭丸:………。なんか……無性に腹立ってきた……。何、アイツ等?
いつき:待つだぁ~!(追)蒼い兄ちゃん……絶対逃がさないだよぉぉおお!
……。あ、蘭丸。安心してけろ、おら蘭丸も大好きだべ?
蘭丸:~~~~っ!!!!
いつき:おめぇさんも、大事な友達だかんな♪……兄ちゃん、待ぁぁてぇぇえ!!!(追)
蘭丸:………。あ、あの馬鹿女ぁ……(伏)
――森蘭丸、通り魔により、撃沈。
秀吉:……(きょろきょろ)
慶次:……秀吉?
秀吉:っ!!!け、慶次か……。
慶次:どうしたんだ?きょろきょろして。
秀吉:い、いや……動物園でのアルバイトから帰還したのだが……
どうもおかしな事になっているようだな。どうしてイイか分からず、
今し方まで隠れていたのだ……。
慶次:勿体ねぇ~、こんなに面白いのゲームだってのに!
秀吉:お、面白いのか?
慶次:ああ!俺、いろんなとこ巡り歩いて、ちょこちょこ状況見てきたんだけどさ、
……彼方此方で上がる、愛や恋の花火。こんなに地球に優しい戦はないよ!
秀吉:そうなのか……?先程ルールを聞いてきたが……我には参加できそうにない。
慶次:え~っ!なんで!?
秀吉:我は……愛などと言うものを口に出すことは出来ぬ。
慶次:……。お前、ネネにも滅茶苦茶奥手だったもんな……。
秀吉:う……
慶次:あ、馬鹿!思いだし照れとかやめろよな!?照れたら脱落なんだぞ!?
秀吉:う、うむ……。なかなか厳しいものがあるな……。……半兵衛はどうしている?
慶次:半兵衛?ああ、一応フィールド内には居るよ。
「僕が照れるなんて有る筈無いじゃないか。だって見れば分かるだろう?
この美貌を前に、感激の言葉を口にしない者なんていないんだ。
愛だの何だのなんて台詞、聞き飽きて居るんだよ(微笑)」ってさ、
嫌味~な言葉残して、どっかにいっちまったよ。
半兵衛:だって事実なんだから、仕方ないじゃないか。
慶次:うわ、吃驚した!
秀吉:半兵衛、無事だったのだな!
半兵衛:無事も何も、言っただろう?僕を照れさせるなんて、不可能なんだよ。
どんな言葉も、僕の前では霞んでしまうからね!
慶次:ホント、自信の塊だよな、お前……。
秀吉:そうか、では半兵衛の優勝は確実だな。
半兵衛:当たり前じゃないか。
秀吉:それは何よりだ。我は審査員の元にでも行くとするか。賞品を取り消すとしよう。
慶次:わざわざ行く事無いだろ?何頼んだんだ?
秀吉:先程希望の賞品を聞かれたのでな。我に優勝など有り得ぬと思っていたが、
万一と言うこともある。しかし特に欲しい物が思いつかなかった故……
半兵衛が欲しがっていた「ぼでーばたー」とか言う奴を頼んできた。
半兵衛:………へぇ。
慶次:馬っ鹿だな~もう!自分の欲しい物、何でも頼めるんだぞ!?
わざわざ半兵衛の欲しい物頼んでどうするんだよ!
秀吉:し、しかし……それで喜んでもらえれば……我はそれで……(汗)
慶次:かぁ~っ!どっこまでお人好しなんだよお前は!
半兵衛:………。じゃあ、さっさと帰ろうか、秀吉。
慶次:へ?
秀吉:げ、げーむは良いのか?
半兵衛:こんな勝ちが分かってるゲーム、面白くも何ともないから。
秀吉:し、しかし、半兵衛が勝てば、半兵衛の欲しい物が貰えたのだろう?
半兵衛:……バナナなんていつでも食べられるし。
慶次:ばなな?
秀吉:……。
半兵衛:いいから。さっさと帰ろう。精々頑張って生き延びてくれよ、慶次君。
慶次:うん?あ、ああ。
秀吉:は、半兵衛。待ってくれ。一日中立ち仕事だった故、思うように足が動かぬのだ。
半兵衛:別に、座って配ればいいだろ?
秀吉:しかし、風船をもらってくれる子供達には、敬意を払わねばなるまい。
半兵衛:君、ホント無駄な労力が多いよね。大体さぁ……
慶次:………。
久秀:此処にも、意外な浪漫があったな。
慶次:わ!……いきなり背後に立つなっての。けど……そうだな。
久秀:表面上隠しているつもりらしいが、何ともわかりやすい。
自主的に認め、脱落する姿勢も好感が持てる。
慶次:本人は認めてるつもりは無いと思うよ?(笑)
……いいだろ~。俺、アイツ等の昔から友達なんだぜ♪
久秀:無くさぬよう、精々気を付ける事だな。
慶次:へ~い、肝に銘じておくよ。
――竹中半兵衛、豊臣秀吉、自主脱落。
2につづく
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