相談しよう

――１５分で考えた時事ネタ。
　　　蒼紅で、大型スーパーにやってきました。

政宗：まぁ基本は野菜だろ。
幸村：うむ。では、お野菜売り場に、いざ出陣！
政宗：Ah～……でも、それじゃ買い出しと変わんねぇか……。
幸村：そうでござるか？
政宗：そうだな……無難に、花とかはどうだ？
幸村：よし。では園芸用品売り場に……
政宗：駄目だ。想像したら、あまりの不似合いさに、薄ら寒い物を感じたぜ。
幸村：むぅ……はっきりせぬな。政宗殿はゆーじゅーふだんでござる。
政宗：Shut up!お前こそどうなんだよ。人に頼ってばっかいねぇで、
　　　　ちったぁ自分で考えろ。
幸村：やはり……団子でござろうか？
政宗：そりゃお前の欲しい物だろうが。
幸村：しかし……欲しがりそうな物と言っても、見当も付かぬ。
政宗：休暇じゃねぇ？
幸村：耳にいたいお言葉でござるな……。
政宗：うだうだ話してても仕方ねぇ。ちょっと歩き回ってみるか。

――惣菜売り場
幸村：ふぉぉ！お寿司が一杯でござる！
政宗：こんな日くらい、母親を料理の手間から解放してやろうってことか？
　　　　悪くねぇ趣向かもな。
幸村：……。（ひょい）
政宗：ちらしもあるな。なかなかCoolな錦糸卵じゃねぇか。
幸村：………。（ひょい）
政宗：ただあまりにも間に合わせっぽい。
　　　　これだけってのも、ちと寂しすぎるぜ。どうせなら手製で……
幸村：………。（ひょい）
政宗：（掴）てめぇは、一体何回試食すれば気が済む！
　　　　恥を知れ、恥を！
幸村：し、しかし、干瓢巻きが実に美味なのだ。
政宗：だったらせめて堂々としろ！販売員の目を盗むな！
　　　　こっちが恥ずかしいんだよ！
幸村：ふっ、政宗殿もあまいでござるな。堂々といってくれるのは三回まで。
　　　　三回以上だと、販売員殿も困った顔をされるのだ。
　　　　互いに気まずい思いをするくらいなら、気付かれぬようにした方が、
　　　　某の腹もふくれて一石二鳥！
政宗：胸を張るな！ついでに手を伸ばしてもう一個食うな！
　　　　次行くぞ、次！
幸村：だ、だが佐助の教えでは、五個までは常識と……
政宗：何教えてんだアイツは！行くぞ！

――生活用品売り場
政宗：Hum……悪くねぇフライ返しだ。
幸村：六本もいらぬでござろう。
政宗：この方が早く炒められんだろうが。
幸村：一体何を炒めるおつもりでござるか……？
　　　おぉ！！これはどうでござるか？多機能フライ返しでござる。
政宗：多機能？何が出来るんだ？
幸村：フライ返しとして、お玉として、計量カップとして。
政宗：Hum.
幸村：さらに柄の部分は、はさみ、缶切り、栓抜き、コルク抜き。
政宗：便利じゃねぇか。
幸村：さらにさらに。収納部分を広げれば、爪切り、耳かき、毛抜き、歯ブラシ、！
政宗：Ah?
幸村：お風呂掃除からトイレ掃除に至るまで、コレ一本で完璧に対応……
政宗：なんか汚ぇなソレ！
幸村：役に立つと思うのだが……
政宗：確実に別々にした方が便利だ。次行くぞ。

――玩具売り場
幸村：おぉ！政宗殿！真理夫カートの体験版があるぞ！いざ尋常に勝負でござる！
政宗：上等だ……くせになるなよ？
幸村：発進！ぬぉおおおおおおお負けぬぁああああああああ!!!!!
　　　　あ………落ちちゃったでござる。
政宗：Ha!これだから初心者は。ろくにハンドル操作もできねぇくせに
　　　　俺に勝とうなんざ、千年早ぇんだよ！
幸村：ぬぅ……なんという巧みな技。さぞや練習をつまれたのでござろう………………一人で。
政宗：おい、今お前、最後になんつった？
幸村：隙在りでござるぅぅうううう!!!!
政宗：ぬぉおおお、甲羅！てめ、汚ぇぞ！
幸村：戦に油断は禁物でござる♪
政宗：………Ha.流石は真田幸村ってとこか。いいぜ、相手になってや…………Um?
幸村：終わっちゃったでござるな。
政宗：Ah～……体験版だからな。
幸村：むぅ～、つまらぬ。では、もう一勝負！
政宗：待て、本来の目的忘れてねぇか？
幸村：目的……？……おぉ！そうであった！選ばねば！
政宗：とは言っても……ここにそれらしい物なんてあるのか？
幸村：お？あれはどうでござるか？「うぃ～ふぃっと」でござる。
政宗：悪くねぇな。健康オタクのアイツなら、喜ぶかもしねぇ。
幸村：体験版もあるようだが………誰か使ってるでござるな。
　　　　なんと見事なフラフープ捌き。
政宗：………。なんか見たこと在る奴だぞ、アレ。
幸村：体験版なのに、恐ろしいほど真剣な眼差しでござるな。
政宗：フープは奴の独壇場だ。見なかったことにしようぜ。

――洋服売り場
幸村：割烹着はどうでござるか？
政宗：あまりに普段着じゃねぇ？
幸村：では趣向を変えて、えぷろんなどは如何か。
政宗：Uh～……悪くはねぇ。悪くはねぇんだが………
　　　　とりあえず、「首からしたがマッチョになるデザイン」はやめとけ。
幸村：強そうで良いではないか。隆々でござる。
政宗：泣くぞ、お前のオカン。
幸村：政宗殿のは………う～む。（探）葱柄やゴボウ柄などはないのだろうか？
政宗：ねぇよ。
幸村：あったでござる♪
政宗：あるのかよ！すげぇなこの店！

――帰路
政宗：散々迷った挙げ句……
幸村：結局何も買わず終い………どうするのだ政宗殿！
政宗：俺に訊くな！
幸村：ぬぅ……。
政宗：…………（溜息）。付いてこい。
幸村：おぉ！何か妙案があるのでござるか？

――帰宅
佐助：何？改まって。
小十郞：………。
政宗：Ah……いや……そのよぉ……
幸村：渡したい………ものが………あるのだ。
小十郞：……。
佐助：ふぅん。
政宗：いつも世話掛けてるから……
幸村：母の日おめでとう（？）でござる！（差出）
佐助：こ、これは……
小十郞：ね………
政宗：見ろ！どうすんだよこの空気！
幸村：言葉を失うほど喜んでおるのだな（しみじみ）
政宗：絶句してんだよ！誰が喜ぶか、こんな葱のぶっ刺さったケーキ！
幸村：お、思いはこもって居るぞ？某達の手製なのだ。
政宗：お前は、イチゴ並べて、葱突き刺しただけだろうが！
幸村：で、でも、某なりに努力したのだ。
　　　　そもそも、それぞれの好きな物を合わせれば、それなりの贈り物になると
　　　　言い出したのは政宗殿でござろう！？
政宗：甘味はお前の好物だろうが！合わせるたって、
　　　　無理矢理合体させることはねぇだろ！？
幸村：政宗殿だって、「時間がねぇからこれでいくぜ！」と言ったではないか！
政宗：俺だって時間が無くて焦ってんだ！訳わかんなくなってたんだよ！
幸村：やはり……あの時真理夫を買っておけば……
政宗：お前が欲しいだけだろ。そもそも、そんな金ねぇよ。
　　　　Ah……やべぇ。俺、もう振り返る度胸がねぇ。
幸村：がっかりしてるでござろうな……
小十郞：政宗様……
佐助：旦那。
蒼紅：っ!!!!

――ありがとう、ございます。

幸村：……へ？
政宗：い、意外に葱……当たりなのか？
佐助：流石にこの葱は抜かせて貰うけどさぁ（苦笑）……聞いたんだ。毛利の旦那に。
小十郞：「まるで迷い子のごとく、いつまでもうろうろうろうろ。鬱陶しくて仕方ないわ。」と。
幸村：む……。
政宗：野郎……。
小十郞：小十郞めは……感無量にござりまする！（滝涙）
政宗：Ha?
佐助：内容はともあれ、一生懸命さがしてくれたんだなぁって……。ありがとね、旦那。
幸村：………。…………うむ♪
小十郞：政宗様ぁあああああああああ!!!!
政宗：だぁぁぁっ！お前は面構えが迫力在りすぎんだよ！
小十郞：うぅ……。
政宗：いいから、とりあえず鼻かめ。
小十郞：あ、ありがとう……ござ……います……（ばぶしゅぅうううう）
政宗：すげぇ音だな……。
佐助：さ、食べよ。等分に切るね～。
政宗：俺等も食うのかよ。意味なくねぇか？
小十郞：物欲しそうに見ている者もおりますからな。（苦笑
幸村：……。………っ！み、見て居らぬ！見て居らぬぞ！？（鳴）…………あ。
政宗：お前の腹は、信じられないほどタイミングよく鳴るな。
佐助：んじゃ、みんな揃って。

――いただきます。

佐助：つーかさぁ、母の日に物貰うのに、何の違和感もない自分が少し切ないよね。
小十郞：…………。

Happy Mother's Day!