幸村:はぁ~。
元親:うぉぉ……
佐助:ふぅ~
元就:ふむ。
政宗:てめぇらな………。人の家上がり込んで早々炬燵に直行するだけならまだしも、
湯船に浸かったおっさんみてぇな声出してんじゃねぇよ。情けねぇな。
元就:喧しい。外の寒さが尋常ではなかったのだ。このような極寒の地に住んでいる
貴様が悪い。
政宗:だったら来んな。誰も読んでねぇよ。
元親:嬉しいくせに、良く言うぜ。この寂しんボーイが。
政宗:誰が寂しんボーイだ!!!!
幸村:政宗殿ぉ~、某腹が減ったでござるぅぅ~。
政宗:お前はホント、そればっかだな。そこに蜜柑が置いてあんだろ。
元就:蜜柑では腹が膨れぬ。
政宗:(溜息)……Just a moment.何か探してくる。(去)
佐助:はぁ~……それにしても炬燵ってさぁ、一度はいると出づらいよね~。
元親:発明した奴は偉大だよな~。
幸村:………。
元就:……?真田は何をしている?
幸村:っ!!!あぁっ!折角、蜜柑タワーが五個まで積めたのに~。
元就殿が話しかけるから倒れちゃったでござるよ!
元就:馬鹿者、悪いのはお前だろう。
佐助:そーだよ、旦那。食べ物で遊んじゃ駄目。ちゃんと片付けなさい。
幸村:むぅ……すまぬ。(片付)
元就:真の蜜柑タワーとは、これくらい高さの有る物を言うのだ。
幸村:おぉおお!!!なんと!七個も積まれているとは!
元親:おい。てめぇは人の頭に、何を積み上げてんだよ。
元就:微動だにすれば命はないと思え。八個目を載せるぞ。
幸村:うぉぉ……緊張の一瞬でござる……。
元親:だから、なんで俺の頭上にタワー作んだよ。
佐助:やれやれ……。
政宗:おら、食い物持ってきたぞ。
元就:(ごろろろ……)このたわけめ!
幸村:あぁぁ!!!奇跡の八個目がぁああ!!!!
元親:折角息しねぇで頑張ってたのによぉ!!!!
政宗:な、なんだよ!なんでこんなに批難されなきゃならねぇんだよ!?
佐助:あ。この蜜柑おいし。
元親:田作り
佐助:酢の物
幸村:黒豆……
元就:嫌がらせか?
政宗:だから……食い物食い物騒ぐから出してやってんのに、なんで非難されるんだよ!
佐助:地域ごとの差はあるだろうけどさぁ、おせちで残りやすい物トップ3が
勢揃いしてんだもん。
元親:俺等に処理させようってか。
元就:良い度胸だな。
政宗:う、うるせぇ!文句があるなら喰うな!
元親:まぁ、普段なら旨い旨いって食うかもしれないけどよぉ……
幸村:正月に散々食べて、流石に飽きたでござる……
元就:この分だと貴様、餅も大量に余らせているのであろう(にやり)
政宗:うっ……。確かに、買い込んだ分が大量にあるぜ……。買っちまったあとに、
いつきが大量に餅の差し入れ持ってきてよぉ……。なんとかそっちは平らげたが、
いい加減胃袋も限界がきてな。
佐助:………竜の旦那。
政宗:Ah?
佐助:台所……借りてもイイ?
政宗:構わねぇが……何するんだ?
幸村:決まって居るであろう。
政宗:?
元就:オカンの血が騒いだのだ。
政宗:お、オカンの血?
元親:どうしても許せねぇ勿体ないことを目の当たりにしたとき、真の己が開花する……
佐助:はぁああああああああ!!!!!(気合)
政宗:どこのサ○ヤ人になるんだお前は。
――調理場
佐助:という訳で、残り物の簡単アレンジに挑戦したいと思います♪
幸村:うぉおおおー!!!
元親:張り切っていくぜぃ!
元就:(ぽん、ぽけぽけぽけ、ぽんぽんぽ~ん♪)
政宗:とどのつまり、暇なんだなお前等。元就は無理して「今日の料理」の
Melody奏でなくてもいいぞ。音程間違ってるから。
元就:む……。
佐助:作る物はピラフ、パウンドケーキ、餅ピザの三種類。
ひと味違ったアレンジを加えるだけで、食べ飽きちゃったお正月料理も大変身♪
ではまず、時間の掛かるものから片付けていきます。パウンドケーキは小麦粉と
ベーキングパウダーをベースに砂糖や卵、マーガリンを混ぜて生地を作ります。
ホットケーキミックスで代用してもOK!生地を用意している間に、
オーブンを温めておきましょう。オクラの旦那、よろしく~。
元就:ふん。造作もない。
佐助:さっくり混ぜた後は、黒豆を混ぜていきます。旦那、やってみて。
幸村:ふ、ふごむ!
政宗:何が「ふごむ」だ。てめぇ飽きたとか言ってたくせに、つまみ食いしてやがったな?
幸村:ふ、ふぅむふぅ!
政宗:しらばっくれようとしたって無駄だぜ!(がしょ~ん!)
幸村:むぅんはもふぁぁあ!!!!!(がっしゃぁあん)
佐助:二人とも、狭いんだから暴れないで。え~、黒豆の量はやや減ってしまいましたが、
これを混ぜ込んだ後は、オーブンで焼くだけ。オクラの旦那、準備出来た?
元就:む……。(ふょぉ~んぉぉ~ん……)
元親:なんか、オーブンが気の毒な音立ててるぜ。
佐助:オクラの旦那……何したの?
元就:わ、我は貴様が温めろと言うから、日輪の力を持って……!
元親:焦がしたんだな。オーブンそのものを。
元就:………わ、我は知らぬ。
政宗:お前、それうちのだぞ!小十郎に俺が殺されんだろうが!
元就:根性で生き延びろ。
政宗:ふざけんなぁああああああ!!!!
佐助:あ~あ。鬼の旦那、機関得意でしょ。直してやってよ。
元親:えぇ~、俺も料理の方がイイのにぃ~。
佐助:修理の間に、次へ行きます。ピラフは簡単。余った煮物や何かを細かく砕いて具に。
田作りなんかは水気を飛ばして、ふりかけにしても美味しいでしょう。
酢の物も味に一工夫加えれば、ちょっと大人な味になります。じゃあやってみて。
元就:む、むぅ……
元親:だぁぁあ!指切る!危ねぇ!見てらねぇええええ!!!!
元就:五月蠅い!貴様は修繕に専念して居ればよいのだ!
佐助:焦らなくてイイから、ゆっくり切ってみてね~。
政宗:Take it eazy,Ha!
佐助:お~、流石の包丁捌き。野菜が見事に微塵切りだ。
幸村:負けぬ負けぬ負けぬぅぁああああああああ!!!!
佐助:お~……流石の包丁捌き。まな板が見事に粉微塵だ……。
佐助:炒めるのは竜の旦那にお任せして、餅ピザへいきます。
粗く刻んだ餅を耐熱容器に敷き詰め、軽く熱を加えておきましょう。
具と餅は、火の通り具合が違いますからね。お好みでチーズやサラミ、
ピーマンやトマトソースをトッピングしたら、電子レンジで……
あ。電子レンジとオーブン兼用なんだっけ。
鬼の旦那~。直った~?
元親:出来たぜ~!レンジ君一号、発進だ!(がしょ~んがしょ~ん)
幸村:お、おぉおお!!!レンジくんが歩いてくるでござる!
元就:気色悪いな。
政宗:てめぇぇええええ!!!!何人ん家の電子レンジに手足生やしてくれてんだよ!!!!!
元親:便利だろ?食材の元まで自ら歩いていってくれるんだぜ♪
政宗:台所なんて元々大して移動しねぇよ!自力であるくわ!
佐助:と言うわけで完成~。みんなで試食タイムです♪
元親:おぉ!この煮物ピラフ旨いぜ!
元就:黒豆も、なかなか上品な甘みを醸し出して居るな。
幸村:おぉ!?おぉおおお!!!!この餅、どこまでも伸びるでござる~~~!!!!(うにょ~ん)
佐助:旦那、あんまり反り返ると後に転がるよ。
政宗:Ah?なんか、これ、固いもん入ってねぇか?
佐助:あ。それ多分まな板。
政宗:まな板!?
佐助:こんな風に、ちょっと工夫を加えれば、残り物も美味しいおやつになるんです。
みんなも試してみてね~♪
政宗:笑顔でまとめんな。まな板がなんで入ってんだよ。
――夕方。
政宗:……って訳で、残り物もすっかり片付いちまったぜ。
小十郎:それは何よりです。しかし、政宗様……
政宗:?
小十郎:我が家の冷蔵庫の中身を、片っ端から「チン」しまくっているあの輩は
一体何者なのですか?
政宗:………。元親……レンジ君おいて行きやがったな。
――本年もよろしくお願いします。
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