――こんなステージがあったらイイな、という個人的妄想。
兵士1:最近暇だよなぁ~……。
兵士2:暇すぎて、逆にだるいよな~……。
小十郎:お前等、だらだらしてんじゃねぇ!
兵士s:す、すいやせん!
小十郎:しゃきっとしやがれ。真面目にやる気がねぇんなら、帰って貰って結構だ。
兵士1:や、やりますやります!俺畑仕事大好き~♪
兵士2:牛蒡って最高っすよね~♪
小十郎:……ったく調子の良い野郎共だぜ。ま、天気が良いのは有り難いが、
こう熱くてはだれるのも無理はない、か。作物の世話も一苦労だ。
兵士3:小十郎様ーっ!大変ですーっ!
小十郎:どうした、騒々しい。
兵士4:あっちの方、大変なんすよ!兎に角大変なんす!
兵士3:なんか、ぼーってなって、わーってなって、ぎゃああって感じなんす!
小十郎:お前等の語彙の少なさしか分からねぇよ……。何があったんだ?
兵士4:侵入者です!
小十郎:侵入者?
兵士3:忍者ですよ!忍者、忍者!俺本物初めてみた~♪
小十郎:喜んでる場合か馬鹿野郎!!!
兵士s:すいやせん……
小十郎:何処の手の者か………まぁ、大方予想は付いているがな。
とっとと支度しろてめぇ等。竜の住まうこの城に忍入ったこと、後悔させてやる。
Mission1――侵入者を捕らえよ。
佐助:あ~……しくじったなぁ……。後から後からうじゃうじゃ兵士が湧いてきて
鬱陶しいったら無い。早く帰りたいのになぁ……とほほ。
小十郎:やっぱりお前か。
佐助:げっ!右目の旦那……。
小十郎:何しに来やがった。返答次第では……斬る。
佐助:お、落ち着こうよ。俺様だって、好きでこんな所来たんじゃないって。
真田の旦那があんまり一騎打ち一騎打ち五月蠅いもんだから、ちょいと偵察にね。
小十郎:一騎打ち……?やはり、政宗様に危害を及ぼす気だったらしいな。
佐助:ま、待ってよ!俺様どっちかって言うと、面倒くさいからやめてほしいんだって。
適当に調べて、「あ~、なんか忙しいみたいだよ?」って言えば、
暫くは諦めてくれるんじゃないかな~っと思ってさ。
小十郎:言い訳なんざ聞きたくねぇ。覚悟を決めろ、忍。地獄を見せてやるぜ。
佐助:自分が返答次第って言ったんじゃん……。
小十郎:問答無用!(追)
佐助:うわ、危ないっつの!(逃)
兵士1:ここの所暇だったからなぁ~
兵士2:小十郎様も暴れたかったんだなぁ~
兵士3:良いところに来ちゃったよなぁ~
兵士4:絶好の喧嘩相手だもんなぁ~
兵士s:気の毒な忍だ……(しみじみ)
――追跡中の会話。
小十郎:これでてめぇも終いだ(斬)……ちっ、また影か。一体何人いやがるんだ。
そろそろ本体出てきやがれ!
佐助:冗談じゃないよ……分身じゃなかったらお陀仏だっての!
勘弁してよ~右目の旦那ぁ。俺様早いトコ帰らないと、
腹減ったって騒ぎ出す人がいるんだって。
小十郎:母親か、てめぇは……。
佐助:自分で偵察行かせといて、理不尽だよねぇ~。団子でも買って帰って誤魔化すかな?
小十郎:団子はねぇが、野菜ならいくらでもあるぞ。
佐助:え!くれんの!?
小十郎:ま、てめぇが逃げ延びられたらの話だがな(笑)
佐助:見逃してくれる気はないのね……とほほ。
小十郎:政宗様はあまり人参がお好きではないようでな。
なんとか食べさせようとはしているのだが、器用に発見し、
絶妙の箸使いで避けて食べる。余ってしまって困っているんだ。
佐助:へ~、独眼竜にも可愛いところがあるじゃない(笑)人参、有り難く貰ってくよ。
小十郎:真田は、何でも食うのか?
佐助:旦那?ああ、うちの旦那は質より量の人だから。何でもよく食べるよ~。
こないだなんか、黴びた団子を「ヨモギ、うまいでござる」とかいってモリモリと。
小十郎:苦労してんだな……てめぇも。
佐助:味の善し悪しなんか良く分かんないくせに、「手製団子のが良いでござる」とか
我が儘言って。どうせ買おうが作ろうが分かんないのにさぁ。
小十郎:政宗様も、余所から購入した野菜を使用すると
「Hey,小十郎。手を抜きやがったな?」と、にやりとされるのだ(溜息)
佐助:文句あるなら自分で作れって話だよね~!
小十郎:全くだ。(頷)
佐助:とか言ってる間に、隙アリ!
小十郎:くっ…!てめぇ……
佐助:へへ~、言ったでしょ?俺様早く帰りたいんだって。さいなら~っと。
小十郎:逃がすか!(追)
――侵入者、城外へ逃亡!
小十郎:ちっ……街中へ逃げ込んだか。こう人が多くちゃ見つから……
佐助:あ、みたらしとあんこ、二十本ずつね。
店主:毎度~。
小十郎:……見つけた。
佐助:ん?げっ、見つかった!(逃)
小十郎:待ちやが……(どん)しまった…!子供にぶつかったか。
すまんな坊主、大丈夫か?
佐助:お?今の内~っと……(どん)あ、すいません。ちょっと急いでたもんで……。
子供:痛ってぇなぁ、この野郎。
小十郎:ん?お、お前は……!
蘭丸:ちゃんと前見て歩けってんだよハゲ!
信長:余にぶつかるとはぁ、良い度胸……。その心意気を買うて、
余が直々に冥府へ送って送ってぇくれよう。
佐助:げぇぇぇっ!!!!なんでこんな所に魔王親子が!?
信長:愚問よぉ……丸、答えてやれぃ。
蘭丸:遠足。
佐助:遠足かよ!!!
小十郎:誰がハゲだこの糞餓鬼……
佐助:右目の旦那!?なんでキレてんのさ!?落ち着いて!
小十郎:生意気な子供には、躾が必要だぜ!
佐助:あ~、もう……面倒だなぁ……。
Mission2――魔王親子に勝利せよ。
蘭丸:この辺に金平糖の美味しい店があるんだ。だから信長様が連れてきてくれたんだよ。
信長:ぜ、是非もなぁしぃ……(照)
蘭丸:へへ~♪信長様最っ高!
佐助:あらまぁ、魔王も子供には形無しってか。見なよ、あの締まりのない顔。
小十郎:………。
佐助:右目の旦那?どうしたのさ、ぼんやりしちゃって。
小十郎:いや……ご幼少の頃、政宗様をこの市にお連れしたことがあってな。
何気なく見ていた刀を「欲しいのか?買ってやる」とおっしゃったのだが、
値段を見て撃沈。「いつか偉くなったら束で買ってやるぜ」等と息巻いて……。
それが去年の今頃、買い物に出た折に「寄っていこうぜ」とその店に。
当に忘れたと思っていた約束を、今でも覚えていてくださったことに
この小十郎めは感激の極……
佐助:長いよ小話!つか、この状況で「思い出し黄昏れ」やめてくんない!?
小十郎:う、五月蠅ぇ。てめぇだってさっきから団子気にして戦ってんじゃねぇよ!
佐助:だって、みたらしとあんこが混ざったら、変な味になっちゃうでしょうが!
蘭丸:お前等、真面目に戦る気あるのか……?
信長:丸、全力で叩きのめせぃ!
蘭丸:御意!
佐助:うわ、やばっ!
小十郎:ちっ。(庇)気ぃ抜いてんじゃねぇ。
佐助:お~。ありがとね。
小十郎:団子が助かっても、持ち帰る奴がいなくなったら意味ねぇだろうが。
佐助:ごもっとも(苦笑)いやはや何だねぇ、まさか右目の旦那と共闘とは。
小十郎:好きでやってる訳じゃねぇよ。俺はさっさと帰って野菜の手入れに戻りてぇんだ。
佐助:俺様も同感。早く団子持って帰りたい。
小十郎:じゃ、本気で行くか。
佐助:了解♪
――そして、勝利後。
蘭丸:信長様~!緊急事態です!金平糖屋が店じまいの支度を始めてます!
信長:丸、急ぐぞ。
蘭丸:御意!今日の所は、これくらいで勘弁してやるよ。じゃあな~馬鹿従者共。
小十郎:つくづく礼儀のなってない子供だぜ……。
佐助:あんなもんでしょ、子供なんて。真田の旦那は例外だけどね。
子供の時からやれ礼儀だなんだって。「ただいま」って言い忘れただけで、
俺様何回ぶち切れられたことか……。
小十郎:(吹)
佐助:……ちょっと。何、その失笑?
小十郎:馬にしゃがんで乗った挙げ句、雄叫び上げながら突進してくる奴が
礼儀を説くってのがちょっと笑えたんでな。すまん。
佐助:………。うちの旦那は、食べ物残すなんて罰当たりなことしないだけマシだよ。
小十郎:あ?ただ食い意地張ってるだけだろうが。
佐助:残さず食べるのが、作り手に対する礼儀ってもんでしょ?それを避けるって……
折角器用な箸使いって言っても、勿体ないよねぇ。
小十郎:なんだと……?
佐助:別にぃ~?深い意味は無いけど。
小十郎:……。
佐助:……。
――その頃。
幸村:政宗どぬぅぉおおおおお!!!!!いざ勝負ぅぅうううう!!!!
政宗:Ah?幸村?なんだよ唐突に。
幸村:佐助の帰りが遅いので、探しに来たのだ。すると偶然政宗殿も発見したので
これは勝負を挑まぬ訳にはいかないと……
政宗:ついでか俺は。……佐助ねぇ。俺は見てねぇが、小十郎が侵入者がどうとか
騒いでたって話だぜ。
幸村:おぉ!それは一大事!早急に探さねば……
佐助:はぁ?何言ってんの?いつも喧嘩ふっかけて来るのそっちじゃん。
小十郎:そっちこそ何言ってやがる。脳みそが筋肉で出来ているような熱血馬鹿に
毎度毎度付き合わされてるこっちの身にもなれってんだ。
幸村:居たでござる。
政宗:なんかモメてるみたいだな。
佐助:真田の旦那は、世に知られた智将となろうって言われてんだぜ?
ただ派手にすりゃあいいと思って、口から火吹く竜とか阿呆みたいな物拵えてる
どこぞの領主サマとは違って、知恵と力で真っ向から勝負するんだよ。
小十郎:どこが真っ向勝負だ。政宗様は、兵糧断ちなんて姑息な手段は使わねぇ。
敵であろうと敬意を持ち、総力を挙げて迎え撃つ。それが伊達男ってもんだ。
佐助:ただ頭悪いだけなんじゃないのぉ?大体どこが敬意を持ってるって?
アンタの主、いつぞやの戦の時、全力疾走で逃げてませんでしたっけ?
小十郎:ぐっ……。よ、余計な殺生をしねぇ為に、相手を引き付けただけだ。
てめぇの主なんざ、敵が夫婦で出てきただけで大騒ぎして、
戦にならなかったって話じゃねぇか。使い物にならねぇな。
佐助:うちの旦那は純情なの!ぴーひゃら口笛吹いてる何処ぞの破廉恥とは違うんだよ!
小十郎:年がら年中遠吠えしている、何処ぞの犬みたいな奴よりマシだ。
政宗:何してんだ、お前等……。
幸村:二人とも、目が怖いでござるよ……。
小十郎:政宗様!
佐助:旦那!
政宗:公衆の面前で大声出してんじゃねぇよ。何を言い争ってんだ?
小十郎:申し訳ございません。此奴に政宗様の実力を教えてやろうと思いまして。
政宗:実力……?
小十郎:いいか、よく聞け。政宗様は休日にお一人で買い物に行き、お一人で食材を選び、
お一人で料理をなさる!専業主婦も吃驚の腕前をお持ちだ!
政宗:一々「一人で」を付けなくてもいいだろうがぁぁ!!!
佐助:ふ~ん、寂しい休日だよねぇ~。友達少ないから。
政宗:お前等……いい加減にしろよ。
小十郎:ふん、一人じゃ何にも出来ねぇお前の主とは違うんだよ。
炊事洗濯掃除!何処に嫁に出しても恥ずかしくねぇ程上手いんだぜ!
政宗:嫁に出してどうすんだよ!
佐助:ぐっ……た、確かに旦那は一人じゃ飯炊き一つ出来ないよ……
そのくせ大飯ぐらいだし、団子は毎日三十本は軽くいくし!
甘味食べに行きたいって騒ぐし、だから街に連れて行けば例の如く迷子になるし!
政宗:段々愚痴になってきたな。
幸村:さ、佐助ぇ……(困)
佐助:掃除所か壁に穴開けるのが日常だし、川で洗濯すれば自分がどんぶらこだし!
けど……それでもこっちは団子作っちまうんだよ!俺は忍なのにさぁ!
おかしいのは分かってるよ!でも、あんな顔してねだられたら断れないんだよ!
アンタにあのおねだりの恐ろしさが分かる!?もう絶対、あれだけは誰にも
負けないよ!最強だよ!真田の旦那の強さ思い知ったかぁ!
政宗:そんなことで胸張られてもな。
幸村:さ、佐助ぇ~……(沈)
小十郎:躾がなってねぇなぁ、忍。甘い顔ばっかするのが、真の忠臣じゃねぇんだぜ?
その点政宗様は俺の言葉も殊勝に聞いて下さるし、ねだるときも腑抜けた顔
なんざしねぇ。ただ縋ってずるずる引き摺られるだけだぜ!
政宗:……。
幸村:意外でござるな。
政宗:白い目で見るなぁぁぁっ!!!!!!
佐助:もうアッタマきた!
小十郎:それは此方も同じ事!……政宗様。
政宗:な、なんだよ。
小十郎:こうなったらどちらがより優れた主か、ハッキリさせましょう。
政宗:Ha?
佐助:旦那。
幸村:な、なんでござるか……?
佐助:俺様、今日は止めない。思う存分暴れて。独眼竜をぎったんぎったんにしちゃって!
幸村:ぎ、ぎったん……?ど、どうすれば良いのでござるか?
政宗:俺に訊くなよ。な~んか妙なことになっちまったな……。
ま、心おきなく勝負してイイつってんだ。お言葉に甘えるとしようぜ?
Mission3――敵主従に勝利せよ
政宗:HELL DRAGON!!!
小十郎:雷の凄まじさ、その身をもって知りやがれ!
幸村:大車輪!!!
佐助:そっちこそ、炎の熱さにやられちまいなぁ!
政宗:WAR DANCE!!!
小十郎:奥州筆頭に、勝てるとでも思っているのか?
幸村:火焔車ぁああああ!!!!
佐助:紅蓮の鬼に勝る奴なんているかっての!
政宗:……。
幸村:……。
政宗:や、やり辛ぇ……。
幸村:佐助ぇ~……某、もう帰りたいでござる。
佐助:なぁに言ってんの。普段は人が止めても「勝負勝負」って出かけてっちゃうくせに。
遠慮すること無いんだよ、旦那。虎の若子が一番ってこと、教えてやんなきゃ。
小十郎:政宗様、今こそ決着の時でございます。あの生意気な甲斐の奴等を、主従諸共、
再起不能にしてやりましょう!独眼竜の恐ろしさを奴等に知らしめるのです!
政宗:……My goodness.
――勝利後
小十郎:思い知ったか、馬鹿共め。政宗様に勝とうなんざ百年早いんだよ。
佐助:まだ負けてないっつーの。ここからが踏ん張り所だからね、旦那!
幸村:もう何でもいいから帰るぞ佐助……。腹が減ったでござる。
佐助:言われっ放しで黙ってられますかっての!この儘引き下がるわけにはいかな……
幸村:………。
佐助:そ、その顔はやめてってば……。分かった、分かりました!帰りますよ……。
ほら、団子。お行儀悪いけど、今日は特別に歩きながら食べるの許すから。
幸村:うぉおおお!!!団子ぉおお!!!……これはこれで食べるが、
帰ったらまた手製の方も頼むぞ!
佐助:………はいはい。
小十郎:漸く退きやがったか……。やはり政宗様こそ、最強の武将にございます!
政宗:……。どうでもいいぜ……(呆)
小十郎:なっ!どうでもいいとは何事です!?小十郎めは、政宗様こそ天下を治めるに
相応しき御方であると示さんが為……
政宗:分ぁかったってんだよ!恥ずかしいことをデケェ声でぎゃあぎゃあ喚くな!
………帰んぞ。お前、畑放ったらかしで出てきたんだろ?
小十郎:しまった!私としたことが、忘れておりました……
政宗:ったく、手間のかかる部下を持つと苦労するぜ(笑)手伝ってやるから、
さっさと終わらせて、うちも飯にしようぜ。
小十郎:……御意!……今日は腕によりを掛けた野菜料理ですぞ。
政宗:そいつぁCoolだ。Menuはなんだ?
小十郎:肉じゃがです。
政宗:………。人参は……
小十郎:入ってますとも、勿論。
政宗:………。
――真田主従Ver.では、少々台詞が変わったりすると楽しいな、と。
妄想大爆発。
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