――やや気が早いですが、当日は旅行中に重なるため。
学園でなくてもいいのだけど……下駄箱のくだりがやりたかったのです。
炎の槍:とどのつまりさぁ、溢れる情熱を感じられさえすれば、それでおっけーなわけよ!
風の槍:そうかなぁ?大体情熱なんて、どこで感じるのさ?
炎の槍:いじらしく下校を待つ乙女!ドキドキしながら握り締めていた、
そのチョコレートに仄かな温もりを感じた時だよ(悦)
氷の槍:それ、単純に溶けてんじゃねぇの?
闇の槍:でもやっぱ、大事なのは手作りかどうかだよな~
雷の槍:うわ、らしくない発言。お前でも手作りかどうか拘るの?
闇の槍:当たり前だよ!あ、でも「手作りです!」って、溶かして固めただけとかは
駄目な。それは断じて手作りとは呼ばねぇ、変形と呼ぶんだ!
風の槍:なんの拘り……?
氷の槍:でも確かに、「ハッピーバレンタイン♪」って、まんま板チョコ渡されたときは
さすがにへこんだもんだよ……。
雷の槍:そこいくと、やっぱ手作りって大事なんだろうね。
闇の槍:だよなぁ♪
炎の槍:愛を感じるもんなぁ…♪
風の槍:そういうもん?
お市:………。
炎の槍:お前はどう思……って、わぁぁああ!!!ひい様!いつの間に背後に!!!?
お市:………ごめんなさい。
風の槍:へ?な、なにかありました?
お市:市がみんなにあげるの……毎年チロルチョコで………ごめんなさい……
五本槍:なっ……!!!!?
氷の槍:ひ、ひい様は別ですよ!チロル大歓迎!
闇の槍:お、おぉ!ひい様のチロルは、そこいらの手作り一万個に値しますよ!
炎の槍:同じチロルでも、感じる愛が違うもんな!
お市:市……お料理苦手だから………。がっかりしてたなんて……気付かなかったわ……
長政様も……本当は……チロルでがっかりしていたでしょうね……
雷の槍:そ、そりゃまぁ……「手作りが面倒だからじゃない。面倒だからじゃない…」
って自分を騙すように呟きながら、毎年こっそり食べて……
風の槍:馬鹿!余計なこと言うなよ!
雷の槍:はっ、しまっ……!
お市:ごめんなさい……ごめんなさい……(去)
五本槍:ま、待ってください、ひい様ぁぁぁああああ!!!!!
政宗:なんか今日は妙な殺気を感じるな……誰か俺の首でも狙ってやがんのか?
小十郎:ご冗談を(笑)今日が何の日か、忘れたわけではありますまい。
政宗:何の日……?2月の14って……あ、そういや……
幸村:政宗殿おはようでござるぅうううう!!!!
佐助:あ、竜の旦那、おはよー。
政宗:Ha!Good mornining.朝から随分機嫌がいいじゃねぇか……何だ、その荷物は?
幸村:何だかよくわからぬが、登校途中くらすめいとの方々がくれたのだ!
ちょこれいとでござるよ!何とも有り難い贈り物!某、感激でござる♪
政宗:それ……
佐助:バレンタインのコンセプトは教えなくていいからね。
破廉恥だなんだって思い悩むの目に見えてるから。
政宗:………。あげた奴等も気の毒にな……
元親:ういっす……
政宗:なんだそのLow tentionは……
元親:だ、だってよぉ、今日が何の日か知らないわけじゃねぇだろ!?
バレンタインデー……またの名を血塗られた決戦……
自分の株を上げようと藻掻き苦しむ男達の悲鳴が、
あたかも血のように流れゆくチョコレートの波に飲まれ……
政宗:何が言いてぇんだ?
元就:つまりだな、コイツは一つも貰えず恥を掻くのが目に見えているので、
何とか欠席するため風邪を引こうとしたのだ。夜中に寒中水泳など始めたものの
馬鹿は風邪を引かぬの理論の元……
元親:余計な事言わなくてイイんだよ!畜生、バレンタインなんざ菓子会社の陰謀だぜ!!!!
元就:女々しい男よ。(もぐもぐ)
元親:……ん?お前、何食ってんだ……?
元就:見ての通り、ちょこれいとだ。今朝方郵便で届いてな。生徒会の人間からだ。
いわゆる義理というものだろうが……西洋の菓子も悪くない。
元親:その生徒会の奴って……女子か?
元就:……そうだが?
元親:これ見よがしに今食わなくても良いだろうがっ!あぁぁっもういやだっ!俺帰る!
政宗:たかがChocolate如きでガタガタ言うんじゃねぇよ。
元親:だってよぉ!この無愛想まで貰ってやがるんだぜ!?世の中間違ってる!
女子!俺の何がいけないんだよ!?
元就:誰が無愛想だ。
佐助:鬼の旦那って、典型的いい人で終わるタイプだもんね~。デリカシーないから。
元親:ほっとけ!あぁぁあああぁまた野郎共に気の毒な目で見られるのは嫌だぁぁ……
政宗:いつまでも下駄箱にしゃがみ込んでるつもりか?さっさと教室に行こ……
(ぱかっ………どざざざざざ!)………。
幸村:うぉおおお!!!ちょこれいとが一杯でござるぅぅうううう~!!!
佐助:うわ、チョコ雪崩、現物初めて見た。
元親:なんだよこの下駄箱!四次元ポケットか!?あぁっ!?
政宗:なんで俺が怒られなきゃならねぇんだよ……
元就:これだけ貰えるにもかかわらず、何故友人が少ないのであろうか……。
政宗:五月蠅ぇよ!しみじみ呟くな!
元親:一つくれ!
政宗:お前にはPrideってもんがねぇのか……?甘味をこれだけ食うのも正直骨だが…
やるわけにはいかねぇだろ、こればっかりは。
佐助:ま、確かに一生懸命作ったんだから、礼儀としてあげちゃ駄目だよねぇ。
幸村:……?しかし佐助、某「内緒だよ?」と、誰ぞの贈物をいくつか貰った記憶が……
佐助:しーっ!内緒って言ったでしょ。食費を浮かせるための苦渋の選択だったんだよ!
政宗:相変わらずぎりぎりの生活してんだな……。やれやれ、しばらく甘味漬けだな。
おい、小十郎。あれは用意してるな。
小十郎:はっ、ここに。
元就:なんだこれは……?
小十郎:これだけ食べるとしょっぱい物が恋しくなる。片倉特製佃煮だ。
幸村:おぉおおお!!!旨そうでござるなぁ~。
元親:準備万端ってわけか……畜生、友達少ねぇくせに!
政宗:だからそれは関係ねぇだろ!
お市:………おはよう。
佐助:わっ、吃驚した……
幸村:おぉ、お市殿、お早うでござる♪
政宗:どうした?浮かねぇ顔して。
お市:うん……ちょっと……ね……
元親:女が沈んだ顔してちゃ美人も半減ってもんだぜ?今日がは女子にとって勝負の日。 もっと気合い入れていけよ!
元就:製菓会社の陰謀の日ではなかったのか。機嫌を取って義理ちょこの一つも貰う気か。
元親:いちいち揚げ足取るんじゃねぇよ!
お市:でも……市は……
政宗:訳ありみてぇだな。まだ授業までは時間がある。教室寄って行けよ。
お市:話、聞いてくれるの……?
元就:ちょこれいとの作り方だと?
お市:うん……。でも市は…お料理って苦手で……。頑張って作ったときもあったけど…
長政様は呻き苦しみ…お茶をがぶ飲みしながら………食べていたわ……
政宗:気の毒な旦那だな……
お市:だから……なるべく手製は避けようとしたの……
でも……それじゃあ……男の人はがっかりするんでしょう……?
幸村:某は甘味はなんでも好きでござるよ♪
お市:だけど……市だって……手作りでおいしいって……言って欲しい……
市にも作れて……溶かすだけじゃなくて……。そんなお菓子、知らない……?
元親:簡単で旨い菓子の作り方か……。
政宗:……。
幸村:……。
元就:……。
佐助:ちょっと!みんな当然のように俺様のこと見るのやめてよ!
政宗:だって、なぁ?
元親:オカンだしよぉ。
幸村:佐助の菓子は旨いでござるよ!
元就:出し惜しみするでない。
佐助:だから何度も言うようだけど、俺様は母親じゃなくて……
お市:…………。
佐助:そ、そういう縋るような目するのやめてくれないかな……?
本当にわからないんだよ。旦那のおやつは、どっちかって言うと和菓子が多いし、
洋菓子となると、クッキング部で教わったものくらいしか………あ。
お市:……?
佐助:そうだよ!家庭科の先生に訊いてみなよ。
クッキング部顧問だし、きっと良い物教えてくれるから。
お市:家庭科の……先生?
まつ:ちょこれいと、にござりまするか?
お市:うん……。市にも作れる物……何か教えて……。
まつ:そうですねぇ……参考になるかは分かりませぬが、
このまつめが犬千代様の為に制作中のものを、ご覧に入れましょう。
お市:うん……お願い。
まつ:さぁ、こちらです!(開)
五郎丸:(がぉー!)
太郎丸:(ばささっ)
三郎丸:(どどどど…)
お市:……。大きい……チョコ……ね。
まつ:犬千代様のお腹を満たすためには、これくらいの努力は必要なのです。
如何です、この統率された動き。猪が運び、熊がこね、鷹が飾る!
本日中にあと4、5メートルは高さを持たせたい所にござりまする。
お市:市には……無理だわ……。熊なんて、飼ってないもの……
まつ:最初から諦めてはなりませぬ!夫婦の愛に、成し遂げられぬ事はないのです!
慶次:まつ姉ちゃ~ん……これ、あとどんだけかき混ぜりゃイイ……あれ?
お市:お邪魔……してます。
まつ:あ、そうですわ!慶次をお貸ししましょう。存分に扱き使って構いませぬ♪
慶次:は、はぁっ!?何の話だよ!?
まつ:貴女にも、きっと素敵なちょこれいとが出来まする!
利家:ま~つ~!腹が減ったぞぉおお~!
まつ:まぁ犬千代様、まだ出来ておりませぬよ。
利家:某楽しみすぎて我慢できないぞ~……早くまつの作った菓子が食べたい!
まつ:犬千代様ったら♪
利家:ま~つ~♪
まつ:犬千代様ぁ~♪
慶次:今の内だ!(逃)
お市:……?
慶次:危ない所だったな~……
お市:危ない所だったの…?
慶次:うわ!驚かさないでくれよ……。授業サボったのがまつ姉ちゃんにばれてさ、
チョコを作る手伝いさせられてたんだよ。頼む!見逃してくれ!
お市:市は言い付けたり……しないわ……
慶次:ふぅ~……助かったぁ。そういや、まつ姉ちゃんに何か相談してたみたいだけど、
何かあったのかい?
お市:市……チョコを作りたいの……
慶次:ほぉ~、いいねいいねぇバレンタイン!浮き世の花だねぇ~。是非作ってやんなよ。
お市:でも、どうやって作ったら喜んで貰えるのか……分からなくて……
慶次:何だって恋する気持ちさえあれば嬉しいさ!
お市:でも……それじゃ駄目なの……。我慢して言って貰うのは……嫌なの……
慶次:う~ん、こだわりがあるのかぁ…。俺は気持ちさえありゃ嬉しいから、
難しい相談だなぁ……。同年代の女の子に訊いてみたらどうだい?
お市:女の子…?
慶次:同じように恋してる人さ。イイ助言が貰えるんじゃないかい?
かすが:バレンタインに何を贈るか、だと?
お市:うん……参考に……したいの……。
かすが:私が謙信様に献上するものか。ふふん♪見て驚くなよ……これが私の……!(回)
………あ。
お市:あら。回転しながら取り出すから……吹き飛んでしまったわ……。……いいの?
かすが:い、良いわけないだろう!大切な謙信様へのチョコレート、
落とすわけにはいかない!受け止めてみせる!
佐助:(ひゅるるる……ぽて)ん?なんだ、これ?
幸村:これはもしや、天からの贈り物か!?今日は沢山オヤツがあって嬉しいでござる♪
佐助:散々食べてるでしょ。いい加減にしないと太るよ。
幸村:ぬぅ……
佐助:誰かが落としたのかなぁ?ちょっと乱雑だけど、一応包装されてるし、
多分コレもチョコレートなんだろうな……。見てみるか。(開)
幸村:あぁ!ずるいぞ佐助!
佐助:食べないよ。落とし主の手がかりがないか、ちょっと覗くだけ。
分かったら届けてあげよう。やっぱりこれチョコレー………消し炭?
かすが:それを返せぇええええ!!!!
佐助:え、この炭、かすがの?
かすが:どれが炭だ!私のチョコレート……渡さぬと言うなら、力尽くで取り返すのみ!
佐助:これチョコレートなんだ……。かすが、料理苦手だもんな……。何入れたんだ……?
幸村:なんとも表現しがたい香りでござるな……某も流石に食べる勇気が湧かぬぞ……
かすが:おのれぇぇぇえ!!!お前等を消し炭にしてくれる!!!!(投投投)
佐助:ちょ、御免っ!謝るからっ!手当たり次第に物投げるなって!
幸村:ち、ちゃんと返す!返すから怒りを静めてくだされ!
かすが:汚い物みたいに押し返したな……もう許さぬ!
佐助:だぁぁあ!!!旦那!そんな風につまんで返したら怒るって!
幸村:そ、そんなつもりは無かったのだが……
佐助:ここは話を逸らさないと……。あ、あのさぁ、かすが~。これって多分、
軍神さんへの贈り物でしょ?ここにも期待してチョコ待ってる人がいるんだけ……
かすが:うるさぁぁあああい!!!!(投投投)
幸村:佐助、怒れる者にチョコ請求など無駄でござるよ。
佐助:…………だね(沈)
かすが:おのれ……人が折角……
佐助:……?
かすが:貴様など消えてしまえぇぇっ!!!
佐助:だぁぁあ!痛いって!
謙信:そこにいるのは、わたくしのうつくしきつるぎですか……?
かすが:け、謙信様ぁぁあ!!!
謙信:さぁ、ほんじつのぶかつどうのうちあわせ、はじめますよ!(薔薇薔薇~)
かすが:謙信様ぁぁああ!!!!こ、これを受け取ってくださいませぇええ!!!!(追)
佐助:軍神がどんな反応するのやら、見たいようなみたくないような……。……あれ?
幸村:かすが殿が、何か落としていったようでござるな。おぉ!これも贈り物でござる。
佐助:ホントだ。さっきのとはまた別に、あげる予定があったんだね。
幸村:何か書いてあるでござるよ。……「単なる電車賃」?そっけない字でござるな~…
佐助:………あ、それ俺様宛ってことかも。
幸村:何っ!?
佐助:この前休みの日にぶらぶらしてたらさ、かすがが
「財布落とした~、電車に乗れない~、謙信様の演劇発表会に間に合わない~」
って駅前でめそめそしてたんだ。そん時に電車賃を貸して、返して貰うの忘れてた。
幸村:なんと!家計を預かる身として、借金を踏み倒されるなど良くないぞ!
佐助:確かに俺様としたことが金銭絡みを忘れるなんて、うっかりしてたけど……
多分、その返済代わりってことなんじゃない?貸したの200円だし。
時期が時期だから、そのお礼はチョコで返す~みたいな。
幸村:……成る程。律儀でござるな!
佐助:まぁ、勝手な期待だけどね……(遠い目)
幸村:開けてみれば分かるでござるよ!(開)これは!ホワイトチョコレート……
……ではないようでござるな?白いプラスチックでござる。
佐助:プラスチック?なんでそんなもん…………あ。
幸村:どうしたでござるか?
佐助:これ……しゃもじだ。
幸村:……?おぉ!本当でござる!何々……
「表面のいぼいぼで、御飯がくっつかない、画期的しゃもじ」と書いてあるぞ!
よかったな佐助!これは間違いなく佐助宛。しかも200円以上の価値ある物。
かすが殿はきっと感謝してるのでござる!
佐助:どうしてだろう……嬉しくも悲しい……(泣)
お市:あんなに薔薇だらけ……市には真似できない……。どうしたら……いいの……?
いつき:そんなの、おにぎりで決まりだべ♪
お市:おに……ぎり?
いつき:ちょこれーとに拘るからいけねぇだ。日本人はやっぱり米だべ!
見てけろ、これ!おらの作ったお米で拵えた、特製おにぎりだ!
お市:おいしそう……ね……
いつき:おにぎり嫌いな人はいねぇだ。おにぎりならきっと姉ちゃんにも作れるべ。
お市:そう……かしら……?
いつき:そうだべ。だから姉ちゃんも作ってみるといいだよ♪あ、蘭丸~!
蘭丸:お、おぉ……な、なんだよ。
いつき:はっぴーばれんたいんだべ♪おらの特製おにぎりあげるだよ!
蘭丸:……お前、馬っ鹿じゃねぇの?バレンタインってのはチョコをあげる日だぜ。
そんなことも知らないのかよ。
いつき:蘭丸、おにぎりいらねぇだか…?
蘭丸:ま、まぁ腐らせるのも勿体ねぇし、しょうがないからもらってやるよ。
いつき:よかっただぁ~♪鮭とおかかとツナマヨと……どれがいいべか?
蘭丸:べ、別にどれでも……
政宗:よぉ、いつき。随分大量に弁当抱えてんな(笑)
いつき:あ、兄ちゃん!これは弁当じゃなくて、バレンタインの贈り物だべ。
政宗:握り飯……?Ha!お前らしいじゃねぇか。
いつき:み~んなの分用意しただ。兄ちゃんははどれがいいだか?
蘭丸:…………………え?
政宗:じゃあ、鮭でももらうか。Thanks!昼飯に食わせてもらうぜ。
いつき:どういたしまして。他の兄ちゃん達はどこにいるだか?
政宗:教室にいるだろ。一人誰にももらえねぇってへこんでる奴がいるから、
持って行きゃ狂喜乱舞すると思うぜ。
いつき:わかっただ!ありがとな~(去)
政宗:さて、さっさと教室移動……
蘭丸:………。
政宗:な、なんだよその目は。
蘭丸:この……馬鹿青!友達少ねぇ奴は家に帰って寝てろよな!
政宗:何息巻いてんだこいつ……?
お市:おにぎりは……喧嘩の種に……なってしまうようね……。困ったわ……。
光秀:くふふふふ………。いかにして想いを伝えるか……ですか……?
お市:お菓子の作り方とか……知らない?
光秀:菓子にも様々なものがあります……。
丁度良い。余り物ですが、これを差し上げましょう。
お市:これ……なあに?
光秀:勿論、チョコレートの材料ですよ。
お市:…………。ドドメ色……ね。
光秀:この日のために試行錯誤して、漸く完成させた薬品です……。
これを食した者は、見る見るうちに顔がチョコレート色になるという
面白い効果を発揮するのですよ……。
お市:チョコレート色……?
光秀:まぁまたの名を「土気色」とも言いますがね……。飽食の時代……
多少奇異な物でないと、愛する人の心は掴めませんよ……。
お市:そう……なの?
光秀:そうなのですよ……ふふふ………ん?
お市:どうかしたの…?
光秀:私のセンサーが働きました……。間もなく外の廊下に……来ます。
お市:来る…?誰が……
光秀:(開)アァァアァアァアアアァア!!!!信長公ゥゥウウゥゥウウゥゥ!!!!
信長:っ!!!!
光秀:甘くとろける愛のちょこぉれいとぉおおお、受け取ってくださいィイイィィ!!!!!
信長:う、うつけがぁっ!(撃)
光秀:……ふふっ!(避)
信長:何っ!?
光秀:甘い………文字通り、甘いのですよ……。今日の私は気合いが違います……
どんな弾丸も華麗に避けて、貴方の元へ……!
濃姫:舞え、叫天子よ!(撃)
光秀:………イタイですよ……。
濃姫:光秀?(微笑)それ以上近づくと、全弾打ち込んで蜂の巣を通り越した、
身元不明にしてあげるわよ?
光秀:おぉ怖い怖い……しかし私は諦めませんよ……ふふふ(去)
濃姫:まったく……。お市、あんなのに近づいちゃ駄目じゃないの。
変態が感染ったらどうするの。
お市:うん……でも……でもね義姉様……
濃姫:……?
濃姫:そんなことで悩んでいたの?
お市:そんなこと……。でも市…本当にもう…どうしていいか……わからなかったの……
義姉様も兄様に……チョコレート……あげたのでしょう……?
濃姫:ま、まぁそれは……(照)
信長:是非もなぁしぃ(照)
お市:いいな……兄様嬉しそう……。市は誰も……喜ばせることが出来ない……
義姉様が……羨ましい。
濃姫:……(溜息)。お市、顔をお上げなさい。
お市:……?
濃姫:貴方は何でも悪い方に考える癖があるわね。そんなに思い悩む必要はないわ。
今自分に出来る精一杯の努力をしてみせればいいの。
それを喜ばない人なんていないわ。
お市:でも……優しい人に……無理して喜んでもらうのは……嫌……
濃姫:それは無理なんかじゃないわ。貴方の努力に、相手も精一杯応えているの。
それを無理だなんて言ったら、それこそ相手に失礼だわ。
努力もしないうちから、「どうしよう。私には出来ない。」なんて言っては駄目。
一生懸命な女の子に、出来ないことなんて一つもないのよ。
お市:義姉様……
信長:是非もなぁしぃ。
濃姫:ほら、上総介様も応援してくださったわ。頑張りなさい、お市。
お市:兄様……。はい、是非も無しです……!
お市:湯煎で溶かす……。ゆせんって……何かしら……?溶かすのだから……
一番良いのは……電子レンジ……よね…?スタートボタン……えいっ……。
(チン!)出来た……?………焦げた……(泣)
五本槍:ひい様ぁあああ!!!
お市:……?
炎の槍:さっきはすいませんでしたぁっ!
氷の槍:ひい様を傷つけるつもりはなかったんですよ!
風の槍:お詫びに、こんなもの作ってみました!
雷の槍:ひい様も、チョコレートお好きですよね?
闇の槍:チョコレートケーキ!ウエディングケーキ張りでしょう(ふんぞり)
お市:……。………(泣)
五本槍:ひい様ぁっ!?
風の槍:えっ!?えっ!?ひい様、チョコケーキ嫌いですか!?
お市:みんな……凄いのに……こんなの作れたら……喜んでくれるのに……
市には出来ない……何も……出来ない……(泣)
闇の槍:馬鹿野郎ーっ!ひい様が落ち込んじゃったじゃねぇか!
氷の槍:お前がケーキ作ろうって言い出したんだろ……。
雷の槍:大丈夫っすよひい様!お、俺達も協力しますから、諦めないで……
長政:市ぃいいいいっ!!!!
お市:長政様っ!
長政:や、やっと見つけ……たぞ……(息切)
お市:大丈夫……?
長政:勝手に帰るなど言語道断!一体何を考えているのだ!散々さがしたのだぞ!
お市:御免なさい……あっ!(隠)
長政:……ん?何を隠したのだ?見せてみろ。
お市:だ……駄目……
長政:いいから見せるのだ!……これは何だ?
お市:嗚呼……御免なさい……チョコ一つ作れなくて……御免なさい……
長政:ち、チョコだったのか……。これは……何にチョコが掛かっているのだ?
お市:小魚……。カルシウムに……
長政:これは?
お市:盛り塩……。お清めに……。
長政:これは?
お市:お札……。お清めに……。
長政:せめて食べ物で頼む……。
お市:御免なさい……御免なさい……(泣)
長政:め、めそめそとするな!……聞いたぞ。
お市:聞いた……?
長政:お前をさがしている間、様々な者達に聞いた。料理の仕方だの贈り物だの、
あのような奴等に聞いても分かるはずが無かろう!
お市:でも市は……長政様に……喜んで……欲しくて……
長政:ば、馬鹿者が……。だから探していたのだぞ。
お市:……?
長政:細かいことに気を取られるんじゃない!チロルだろうが、ごはんですよだろうが!
不格好だろうが焦げていようが!私は…!その…お前が……くれた物……なら……
炎の槍:ん?なんだ?後半が良く聞き取れないぞ?
風の槍:しーっ!今良いところなんだから黙ってなって。
お市:……?
長政:市がそれ程悩んで……くれた物……なら、何でも……その……
炎の槍:だあぁ!聞き取れねぇ!
雷の槍:お前、ホント五月蠅い。
お市:長政様……。本当……?本当に……喜んで……くれる……?
長政:な、何度も聞くな!
お市:チロルも…?小魚も……?お札……も…?
長政:五月蠅い!あ、当たり前のことを聞くんじゃない!さっさと持ってこい!
氷の槍:すっげぇ……札もかよ……。
お市:長政様……(泣)
長政:け、結局泣いてどうする!私は本当にお前の……
五本槍:…………。
長政:何をにやにや見ているっ!!!!!!
五本槍:何でもありませ~ん♪
長政:おのれ、削除してくれるっ!!!!
お市:長政様……♪
光秀:はい……はい……。クール宅急便で……。差出人は空欄で構いません……
宛名……?ふふふ……勿論信長公ですよ!溶けないうちに……届けてくださいね…
以下は拍手及びコメントの返信です……拍手のみの方にも感謝しますよ……ふふ
>悠矢様
拍手有り難うございます!!!こんなに沢山のコメントも(感涙)
おまけにそんな前半部分から読んで下さって
あああああ有り難うございます!!!もう大興奮でございました。
とくに展開もないまま、気のむくまま、
のらりくらりと書いている日記ではございますが、
お楽しみ頂ければ幸いです♪
ず、図々しいのは百も承知ですが…またコメントお願いします!
>とにかく面白い~…の方
コメント感謝いたします!!!
いつも読んで下さっているのですか!?
あわわ!有り難うございます!!!
毎度中身がなく、無駄に長いですが、
笑っていただけたのなら嬉しいです。
またいらしてください♪
>雪夜様
仮面舞踏会感想、有り難うございます!
なんだかあの頃は、いっちょ半兵衛りたい気分だったのです。
奴をメインにしたら、気苦労が絶えないと思います。
どこまで自重すべきか…と。
光秀は優にン百年は生きられると思います。
人知を越えた愛なのですよね。
半兵衛様は美の化身。白さに命かけてます。
どうして僕ってこんなに美しいの…?と。……困った人。
秀吉の扱いに同情してた割に、
十分自分も非道展開にしてますね(苦笑
腹の立つ台詞は……いろんな漫画の台詞とか
抜粋したり改変したり切り貼りしたり。
楽しいからまたやるかもしれません。
仮面舞踏会に次回は……あるのかな?
わかりませんが、また宜しくお願いします♪
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