――Cafe Troisで寛ぎの一時を…
政宗:(伸)良い天気だぜ。今日は客の入りも良さそうだ。お前等、準備はいいな?
開店するぜ。Let's par……
佐助:待ったぁああああ!開店禁止っ!
政宗:……What's happen?一体なんだってんだ。
佐助:オーナー、こっち来て!これこれこれ!
元就:何事だ……朝から騒々しい。此処は憩いと寛ぎを提供する店。
ばたばたと足音を立てて騒ぐでないわ。
佐助:騒ぎもするよ!確かに最近、野菜のスイーツが流行ってるから作ってみようとは
言ってたけど……。こんな珍妙な物体発注してどうすんのさ!
幸村:おお!顔でござる。髭も生えておるな。
元親:お前、またあの変な宗教団体から買ったろ。
元就:ザビー様にいただいた貴重な野菜だぞ。心して使え。
佐助:使えるか!つか、これ本当に野菜!?
政宗:今更他の材料手配する暇無ぇよ。パティシエだろお前。腕前で何とかしろ。
佐助:限度ってものがあるでしょ!うぁぁ……気色悪い。
元就:汚い物のようにつまむな。
からんころんからん
元親:っらしゃいませ~!今日も活きがイイの入ってるぜ!
客:………。(閉)
政宗:八百屋かてめぇは!客がどん引きして逃げたじゃねぇか!
元親:あんだよ~。挨拶なんざ、景気がイイに越したこたぁねぇだろ?
政宗:お前はとっとと厨房行って仕込みをして来い!
幸村もウェイターらしく客を迎えろ!
幸村:心得申した!(走)
政宗:店内で走るな!
元就:貴様、バリスタの分際で仕切るでない。オーナーは我ぞ。
佐助:バリスタって、確かイタリア語だよね~。
店名はフランス語だし、統一感無いよなぁ……。
元親:お前の割烹着が一番統一感ねぇよ。
佐助:だって、これが一番機能的なんだもん。鬼の旦那だって、ゴムエプロンじゃん。
元親:魚捌く時はこれだろ。
政宗:制服を着ろ、お前等は!
幸村:ブレンドコーヒーと、鉄火巻きとフルーツタルト、一つずつご注文でござる♪
元就:凄い組み合わせで頼む客だな……。
政宗:おら、出来たぜ幸村。
幸村:承知つかまつった!……(かちゃ……かたかたかた……かちゃかたかたたた……)
佐助:なんか……滅茶苦茶震えてるけど、旦那大丈夫?
幸村:なんの……これしき……。(かたたたた……)
元親:ぜってぇひっくり返すな、あれは。
元親:暇だ……
元就:暇だな……。伊達、コーヒー。
政宗:人を顎で使うな。俺のコーヒーは、客出し専門だぜ。
元親:固ぇこと言うなよ。粉入れて、湯注ぐだけじゃねぇか。
政宗:ふざけんな!きっちり豆から挽いてんだよ!
どんだけ手間掛かってるか解ってねぇだろてめぇ!
からんころん
幸村:政宗殿~!コーヒーの注文入ったでござるよ~♪
政宗:Ha!来やがったな!今日お勧めのブレンドは、コロンビアから直輸入した豆の……
幸村:ス○ーバックス・ラテを一つお願いいたす!
元親:………。
元就:………。
政宗:そいつは三軒先のス○バへ行ってもらえ!
元親:(じゅ~)……よっと。完成だぜ!
元就:なんだこれは?
元親:新感覚の軽食メニュー。その名も、ソルティー・パスタ!
政宗:塩焼きそばじゃねぇか。屋台じゃねぇんだぞ、店の雰囲気考えて作れよ。
元就:だが、旨いぞ(もぐもぐ)
元親:旨ぇだろ。こんなに旨いもん作れる俺がシェフだってのに、
なんでこの店は流行らねぇんだ?
政宗:やっぱ右三軒隣にス○バ、裏手にド○ールって、立地の問題じゃねぇか?
元親:誰だよ、こんな所に店建てた奴!
元就:貴様、我を愚弄するかっ!(挽)
元親:ぎゃあああ!焙煎される焙煎される!
政宗:今更そんなことでオーナーを責めても仕方ねぇ。
元就、それは豆を挽く道具だ。攻撃に使うんじゃねぇよ。
元就:ふん。
かこぉん!こころおぉ~ん………
だぁああっ、旦那!勝手にクリームなめちゃ駄目だっつの!
よいではないか、こんなに沢山あるのだぞ♪
それはまだ試作品……ああっ!こら!
元就:………。
政宗:………。
元親:厨房の奥でも、なんか騒いでやがるな……。
政宗:立地云々以前に、こういうどっか腑抜けた空気が醸し出されてんのかもな……。
元就:むぅ……これはいかんな。スタッフ!全員集合せよ!
元親:なんだよいきなり。
政宗:説教でも始める気か?
佐助:はいはいっと。何か用事?今ちょっと立て込んでるんだけど……
幸村:集合いたしましたぞ!
佐助:あ、ほら!まだ口の周りに一杯クリーム付いてんでしょうが!(拭)
幸村:うむ。旨かったぞ♪
元親:保育園かここは……。
元就:貴様等、良く聞け。知っての通り、開店以来この店は赤字続きだ。
このままでは経営破綻するのも時間の問題。そこで此処に、緊急会議を開く。
この店の何がいけないのか、何か意見があれば申してみるが良い。
佐助:え?立地。
元就:~~~~~っ
元親:それは禁句だ!
佐助:だって、それが一番でしょ?あとは………メニューの問題もあると思うけど。
元親:俺の飯は確実に旨ぇぞ。
佐助:旨いかまずいかだったら、俺様だって自信あるよ。そうじゃなくてさ……
「お品書き」(一例)
お飲み物
・Azure Dragon
・Scorpio
・Venus
・Lady Butterfly
・Red Minotaur
軽食
・鉄火巻き
・軟骨揚げ
・餅チーズベーコン
デザート
・チーズケーキ
・フルーツタルト
・ショートケーキ
・三色団子
佐助:統一感無さすぎ。
政宗:お前のネーミングが普通過ぎんだよ。何の捻りも無いじゃねぇか。
佐助:分かり易いのが一番なの。
竜の旦那は横文字だらけで、コーヒーの名前に思えないよ。
政宗:Stylishな方がウケがいいんだよ。
元就:意味不明なだけであろう。長曾我部の軽食メニューも問題だな……
佐助:これ、注文したら「よろこんで!」って返事帰ってきそうだもん。
政宗:飲み屋じゃねぇんだぞ。少しは考えろ。
元親:旨ぇのに……。
佐助:そもそも「カフェ」って謳ってるくせに、「お品書き」ってのも……。
元親:わかった、わかった。要はお前等が言いてぇのは、
客のターゲットをはっきりさせろってことだろ?
元就:ほう、長曾我部もたまにはまともなことを言うではないか。
元親:必要なのはテーマ性だ。昨今の喫茶店を例に考えてみろ。
単なる喫茶店になんざ、誰も入ってこねぇ。
そうだな……こんなのはどうだ?
――扉を開けると、そこに待っているのは……?
幸村:(かんからこぉん!)ふぉおお!お盆をひっくり返してしまったでござる……
うぅぅ……また叱られてしまう……。
元親:へ?面白い話?なんだよ、聞かせろよ♪
……何!?か、怪談!?無理無理無理無理!俺、そういうの絶対駄目なんだよ……
政宗:Shit!!このコーヒー熱すぎるぜ。俺ぁ猫舌なんだよ……。
――様々な「ヘタレ」たち。
元就:むぅ……。高すぎて取れぬ………(伸)
佐助:うぁぁ……寒いの超苦手。こたつで蜜柑でも食べてようよ~。
――さぁ、貴女好みのヘタレはど~れ?
政宗:友達………欲しい……。
――駅中央口から徒歩15分にNEW OPEN。「THE ヘタレ喫茶☆」
元就:なんだこれは?
元親:妹喫茶にツンデレ喫茶。ありとあらゆるジャンルの喫茶が存在している今、
世間に需要がありながら、未だに存在しない喫茶は何か?
強い女子が多い今だからこそ、ヘタレが必要とされてんだよ。
佐助:鬼の旦那ぁ、自分で言ってて悲しくならないの?
元親:馬ぁ鹿、芝居だよ芝居。客のニーズに合わせてだな……
幸村:某、芝居といえど、不抜けた真似など出来ぬ!
政宗:誰が「友達欲しい」だ!!!!!!斬り殺すぞてめぇ!!!!!!
元親:ちっ、駄目か……。
幸村:此処は寛ぎのお店なのでござろう?もっと夢のある店内にしてはどうであろうか。
元就:夢……?
幸村:例えば……
――扉を開けると、そこに待っているのは……?
ゆきむら:ようこそ、いらっしゃいましたでござる♪
おいしいおかしが、たくさんでござるよ♪
――ふわふわのクリームで飾り付けられたお店。
カステラの壁、チョコレートの屋根、クッキーのドア、ゼリーのステンドグラス。
もとなり:どれでも好きなだけ食べて良いのだぴょん☆
もとちか:腹一杯喰っていくとイイのだわん☆
さすけ:おかわりもたっくさんあるにゃん☆
――楽しい仲間達がお出迎え。
まさむね:さぁ、Partyの始まりでがんす。
――みんなおいでよ、「おかしのいえ」、ほんじつ開店♪
幸村:お菓子の家~……(悦)
佐助:旦那、涎涎。
元親:現実離れ云々以前に、この妙な語尾は何なんだ?
幸村:森の動物たちをイメージしたのだ。以前読んだ書物に書かれていたのでござる。
元親:書物って、絵本だろ……。
政宗:なんで俺だけ語尾が三流悪役風なんだよ!
元就:我は……悪くないと思うぞ。
元親:お前、ただ菓子が喰いたいだけだろ。
政宗:却下だ、却下。気色悪い。蟻がたかるぞ。
幸村:むぅ……夢がないでござるなぁ。
政宗:結局店に必要なのは、もてなしの心なんだよ。
佐助:そんなことは解ってるけどさぁ、チェーン店には勝てないでしょ?
政宗:そうでもねぇぞ。奴等には出来ない武器が此処にはある。
元親:武器?なんだよそれ?
政宗:会話だ。会話で如何に客を楽しませるか。
小さい店だからこそ出来る、サービス提供の在り方って奴だな。
元就:サービス、か。
政宗:そう、例えばな……
――扉を開けると、そこに待っているのは……?
一同:いらっしゃいませ
政宗:アンタを待ってたぜ
――滝の流れる店内で、癒しの水音を聞きながら、
佐助:そんな嫌な上司のことは忘れてさ、今日はぱぁっと呑もう♪
元親:おめぇの為なら、いっくらだって盛り上げてやるからよぉ!
一同:はい、呑んじゃって~呑んじゃって~♪呑ん・じゃっ・て♪
――本日のお勧めはブルゴーニュワイン、各種のフルーツも御用意しております。
元就:3番テーブル、ドンペリ追加だな。
幸村:なんと!本日はお誕生日なのでござるか!力の限りお祝いせねば!
――ご要望に応じて、シャンパンタワーも承ります。
政宗:全ては、アンタの望む儘だ
――Cafe de hevens 楽しい夜の一時を……
佐助:これ、完全に別の店だよね。
元親:夜の王に、俺はなる!
佐助:いや、そんな少年誌みたいな言い方されてもさ……
政宗:ちょっくら店内改装して、酒を出すようにすりゃあ、結構流行るんじゃねぇか?
元就:そんな金何処にある。第一、ウェイターは未成年だぞ。
幸村:某、夜九時を過ぎると寝てしまうでござるよ?
政宗:駄目か……。結局、地道に行くしか無ぇってことだな。
佐助:凄く不毛な会議。
元就:堅実が一番だと言うことだ。
からんころんからん
幸村:お客さんでござる!注文を聞いて参るぞ!(走)
元親:うっしゃあ!常連になって貰うため、張り切って行くぞ野郎共!
政宗:いっちょ働くか。
元親:おい!猿飛!厨房に妙な物体置くんじゃねぇよ!生首かと思ったじゃねぇか!
佐助:あ~、それ。さっきの野菜をなんとか使い切ろうと思ってさぁ。
ペーストにしたり、いろいろやってみたんだけど、なかなかね。
政宗:だからって、まんまケーキに載せるのは気色悪いだろ……。
佐助:やっぱり?(笑)
幸村:さ、佐助ぇ……て、手が痺れたでござる~……
佐助:へ?なんで?
幸村:わ、わからぬが……む!ぜ、全身がびりびりと……ぬぉぉ……
佐助:ひょっとして……この野菜で作ったクリームつまみ食いしたから?
幸村:うぐぅ……つまみ食いの罰と言うことか………無念。(がくり)
佐助:ちょっ!大丈夫!?
政宗:それ、絶対客に出すなよ。
元親:うぉぉ……超怖ぇ……
元就:だから、ザビー様の野菜を汚い物のように摘むなと言うに!
――お近くへお越しの際は、是非ともCafe Torisへ
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