――蒼林檎様よりリク。
アニキの魔法少女ステッキ騒動・第2弾。
元就:まだこの様な物を隠し持っていたとは!貴様の学習能力はダンゴムシ以下だ!
元親:返せよっ!高かったんだぞそれ!
元就:以前に同様の物を購入し、散々な目にあったのをもう忘れたか馬鹿め!
元親:そうそう本物の魔法少女ステッキなんて無ぇよ!それはレプリカだって!
ただ俺のコレクションボックスに飾るだけだ。な?イイ子だから返せ。
元就:我の方が聞き分けのない子どもかのような言い回しはやめろ!
このような物、こうして……!(ばきっ!)
元親:あああっ!
元就:こうしてくれるわぁあああああっ!!!!(投)
元親:あああっ!俺のマリリンステッキぃいいいいいっ!!!!
ひゅるるるるる…………ぽちゃん
元就:我が直々に、貴様の好きな海に葬ってやったわ。精々花でも手向けるが良い。
元親:あああああ………俺のマリリン……
佐助:ちょっと待ったぁあああああああああああああああああああああああああああああ
元親:うぉっ。
元就:な、何事だ……
佐助:ぜぃ……はぁ……。い…今、捨てたのって……ま……まさか……
元親:まさかもとさかも、俺の大事な魔法少女ステッキが海の藻屑に……ううっ(泣)
佐助:…………………終わった(倒)
元就:お、おい。どうし………む?
元親:猿飛、お前何背負ってんだ?
元就:………。
元親:………。
元就:……………子ども?
子ども:………う?
――時間は遡って……
佐助:よし、朝ご飯完成っと。旦那~、ご飯出来たよ~!
幸村:……………zzzz
佐助:だ~んな!早くしないと片付けちゃうからねっ!………はぁ。
我ながら情けなるくらい、この台詞が板に付いてるなぁ……とほほ。
幸村:…………zzzzz
佐助:旦那!ホント、いい加減にしなよ!いくら寝る子は育つって言っても
寝過ぎると逆に縮むんだからね!
幸村:………んゅう……zzz
佐助:「んゅう」ぢゃねぇ。布団引っぺがしてやる!(捲)
幸村:ひやぁっ!
佐助:何がひゃあ……って、……………え?
子ども:やぁっ!(潜)
佐助:………こども?
子ども:………zzzz
佐助:…………ねぇ、ちょっと。
忍隊:はっ、お呼びでしょうか長。
佐助:昨日、お前達3人が見張りの当番だったんだよな?
忍隊:はい、寝室には鼠一匹入れておりません!
佐助:じゃあ、何で旦那の寝床に子どもが居んの?
忍隊:は……?子ども?
佐助:これ。(捲)
子ども:ふわぁっ!………むぅ(睨)
忍隊:………………。……………さぁ?
佐助:とぼけるなよ。お前等3人、何処ぞでサボってたんだろ?
忍隊:めめめめ滅相もない!
忍隊:一睡もしてないんですから!
忍隊:見てくださいよこのクマ!
佐助:じゃあ、この子は何処から来たのさ。旦那は何処行ったの。
忍隊:さ、さぁ……?
佐助:さぁじゃねぇよ。
忍隊:しかし、皆目見当も付きません。天井裏、入口出口、全てに我等が居りました。
忍隊:万一油断が会って子どもが入り込むことがあったとしても、
幸村様がお部屋から出られたのなら、必ず気付く筈。
佐助:また人の目盗んで、独眼竜の所にでも行ったのか……?
忍隊:あ。見てください長!この子、幸村様のお着物来てます。
佐助:あ、ホントだ。ぶかぶかだけど。わざわざ自分の寝間着をこの子に着せてから
出かけたって事……?
忍隊:でも、着替えのお着物も置きっぱなしですよ?
佐助:………じゃあ何?褌一丁で出かけたの、あの人。
忍隊:まさか……(苦笑)
子ども:ぶぅ~。うぁっ!(転)
忍隊:あ。勝手に歩き回っちゃ危ないよ~。………。………にしても長。
佐助:何?
忍隊:この子、幸村様に似てますね。ほら、ちょっと癖っ毛で後ろが長めなトコとか、
どんぐりみたいな目とか。可愛いっすね~♪
佐助:………旦那に?………ちょっとおいで。(抱)
子ども:おぉ~!ふひゃあっ♪(喜)
忍隊:あ!次、俺にも抱かせてください!
佐助:…………………。
忍隊:どうしたんすか長?長も意外と子ども好き……
佐助:六文銭してる。
忍隊:へ?あ、本当だ。こんな大事な物まで預けちゃったんですかねぇ?
佐助:旦那は此奴を、ちょっとやそっとじゃ外さない。第一、紐を解かなきゃ
首から外せない長さだ。紐は雁字搦めの固結びな上、結び目が古くなって
固まってるから、紐を切る以外に外す術はない。
忍隊:え?でも、切った形跡なんて何処にも無いですよ?
佐助:つまり、これは旦那の首から外されて無いってことだ。
忍隊:……………????ど………どういうことですか?
佐助:考えられることは一つ。この子どもが……………真田の旦那だ。
――
佐助:………。
ゆきむら:………うぅっあっ♪
忍隊:………。似合ってますよ、長。
佐助:嬉しくねぇよ。つーかこの負ぶい紐と子供服、どっから調達してきたんだよ!
忍隊:近所の産婆さんに。仕方ないじゃないですか。俺等が抱くと泣くんですもん。
忍隊:やっぱ付き合い長いから、長にだけ懐くんですかねぇ?生まれた時から、
手塩に掛けて育てた甲斐がありましたね、長♪
佐助:俺様は乳母じゃ無いっての!大体、旦那に初めて会ったのは5つかそこらの時だ。
これ、どう見ても1つか2つだろ?こんなミニサイズの生き物、
どう扱って良いやら解らないよ……。
忍隊:そこはそれ、いつもの母心をもってすれば楽勝ですよ!
佐助:お前等、上司を何だと思ってる訳……?
ゆきむら:おんぶ、おんぶ~!
佐助:イイね、アンタは呑気で……。
忍隊:この子、お腹空いてんじゃないっすか?
忍隊:赤ん坊って何食べるんだ?
忍隊:やっぱ、ミルクじゃねぇの?
一同:…………………。
忍隊:長、ファイト。
佐助:出るかぁああああああああああああああああ!!!!!!!
忍隊:そこはほら、武田ならではの気合いで何とか……
佐助:ならねぇよ!イイからお前等は、こうなった原因を探して来いっつの!
忍隊:………承知~。(消)
佐助:何、あの不満げな態度。
ゆきむら:う、うぅ~……
佐助:あ~、大声得だして御免ね。大丈夫だから。ほら、こっちに座ってご覧。(降)
ゆきむら:うん……。
佐助:……(微笑)そういう悄気たような顔は変わらないね。
ゆきむら:…………あ。
佐助:ん?どしたの?
ゆきむら:あ………ま……まん、ま?
佐助:…………………………え。(固)
ゆきむら:……まん……まぁ?
佐助:ママじゃない!断じてママじゃない!嫁も取らねぇうちにママになってたまるか!
つーか一生掛かっても、俺様ママにはなれない!
ゆきむら:う?
佐助:止めて、見ないで。そんな純朴な目で俺を見ないで。
ゆきむら:うぅ………(沈)
佐助:あ………えっと……。………。
ゆきむら:んぅ……(沈)
佐助:………。ママじゃないよ。俺様は猿飛佐助。(微笑)
ゆきむら:しゃ……?
佐助:さ、す、け。アンタはいつもそう呼ぶの。
ゆきむら:しゃ……しゃしゅ、け?
佐助:おお~、良く言えました。イイ子イイ子。(撫)
ゆきむら:しゃしゅけぇ♪(喜)
佐助:~~~~~っ。って、こんな事に喜び見出してる場合じゃない!
俺様も原因探さないと。まさか、一生このままなんてことないだろうけど……
ゆきむら:しゃ・しゅ・け♪
佐助:はいはい。………っと、その前に。今日はお館様と修行の予定だったっけ。
とりあえず、大将に報告しないと……。
――
信玄:なんじゃとぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!
佐助:お、大声出さないでくださいよ。
信玄:おお、すまぬ。だが………これが幸村、とな?
ゆきむら:………うぁ……。
信玄:ほぉう、愛らしいのぉ。どれ、儂にも一つ抱っこをさせて……
ゆきむら:びぃえええええええええええええええええええええええええええええ!!!(泣)
信玄:………なっ!
佐助:まさかのマジ泣き!?
ゆきむら:いやぁああああああ!!!!!しゃしゅけえええええええええええええええ!!!(泣)
佐助:うわっ、ちょ、しがみつかないでってば!……痛たたたたっ!髪引っ張んないで!
信玄:……ゆ、幸村が……儂を……嫌…………(沈)
佐助:大将!落ち込んでないで、これ何とかし……痛い痛い痛い!
何この子!?赤ん坊のくせに超力強いんだけど!
信玄:どーせ儂なんて……
佐助:ほ、ほら、大声出したから、吃驚しただけだって!
試しに抱いて見てくださいよ!ね!(押付)
信玄:む……(抱)
ゆきむら:う……う……。………。
信玄:……おお!
佐助:ほら、ね?大人しくなったでしょ?………はぁ、疲れた。
信玄:ほお……。可愛いものじゃのう。ほぉれ、すりすり~♪
ゆきむら:う、う、うぁあああああああああああああああああああああああん!!!(泣)
佐助:あああもうっ!髭じょりじょりするんだから、考えてくださいよ!(抱)
ゆきむら:しゃしゅけえええええええええええええええええええ!!!!(泣)
信玄:どーせ儂なんて………
――
信玄:ほぉれ、高い高いじゃああああっ!!!!
ゆきむら:きゃっきゃ♪(喜)
佐助:何だかんだ言っても、やっぱり旦那だね。あっという間に懐いちゃった(笑)
信玄:この子はよい子になるぞ佐助。大切に育てねばならん。
佐助:人の話聞いてました?本来もう育ってるんですよ、その人は。
信玄:だが……高い高ぁあああああい!!!!
ゆきむら:きゃっきゃ♪
信玄:原因も分からなければ………高い高ぁああああああい!!!!
ゆきむら:きゃっきゃ♪
信玄:元に戻す方法も………高い高ぁあああああい!!!!
ゆきむら:みなぎゆぅうううう♪
信玄:見つかって居らぬのであろう?………高い高いじゃああああああああああっ!!!
佐助:あの、さっきから滞空時間がえらい長いんですけど……
ちゃんと加減して投げてます?
信玄:幸村ならば、このくらい何でもないに決まって居る。
高い高あああああああああああああああああい!!!!
佐助:怪我させないでくださいよ。まぁ……朝起きたらいきなりこんな状態だったから、
確かに原因がさっぱり……ん?なんだか前にもこんなことあったような気がする。
朝起きたら、いきなり竜の旦那と入れ替わってて………。
………。ちょっと竜の旦那にも話聞いてくるか。
大将。旦那連れて行きたいんで、そろそろ高い高いは終わりにしてくださいよ。
信玄:………。
佐助:どうしたんすか?天井なんか見上げて。
信玄:うむ。少々投げすぎたようじゃ。落ちて来ん。………天井に頭が刺さったらしい。
佐助:旦那ぁあああああああああああああああああああっ!!!!
ゆきむら:きゃっきゃ♪(ぶら~ん)
――
佐助:大将の近くに置いておいたら、何されるか解ったもんじゃない。
さっさと連れ出した方が、旦那の為だよ。
ゆきむら:おれかけ、おれかけ!
佐助:はいはい、お出かけね~。竜の旦那の家まで一っ飛び~……
……っと出来れば良いんだけど。どんな動きするか解らない赤ん坊連れて飛ぶのは
流石に危なすぎる。うっかり落としたら洒落にならないし。
ゆきむら:おしゃんぽ、おしゃんぽ、うれしいな~♪
佐助:そう、お散歩お散歩。徒歩で行くとなると、結構距離在るんだよね……はぁ。
ゆきむら:おしゃんぽ♪………あーっ!(走)
佐助:あ!こら!何処行くの!?(追)
ゆきむら:………(走)おお~!
佐助:何?こんな林に何の用があるの?
ゆきむら:しゃしゅけ、あしょぶ~!
佐助:え、遊ぶのぉ……?
ゆきむら:あしょぶの!(走)
佐助:ちょっとだけだからね。もぉ……。
ゆきむら:みなぎゆううううう~っ!!!!
佐助:あんま遠く行っちゃ駄目だよ。
――
佐助:旦那!旦那~!
ゆきむら:しゃしゅけ~!
佐助:何処まで行ってたの!もうそろそろ行くよ。
ゆきむら:はい!しゃしゅけのぶん、あげる。
佐助:……どんぐり?くれるの?
ゆきむら:うん!みちゅけたの!
佐助:あ~……ありがと(苦笑)………これ、保存の仕方考えないと虫湧くんだよね……。
ゆきむら:しゃしゅけ、おはなもあげる。
佐助:え?これも採ってきたの?
ゆきむら:うん!こしゅもしゅ。
佐助:……ありがと。たんぽぽだけどね……。
ゆきむら:しゃしゅけ、これもあげる。
佐助:何?まだ何か拾ってきたの?
ゆきむら:にーと。
佐助:……………ニート?
慶次:坊や……お兄さんはニートじゃないんだってば……(沈)
ゆきむら:うん?
佐助:うわ!人間拾ってきた!つか、前田の風来坊。
慶次:はは……ども~。(会釈)
佐助:アンタ、最近見かけないと思ったら、こんな所に落っこちてたわけ?
慶次:別に落っこちてたわけじゃなくて、ただ昼寝を……
佐助:フラフラしてるから、旦那に拾われたりするんだよ。
ゆきむら:しゅるんらよ。
慶次:あ~……心に刺さる言葉だ……。………ん?旦那?
……そのちっこい坊や、何者だい?確か、アンタがそう呼んでたのって……
佐助:見ての通り、ちょっと厄介なことになってるんだよ。
――
慶次:へぇ~、朝起きたら、ねぇ。アンタもつくづく苦労するね(笑)
佐助:笑い事じゃないっての。
慶次:でもイイじゃないか、可愛いし。なあ、幸村♪
ゆきむら:なぁ♪
佐助:良くないよ……。
慶次:まぁ、確かに子育てってのは大変らしいからなぁ。
しかも、どんなに愛情注いで育てても、やがては人生の伴侶を見つけ、
自分の元を巣立っていく。それが哀しい親子の定めってな。
佐助:気の早い話だこと……(呆)
慶次:早いなんて事ないよ。子どもの成長は早いんだ。
いつ何処で恋を見つけてくるか解らないよ。なあ幸村?
ゆきむら:なぁ!
慶次:よし、乗り気だな。俺が直々に教えてあげよう、恋の素晴らしさを!
佐助:間に合ってます!もうアンタ帰ってよホント。
慶次:そう臍曲げるなよ。冗談だって(笑)。政宗の家まで行きたいんだろ?
俺は謙信の家まで行く途中だからさ、松風で送ってやるよ。
佐助:え、馬で?
慶次:そう。乗るのは二人が限度だけど、アンタ走るの速いし、併走できるだろ?
幸村の歩調に合わせて歩いてたら、付く頃には日が暮れちまうよ。
ゆきむら:むぅ!
慶次:御免御免、怒るなって!すっげぇ馬に乗せてやっからさ♪
ゆきむら:おんましゃん!
――某街角
慶次:じゃ、俺は此処まで。気をつけて行きなよ。
佐助:助かったよ、前田の。今度蕎麦送るから。
慶次:期待してるよ(笑)じゃあな~。(去)
ゆきむら:じゃあな~!
佐助:さて、と。ここから竜の旦那ん家までは、ほんの少し。行こうか旦那。
ゆきむら:……んむぅ……。
佐助:あれ?どうしたの?もしかして馬酔いとか?
ゆきむら:んっ……うっ……ふうっ……(跳)
佐助:何踊ってるの?
ゆきむら:うっ……ううっ……う!(もぞもぞ)
佐助:もしかして……………厠?
ゆきむら:んんぅ~……。
佐助:あちゃ~……どうしよ。竜の旦那ん家まで我慢できない?
ゆきむら:できない~っ!
佐助:えぇっ!えっと……そうだ、コンビニ!この際戦国時代設定は無視!急ぐよ旦那!
ゆきむら:ひああああ~!
――コンビニ
ゆきむら:といれ、といれ、嬉しいな~♪
佐助:はあぁ~………間に合った。旦那?もう終わった?(開)
ゆきむら:まだっ!(閉)
佐助:はいはい、御免なさい。
ゆきむら:………………。
佐助:やけに静かになったな……。旦那?開けるよ。ねぇ大丈………………居ないし。
旦那!?旦那!?何処!?
――じゃああ……
佐助:まさか………な、流され……た?旦那ぁああああああああっ!!!!!(焦)
ゆきむら:ばあ!
佐助:え?あ?いつの間に後へ………。
ゆきむら:きゃっきゃ♪(逃)
佐助:ちょろちょろしないの!ちゃんと手洗った?
ゆきむら:あらったぁ。………しゃしゅけ!おかしあるよ。
佐助:うん、あるね。
ゆきむら:………。
佐助:………。買わないよ。
ゆきむら:ぶぅ~。
佐助:拗ねたって駄目なもんは駄目。
ゆきむら:…………(しょんぼり)
佐助:……………。………一個だけだよ。
ゆきむら:やったぁ~!(走)どれっしよかな~?びしゅこかな~?ぷっちょかな~?
佐助:やれやれ……。………あ、この雑誌って確か、テレビで宣伝してる……(読)
へぇ~……今って、こんな便利な育児用品在るんだ。
うわっ……チャイルドシートって、結構イイ値段するんだなぁ……。
金がいくらあっても足りない……。
お客:………。
佐助:………。あれ……?………竜の、旦那?
政宗:………。
佐助:あ、えっとこの雑誌は……その……深い意味は無くて……。(戻)
政宗:Congratulation!!お前も、爛れた恋愛遍歴に終止符を打つ時が来たか。
佐助:は?
政宗:身、固めるんだろ?餓鬼が居るんじゃ、責任取らないわけにはいかねぇもんな……。
佐助:いや、あの……。
政宗:相手は誰だ。あの忍か?まぁお前のことだ。どっかそこら辺の女かもな。
気が向いた時でイイから紹介しろよ?俺も出来るだけ手は貸してやるぜ。
佐助:何か大いなる勘違いをしてない?俺様は別に……
ゆきむら:しゃしゅけ~。びしゅこにしゅる~。
佐助:あ。
政宗:Ah?
ゆきむら:う?
政宗:…………こ、この餓鬼…………
佐助:あ~、えっと……これにはいろんな事情があってね……
政宗:………………佐助の餓鬼が(考え中)……………幸村に瓜二つ……(考え中)
お前…………………幸村に何をしたぁあああああああああああああああ!!!!!!
佐助:ねぇ。何をどう考えて、どういう結論に至った訳……?(呆)
――伊達家
政宗:Ha!そういう事か。ったく、驚かすんじゃねぇよ。
佐助:アンタが勝手に暴走したんでしょうが。
政宗:あんな所で『卵倶楽部』読んでるお前が悪い。にしても……これが本当に
幸村なのか……?豆粒みてぇに小せぇじゃねぇか。
ゆきむら:う……うぅ……。しゃしゅけぇ……(隠)
佐助:ああ、ほら!怯えてんじゃん。竜の旦那、顔が凶悪なんだから、
あんまり近寄らないでよ。
政宗:べ、別に何にもしねぇよ。ほら、餓鬼。団子やるぞ、来い。
ゆきむら:う……?
佐助:買収も禁止。
政宗:イイじゃねぇか。一人で囲い込むんじゃねぇよ、ケチ臭ぇな。
ゆきむら:いる~。(食)んぐっ……ん~♪
政宗:そうか、旨いか。もっと食え食え。
佐助:…………。
政宗:何だよその目は。
佐助:別に……。
ゆきむら:だんご♪
政宗:そうだ。これが団子……って………待てよ。お前、俺を団子と認識してないか?
ゆきむら:だんごのひと~。
政宗:誰が団子の人だ!俺は奥州筆頭、伊達政宗だ!
ゆきむら:お、しゅ?……ま?
佐助:長くて覚えられないよねぇ。旦那、この人は「がんたい」って覚えてとけばイイよ。
政宗:妙なこと教えんな!ま・さ・む・ね・だ。言ってみろ。
ゆきむら:ま・ちゃ・む・ね?
政宗:Ha!なかなか賢い餓鬼じゃねぇか。
小十郞:政宗様、只今戻りました。
政宗:買ってきたな、小十郞。
小十郞:はっ、此処に。
佐助:買ってきたって、何を?
小十郞:こんな事になっては、お前も何かと入り用だろう。
アカアチャン○ンポで、マミー・ポコを大量購入してきた。好きに使え。
佐助:あ、ありがとう………。……右眼の旦那、一人でアカチャン○ンポに
行ってきたの?
小十郞:そうだが……何か問題でも?
佐助:いや……一種の特殊な空間が生まれたろうなと思っただけ。
小十郞:???
政宗:で?お前、ハナから家に来る気で居たんだろ?何のようだ?
佐助:ほら、前にも似たような事があったじゃない。中身が入れ替わった一件。
政宗:おいおい、アレは俺の所為じゃねぇよ。悪いのは西海の阿呆だ。
佐助:そりゃ解ってるって。でも、あの時の元凶はきっちり処分したからね。
「朝起きたら突然」って状況が似てたから、竜の旦那も同じようなことに
なってるんじゃないかと思ってさ。
政宗:そりゃ生憎だったな。この通り、俺は身も心も大人の儘だ。
小十郞:心は中学生並ですが。
政宗:お前、今さらっと失礼な事言わなかった?
佐助:予想は外れって事か。じゃあやっぱり、鬼の旦那が一番怪しいってことかな。
政宗:元親ん所行くんだろ。送ってってやるよ。
佐助:え?いいの?何かみんなしてやけに親切だね。
政宗:Ha!俺はいつも親切なんだよ。行くぞ!真田幸村!俺に付いてこい!
ゆきむら:おおおお~!みなぎゆううううう!!!!
小十郞:皆、赤ん坊が珍しくて、構いたくて仕方ないのだろう。
佐助:あ、そーいうことね……。
――そして冒頭に戻る。
政宗:つまり、唯一の手がかりは……
元親:元就にへし折られた挙げ句、海の底に……(沈)
佐助:最悪だ……。
元就:しかし、本当にステッキが原因なのか?
元親:そ、そうだぜ!何でも俺の所為にすんなよ!
政宗:他に考えられねぇだろうが。お前、幸村にまた妙な術掛けた記憶ねぇのかよ。
元親:う……そう言われてみれば、幸村にステッキ見せびらかしたような……。
佐助:もぉ~いい加減にしてよね鬼の旦那!それこそへし折って海に沈めるよ!
元親:お前……さらっと怖いこと言うのな……。悪かったよ。なんとか探し出す。
元就:ふん、そんなことが可能なのか?
元親:解らんねぇけど、やるしかねぇだろ。つーか、お前も少しは責任感じろよ!
へし折って捨てたのお前だぞ。
元就:ぐ、ぐぬっ……!
ゆきむら:けんかは、らめよ!
元親:怒られた……。しっかしこれが幸村かぁ……はぁ。
デフォルメフィギュアみてぇで、可愛いもんだな。
ゆきむら:……あ!まちゃむね!
元親:は?
政宗:お前……やっぱり「俺=眼帯」と認識してるだろ……(沈)
元親:伊達なんかと一緒にすんじゃねぇ!俺は西海の鬼、長曾我部元親よぉ!
ゆきむら:ち、ちょ……?
元就:このような幼子に、貴様のような長ったらしい名が覚えられるものか。
子どもよ、此奴の名は「おたく」だ。
ゆきむら:おちゃく~。
元親:この野郎……。
元就:あのような阿呆の名を覚える暇があったら、もっと有意義な言葉を覚えるのだ。
さぁ、言うてみるがよい。「イエス・ザビー」。
ゆきむら:じゃびい!
佐助:変なこと吹き込まないでってば!さっさと海行って、そのステッキ探すよ!
――浜辺
元親:うおおおお……水、超冷たい……。
政宗:女々しいこと言ってんじゃねぇよ。元就、お前どっちに投げたんだ?
元就:あの辺りから、弧を描くようにして……あの辺りだな。
佐助:ざっくりした記憶だなぁ……。なんとか見つかると良いんだけど……。
元就:見つかった所で、元に戻せる保証もないがな。
佐助:不吉なことばっか言わないでよ。
元親:元に戻すって言うがよぉ、あれが幸村本人だって確認したのか?
佐助:どういう意味?
元親:ありがちなパターンだが………隠し子ってこともあるんじゃねぇか?(にやり)
佐助:んもぉ、鬼の旦那。あんまり巫山戯たことばっか言わないでよぉ~。
元親:すいません、もう言いません。頸動脈からかぎ爪を退けてください……。
政宗:アイツに限って、それは無ぇだろ……。
佐助:そうだよ。何のために「子どもはコウノトリが持ってきたキャベツを
一枚一枚捲ると、中から生まれてくる」って信じ込ませたと思ってんの?
元就:貴様……そんな話を吹き込んで居るのか……。
佐助:一番の根拠は六文銭だけど、黒子の位置から、まつげの長さに至るまで
本人に間違い在りません。
元親:それを記憶しているお前に軽く退くんだが……
佐助:勘違いしないでよ。化けるのに必要なんだからね。
元就:やはり、すてっき以外に原因は考えられぬということか……。
元親:言い逃れを探してねぇで、さっさと探せってことだな。はぁ……。
………ん?当の幸村はどこ行ったんだ?
佐助:子どもを冬の海に浸からせるわけには行かないからね。
そこで待つように………。………。
政宗:………おい、居ねぇぞ?
元就:これは世に言う………迷子という奴か?
佐助:………(青ざめ)
――某街角
半兵衛:秀吉~、残りのティッシュ持ってきたから。がんがん配ってくれよ!
秀吉:う、うむ……。
半兵衛:これだけ宣伝すれば、豊臣印の除毛クリームも馬鹿売れさ。
「ゴリラパワーで、貴方もすべすべ・イカした夏への除毛クリーム」
通称「イカ・サマー」。
秀吉:このネーミングが在庫の量に反映されていると思うのだが……
半兵衛:うん?何か言ったかな?
秀吉:いや、半兵衛のことだ。何か深い考えがあるに違いない。
喜んで、宣伝させて貰おう。ポケットティッシュをどうぞ、イカ・サマーです!
半兵衛:良い心がけだね。………おや?
ゆきむら:ぴっ!ぴっ!
秀吉:こ、こら!ティッシュを引っ張り出してはならぬ!
ゆきむら:ちっしゅ~♪
半兵衛:何処から攫ってきたんだい、この子ども?
秀吉:何故人攫い限定なのだ……(沈)。迷子のようでな、ふらふらしていたので
あとで交番に送り届けようと、面倒を見ていた次第だ。
半兵衛:ふぅん。
ゆきむら:あい!ちっしゅ、どうぞ。
半兵衛:イイ………いいじゃないか!
秀吉:む?
半兵衛:見た?今、ポケットティッシュ受け取った客の顔!
世の中の大半の人間は子どもに弱い。この子どもを宣伝に使えば
確実に売れ行きは伸びるよ。一日のバナナも、2本から一房に格上げ間違いなし!
秀吉:おおお!
半兵衛:と言うわけで、君は今日から豊臣の子ども店ちょ……おや?
秀吉:い、いなくなった……。
――浅井家
お市:長政様……何、書いてるの?
長政:市か。私は今忙しいのだ、話なら後にしろ。
お市:お仕事……しながらでイイから……ちょっとだけ……聞いて欲しいの……
長政:(溜息)仕方のない奴だ。耳だけ傾けているから、さっさと話せ。
お市:あのね……市………前から少しだけ……欲しいなと思っていたの……
長政:欲しい?何かを買ってくれと言うことか?
お市:う、ううん!そうじゃないの……。市が……市が欲しかったのはね……
長政:何だ。言ってみろ。
お市:うん………赤ちゃん。
長政:…………………………(固)。……………あ……赤っ
お市:そうしたらね………見て、長政様。
ゆきむら:あい!
長政:なななななんだその子どもは!いいいいいいいつの間にその……
だって市は……そのっ……一言も……!
お市:この子、さっき家の前で見つけたの………
長政:私とて嬉しくないかと言えばそれはっ……。…………?い、家の前?
お市:きっと、ちょっと遅刻したサンタさんが………市にくれたのね……
お着替えしたり………家具を揃えたり………ご機嫌メーターを上げたり……
ふふふ………楽しそう。
長政:市……お前、赤ん坊をシミュレーションゲームか何かと勘違いしていないか……?
ゆきむら:むぅ~……
長政:随分と派手な着物を着せて居るな……この子どもは男子であろう。
むっとしているぞ。
お市:え………可愛いのに………。
長政:どこぞの迷い子であろう。正義としては、交番に送り届けねばならん。
お市:………市が………市が……見つけたのに……(沈)
長政:……(咳払)そのように落ち込まずとも、私達にとてその内……その……
お市:……?
長政:なんとなく………3姉妹辺りが……その……
お市:長政様……。………あら?
長政:どうした?
お市:あの子が……居なくなっちゃった………。
長政:何?………確かに、居らんな。
お市:ひょっとして……あの子は……市達に何かを知らせに来てくれたのかな……。
長政:な、何かとは何だ!(照)
お市:ふふっ……解らないけど………きっと良いことだよ……。ね?長政様……。
――北条家
ゆきむら:いっち、に!いっち、に!
氏政:ふぁぁ……極楽じゃあ~。
ゆきむら:いっち、に!いっち、に!
氏政:下手な「あんま」より、子どもに背中を歩いて貰う方が、余程気持ちええわい。
しかし、風魔。この子どもはどうしたのじゃ?
小太郎:………。
氏政:ほほう、迷子とな?
ゆきむら:おいっち、に!
氏政:ふい~……気持ちええぞい。これだけのあんまの腕もさることながら、
最近、孫達も相手にしてくれんしのう……可愛い子どもじゃわい。
小太郎:………。
氏政:何、本当に迷い子なら、親の方から探しに来るわい。
それに……儂は少々手放すのが惜しゅうなってきた。
ゆきむら:う?
氏政:どうじゃ子ども。爺と一緒に居るほうがええじゃろう。
小遣いもお菓子も、た~っぷりあるぞ?
ゆきむら:………。しゃしゅけは?
氏政:しゃしゅけ?なんじゃそれは?
ゆきむら:しゃしゅけ………どこ?
氏政:そんな菓子は知らんのう……。まぁええわい。あとで好きなだけ買うてやる。
さ、もういっぺん背中を歩いてくれい。
ゆきむら:………。
氏政:うん?どうしたのじゃ?早う歩いてくれい。
ゆきむら:う、うぁああああああああああああん!!!!(燃)
氏政:ほほう、灸まで饐えるとは、なんとも見上げた子ども……。………。
あっつ!あぢあぢあぢいいいいいいいいいいいいっ!!!!!なんじゃ、この子どもは!
燃えて居るではないかっ!
小太郎:………!
氏政:ひいいいっ!風魔!なんとかせい!
小太郎:………(困)
ゆきむら:びぃええええええええええええええっ!!!!(泣)
小太郎:…………。………(いないいないばぁ)
ゆきむら:うっ……うっ……。
小太郎:……(どろん)………(ばぁ)
ゆきむら:おおお~♪
小太郎:………(照)
「その子ども、私が預かろう。」
氏政:んなぁ!松永!何処から入った!
小太郎:………っ。
久秀:そう身構えるな。たまたま近くに来たついでに立ち寄ったまで。
迷い子は交番に届けるが、大人の務め。
それを代わりに届けてやろうというのだ。悪い話ではないと思うがね。
四方や、人攫いのようなことをしでかすつもりはなかろう……?
氏政:む、むぅ……人聞きの悪いことを申すな!
久秀:話は纏まったようだな。子どもは私が預かろう。(去)
氏政:………。ふぃ~……彼奴は苦手じゃ。……しかし、彼の子どもも
とんでもない燃えぶり。危うく燃え尽きる所じゃったわい……。
やはり、肩揉みはお前の方が確実じゃな。
小太郎:………(照)
――松永家
久秀:さて、卿が何処の子かは知らないが……
ゆきむら:……う?
久秀:自ら発した、あの炎。……卿には才能がある。
ゆきむら:ちゃいのぉ?
久秀:私は炎を愛でる者。炎には必ず火種が必要となる。
それを思うまま操るは、なかなかに難しい。しかし卿は、それが出来る。
ゆきむら:……むぅ?
久秀:卿には才能があるのだよ………爆ぜる才能が、な。
ゆきむら:………う、うぅ……?(怯)
久秀:幼き子どもが、自ら爆ぜる。誰も見たことのない様だ……さぞ、美しかろう。
さぁ、これを手にしたまえ。そして、自ら炎を纏い、魅せてくれ。
げに美しき、爆ぜる炎を……
ゆきむら:………う、……う……(怯)
「鎮火ぁああああああああああああああああああああああああああああ」
ざっぱぁぁぁぁぁぁ………。ぽた、ぽた……。
久秀:………ふぅ。いきなり頭から水をぶっかけるとは、
卿の不躾は驚嘆に値するな。
佐助:うるさい退け!(蹴)旦那ぁぁぁっ!(抱)
ゆきむら:しゃ、しゃしゅけぇ………ちべたい。
佐助:あぁ……よかったぁぁぁ……。勝手にどっか行っちゃ駄目だよ……
ゆきむら:ごめんなしゃい……。
佐助:心配したんだからね………。………何持たされてんの?ぽいしなさい、ぽいっ!
ゆきむら:ぽいっ!
久秀:どちらにしても、こう濡れては使い物にならんな……。
佐助:当たり前だよ、その為に水掛けたんだから。
アンタ、うちの子に何しようとしたのさ……。
久秀:ほう、随分とお怒りのようだな。
政宗:当たり前だ。
久秀:おや?卿も居たのかね?
元親:俺等もな。逃げ場は無ぇぜ、おっさん。
元就:幼児誘拐、実刑は免れん。
久秀:誘拐とは随分な言い様だな。確かに、勝手に撮影協力を請うたは
失礼に当たるかもしれないが……
政宗:…………撮影?
久秀:これが台本だ。
元就:「爆滅戦隊・ボンバーマン」。
元親:お。面白そう。
久秀:某5人組が主演でな。爆破の素晴らしさを世に広める、浪漫溢れる映画として
撮影中だ。だが、チビノリダー然り、チビうさ然り。
こういう者は、子どもが絡んだ方がウケが良いのだよ。
彼には、「チビボンバー」として出演して欲しいと思っていた。
佐助:え………じゃあ、さっき旦那に持たせたのって……
久秀:発煙筒だ。撮影用のな。少々煙いが、害はない。
一同:…………。
久秀:さて、事と次第を説明した所で、改めてオファーしたいのだが、いかがかな?
ゆきむら:かな?
――伊達家
政宗:アイツの考えることだけは、全く読めねぇ……。
佐助:映画なんて冗談じゃない。元に戻す方が先決だよ。
元親:走り回って幸村探したから疲れたぜ。伊達ん家で一休みな。
元就:さっさと茶を持ってこい。
政宗:お前等な……。
ゆきむら:ばき!ばきぃ!
元就:おい、茶菓子のせんべいを割りまくっておるぞ。何とかしろ。
佐助:ほら、旦那。悪戯してないでこっちおいで。
元親:あ~……もう暗くなるな。どうすんだ、これから?
佐助:暗くなったら見つかるものも見つからないし、また明日探すしかないね。
政宗:へぇ~、そうか。………。
…………。………じゃあ幸村は家においてけよ。
佐助:は?なんで?
政宗:また迷子になられたら困るだろ。その方が安全だ。
佐助:いや、気をつけてればいい話だろ?
政宗:なぁ、イイだろ小十郞~!
佐助:聞けっての。
小十郞:そんなことを言って、結局面倒を見るのは私になるのは目に見えております。
許しませぬぞ、政宗様。
政宗:ちゃんと俺が面倒見る!なぁ、飼ってもイイだろ小十郞?
小十郞:仕方在りませんね……。生き物を飼うには、大きな責任を伴うと言うことを
忘れてはなりませんぞ。
政宗:忘れねぇから安心しな!飯も散歩も俺がするぜ!
佐助:……。
元就:伊達の家など遠すぎる。我の城へ来るが良いぞ。
日輪のなんたるかを、みっちりと教えてやろう。
元親:俺ん家の方が近いだろ!仮面ライダーのフィギュア、全種類揃ってるぜ幸村!
元就:なにを。ならば、我はザビー様フィギュアを全種類見せてやろう。
政宗:んなもん誰も見たくねぇよ!俺はDS買ってやるぜ!
元親:じゃあ俺はWii買ってやる!
元就:ならば我はドリームキャストを……。……む?
政宗:あ、あれ?幸村と佐助何処行ったんだ?
――上田城付近
佐助:ったく、何奴も此奴も……。いくら赤ん坊がもの珍しいからって
好き勝手いじくり回されてたまるかっつの。
ゆきむら:しゃしゅけ?どっか、いたいの?
佐助:ん?大丈夫だよ。ちょっと疲れただけ。早く帰ろうね。
ゆきむら:うん!
謎声:ゆきむるぁああああああああああああああ
佐助:あれ?大将……何騒いでんだろ?ちょっと覗いてみるか……。(隠)
――上田城内
信玄:幸村はまだ帰らぬのかぁあああああああああああ!!!!!
忍隊:お、落ち着いてくださいよお館様。
忍隊:きっと長が元に戻す方法を探して……
信玄:佐助から連絡はあったか?
忍隊:いえ何も……。
信玄:ということは、戻っていない可能性が強いと言うことか?
忍隊:ええ……まぁ……。
信玄:ふむぅ。しかし、それならばそれで幸村の今後を考えねばならん。
忍隊:今後……と言いますと?
信玄:今は幼くあろうとも、行く行くは戦国一の強者とならんが為、
鍛えに鍛えて鍛えまくるのじゃああああ!!!!見よ、これを!
忍隊:な、なんすかそれ?なんか、バネみたいのが一杯付いてますけど……。
信玄:お主等、「巨○の星」を見たことがないのか?これは養成ギブズよ!
忍隊:養成……?
信玄:全ての身体の動きを制限し、負荷を掛けることで筋力を鍛える。
ちなみにこのバネは、超特殊合金で作ったもの。鉄筋くらいは
簡単にへし折る反動を持って居る。
忍隊:………。
信玄:元々、幸村に授けるつもりでいたが、子どもの内から鍛えれば
さらなる進化が期待できよう。お前達、早う幸村を捜し出すのじゃあああ!!!!
忍隊:あ………はい……。
――
佐助:ちょ、ちょっと……普段なら兎も角、赤ん坊に何させようとしてんの。
そんなの付けたら、旦那弾け飛んじゃうよ……。
ゆきむら:うう?
佐助:駄目だ……少なくともお館様が諦めてくれるまでは帰れない……。
待つしかないか……。
――某街角
ゆきむら:………(くしゅん!)
佐助:旦那、寒い?
ゆきむら:うぅ~……
佐助:これ、着ておきな。
ゆきむら:あ!ぱんちょ!
佐助:ぽんちょ、ね。ほら、被った被った。
ゆきむら:(ずぼっ)おお~。………しゃしゅけ。
佐助:うん?
ゆきむら:しゃむくないの?
佐助:平気(笑)。俺様強いから。
ゆきむら:………。
佐助:すっかり日も暮れちゃったし……これからどうしたもんかね……。
ゆきむら:しゃしゅけ。
佐助:何?……って、うわっ!(ずぼ)
ゆきむら:しゃしゅけも、きるの~。
佐助:あのね……いくらアンタが小さくても、二人で頭突っ込んだら
襟ぐり伸びちゃうてしょうが。
ゆきむら:へへ~♪
佐助:………。…………ま、いっか。
ゆきむら:……(うつら……)
佐助:眠い?
ゆきむら:ううん……
佐助:いいよ、眠って。
ゆきむら:………ぅ。………zzzz
佐助:………(溜息)。あんなに歩き回って、そりゃ疲れたよねぇ(苦笑)。
ゆきむら:………zzzz
佐助:このまま戻れなかったら……か。
ゆきむら:………んぅ……。
佐助:一、二才として……元の歳まで成長するのに………15、6年?
うわぁ……俺様その頃、アラフォーじゃん……。
ゆきむら:………zzzz
佐助:それでも……ちゃんと、背中を守れてれば………良いんだけどね。
ゆきむら:………zzz
佐助:………。
「そなたの望みを叶えよう」
佐助:っ!!!!
謎人:そなた、何ぞ悩んで居るな。悩みを取り払ってしんぜよう……。
佐助:だ、誰アンタ?
謎人:決して怪しい者ではない……。
佐助:いや、胡座かいた状態で宙に浮いている人に言われても説得力ないんだけど……。
謎人:そなたの悩みは、既に自力では解決できない状態にある。
もっと近くに寄るが良いぞ……。
佐助:な、何?おっさんが何とかしてくれるって訳?
謎人:きぇえええええええい!!!!
佐助:っ!!!!な、なんか出た!?目からビームっぽいの出た!?
旦那に当たったんだけど!アンタ、何したの!?
謎人:これで、明日の朝には、悩み事も露と消えよう……。
佐助:は、はぁ!?
謎人:では………これにて……。
佐助:き、消えた……。
忍隊:長~!
佐助:うぉおおおっ!!!!
忍隊:っ!……な、なんすか。
佐助:あ、御免。ちょっと今いろいろあって……。
忍隊:はぁ……?あ、お館様なら、越後の軍神さんに協力して貰いました。
酔っぱらって寝ちゃいましたんで大丈夫ですよ。
外、寒いでしょう。中入ってください。
――翌朝
佐助:………。……朝?
………。あぁ~……なんか、ひっでぇ夢………。
幸村:………zzzz
佐助:………。
幸村:………zzzz
佐助:~~~~~っ!!!!
――
幸村:佐助の大声の所為で、まだ耳が痛いぞ……。
佐助:そりゃ悲鳴も出ますよ…………。なんでアンタは平然としてる訳……。
幸村:俺とて、少しは驚いたぞ。だが記憶にないのだ。
何故俺はあのようなナリで、添い寝なぞしておったのだ?
佐助:そ、そりゃアンタが、しがみついたまま離れないから……
忍隊:仕方ないっすよね。子供服で中身が急成長したら当然そうなりますもん。
佐助:言うな!恥死する!
幸村:成長?
佐助:…………。旦那………本当に何も覚えてないの?
幸村:何をだ?おお!そういえば今日、奇妙な夢を見たぞ!
佐助や政宗殿が急に巨大になると言う不可思議な夢でな!
佐助:ああ、そう……。
忍隊:兎にも角にも、元に戻って良かったですね、幸村様。
さっき、今日もまた海にステッキ探しに行くって連絡ありましたよ。
佐助:え?何、あの人達まだ探してるの?
忍隊:ご安心を。もう必要ないって連絡しておきましたから。
佐助:それなら良いんだけど……。……旦那、もう鬼の旦那の見せびらかすものに
やたらと近寄っちゃ駄目だよ。
幸村:う、うむ?
さぁなだゆきむるわぁあああああああああああああああああああああああああああああ
幸村:ま、政宗殿?
佐助:竜の旦那。朝から騒々しいね……。
政宗:お前……本当に……戻ったんだな……(息切)……よし。
幸村:戻った?
佐助:あれ?まだ連絡行ってなかった?
政宗:聞いた。だからこうして来たんだろうが。
主従:…………?
政宗:お前等……………これを何とかしろ。
子ども:………う?
幸村:子ども?
佐助:何~?竜の旦那こそ隠し子ぉ~?(笑)
政宗:んな訳ねぇだろ。
幸村:可愛いでござるなぁ。少々おでこが広めだが。
佐助:あ、ホントだ。なんだかオールバックみた………。………。
ねぇ…………竜の旦那。まさかとは思うんだけど……。
政宗:その、まさかだ。
佐助:………。
政宗:頼む、教えろ。どうすれば…………………小十郞は元に戻る!?
今回も面白くてついつい笑ってしてしまいました!!
このお話は、子幸村がすごく・・・可愛いです!!オカンな佐助もサイコーです!
私は浅井夫婦が好きなのですが、子供の話をして照れる長政さま。。。良いです!!可愛い過ぎです・・!!
これからも頑張って下さい!!
応援してます!
主従っていう単語の意味すら忘れそうな程
最近、母子ぶりに拍車が掛かってます。
浅井さん家は自分も大好きです。
長政様はきっと、その手の話題には
しどろもどると思いまして。
応援有り難うございます!またいらしてくださいませ♪
とあるリンクから流れ着きました。
ギャグものを探していたので
とっても楽しませていただきました!
テンポよく、予想もできない展開が新鮮です!
ミョ~に丈夫で誰にでも懐きやすい幸村‥
もとに戻す手をさがしながらも
現状のままの未来まで思い描く佐助‥
涙を禁じえません‥
楽しいひと時に出会えましたお礼に、
ヘタレなひっとーなどを。
とにかく、とっっっても、面白かったです!
乱文、失礼しました~。
ああああああありがとうございます!(ローリング土下座)
筆頭とこじゅが愛くるしすぎて失神するかと思いました。
家宝として掲載させていただきたいのですが
よろしいでしょうか?
またのお越しをお待ちしております♪
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