先に謝っておきますすみません
政宗：（伸）連休明けってのは、どうも体がなまっちまうぜ。
流石にもう、正月ボケって奴はいねぇだろうけどな。
小十郞：お久しゅうございます、政宗様。
政宗：よぅ、小十郞。今日も良い天気………Wait.「久しぶり」だと？
小十郞：はい。貴方様が旅立たれて五年。お帰りを心よりお待ちしておりました。
政宗：……Ha.つまらねぇjokeだぜ。たかだか数日休んだくらいで、
５年もたったってのか。
小十郞：月日がたつのは、早いものでございます。
政宗様のお留守は、小十郞めがしっかりと御守りしておりました。
どうぞ此方へ。
政宗：……ah?
――農園
政宗：My goodness……
小十郞：お気に召しましたでしょうか？
政宗：召すか！なんだこれは！領土の殆ど農園にしやがって！
地の果てまで葱畑が続いてんじゃねぇか！
小十郞：心和む風景ですな。見てください、キタキツネが顔を出していますよ。
るーるるるるっ
政宗：るるるじゃねぇえええええ!!!!!
小十郞：何がご不満なのかは察しかねますが、この奥州も、
今や世界に羽ばたく大企業として名を馳せているのですぞ。
政宗：企業……？
小十郞：その名も「無農薬天国」。野菜の品質は、どこに出しても恥ずかしくありません。
販売数も右肩上がり。もはや、天下をその手中に収めたと言っても
過言ではありません。
政宗：そこで天下とってどうする！
小十郞：広大な農地は一部を見学コースとし、観光客向けに開放もしております。
ご覧下さい。向こうのステージで、今日は有名芸能人の
歌謡ショーを開いております。
政宗：か、歌謡ショー……！？
――ステージ
元就：皆の者、準備は良いか。
捨て駒：うおおおおおおおおおおおおおお!!!!!
元就：日輪の前に、ひれ伏すが良いわああああああ!!!!!
捨て駒：元就様ぁああああああああああああっ!!!!!
元就：この役立たずが。足止めにすらならぬ。死して尚その血を護れ。
我が礎となれること、誇りに思うが良いわ。所詮貴様も、捨て駒よ。
捨て駒：うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!
政宗：なんの宗教だこれは。
小十郞：ご存じありませんでしたか？今や科の御仁は、
O-POPの神と呼ばれる歌い手となっておられるのです。
政宗：あれ、歌か？フラフープ回しながら、客を罵ってるようにしか見えねぇんだが……。
小十郞：大ヒットですぞ。先月発売した「オクラの神様」は、
ダブルミリオンを記録しました。
政宗：世も末だな……。そもそもO-POPってなんだよ。
小十郞：お野菜系アイドルの歌です。
政宗：Ah……頭がな。
元就：……む？ほぅ、懐かしい顔も在ったものだな。貴様も我に跪きに来たか。
政宗：ふざけんな。お前、そんな仕事して恥ずかしくねぇのか？
元就：ふん。負け犬が何やらほざいておるわ。貴様は５年前と一部の変わりもない。
ただいたずらに、時を捨て去っていったのであろう。
政宗：んなっ……！
小十郞：毛利、ここはうちのステージだってこと、忘れてねぇだろうな。
元就：ふむ……スポンサーには媚びておくとするか。
どうせ、これが欲しいのであろう。受け取るが良い！（撒）
捨て駒：ああっ！元就様がオクラを撒いたぞ！
捨て駒：拾え！拾えーっ！
捨て駒：これは俺のだぁああああっ！
政宗：本当に……世も末だな。なぁ、小十郞……。………。
小十郞：ま、政宗様！こ、これはその……
政宗：そうか……お前結構ミーハーだったんだな。
そのオクラ、頼むから夕飯には出すなよ。
小十郞：お、お待ち下さい政宗様！
――海辺
政宗：（溜息）５年だ……？どうしうても俺には信じられねぇ。
確かに、年末年始ネタをサボっては居たが、その間に５年もの時間が
流れたとうことか……。
？？：あの……
政宗：それとも、これは、サボっていた俺への罰なのか……？
？？：ねぇ、あの……伊達、だよね？
政宗：Ah?誰だ、てめぇは。
？？：お、覚えてない……かな？そっか……もう５年にもなるんだもんね。
覚えて無くても無理ないよ。
政宗：Wait.悪いが俺は、どうも時間の感覚が他とずれているらしい。
お前が俺の知り合いだってんなら、この５年にあったことを聞かせてほしいんだが。
？？：この５年に？うぅん……いろんなことがあったからなぁ。
何から話せばいいんだろう。
政宗：兎に角まずは、お前の名前から聞かせて貰おうか。
女の顔見知りなんざごまんと居るが、どうにも思い出せる気配がねぇ。
？？：……♪
政宗：何笑ってやがる。
？？：ううん、女の知り合い……ね。
政宗：Hah?
？？：私ね……５年前は、こんな感じじゃなかったの。
もっと……なんて言うかな。荒っぽいって言うか、全然色気とか無くて……。
ねぇ、私、ほんの少しでも可愛いと思う？
政宗：ま、面は悪くねぇな。背がでかすぎるってのはあるが、
その分手足の長さもある。Levelとしては、上の方だと思うぜ。
？？：ふふっ、冷静な分析ね。
政宗：ただ、その髪色に眼帯ってのは、ちょっとマニアウケを狙いすぎ……。………。
？？：どうしたの？
政宗：おい……お前まさか。
？？：やっと気付いた？（笑）
政宗：まさか……まさかお前……
？？：そう。私の名前は、チ……
政宗：言うなぁあああああああああああああああああああああ!!!!!（逃）
？？：あーあ、行っちゃった♪
――街道
政宗：（息切）……見てない。俺は何も見てない……。畜生、一体どうなってやがる。
領内にしろアイツ等にしろ、変わりすぎにも程があるぜ。
そもそも天下はどうなったんだ？どいつもこいつも脳天気にしやがって……
家康：おお！政宗じゃないか！
政宗：Hah?この声は……家康か？
家康：久しぶりだなー。元気だったか？
政宗：元気だったか、じゃねぇ。声を掛けるんなら姿くらい見せやがれ。
家康：うん？もう見せて居るぞ。
政宗：No kidding.誰もいねぇぜ。
家康：そっちじゃない。上、上！
政宗：上……？………っ!!!!!!
家康：おー、やっと気付いた。政宗、お前何だか縮んだか？
政宗：お前がでけぇんだよ！なんだそのサイズは！ポニョの母ちゃんか！
家康：うーん、成長期が終わらなくてなぁ。忠勝を超えた時には、
流石の儂も少々焦ったが、まぁ大きくなる所までなろうと思っている。
政宗：訳の分からん決意を固めるな。もう服ぴっちぴちじゃねぇか。
家康：大きな男になりたいと、祈り続けてきたからな。
政宗：妙な方向に作用したんだな……。そのでかさで、天下も手中に収めたのか。
家康：いや、俺は天下などとっておらん。
それより、世界の吃驚人間番組に出演するので忙しい。
政宗：まぁ……そうかもな。つーことは、石田が？
三成：私を呼んだか？
政宗：っ!!!!き、急に背後に出現すんじゃねぇ！てめぇは…………石田か？
なんか、雰囲気が丸くなったような……。
三成：いかにも、私が石田三成だ。貴殿は、どちら様だろうか？
政宗：相変わらず、人の顔は覚えてねぇってか……。兎に角、さっさとどっか行け家康。
また此奴、斬滅斬滅騒ぎ出すぜ。
家康：あっはっは！そう言えば昔、三成もよくそんなことを言っていたなぁ。
三成：遠い昔の話だ、忘れろ。
政宗：お前等……和解したのか？
家康：和解っていうか……なぁ。
吉継：我が説明するとしよう（ぱたぱた）
政宗：Ah?なんだ、この小せぇ虫みてぇなおっさん。
吉継：三成はあまりに飯を食わんでな。何とか栄養と摂らせようと
霞を喰う術を教えたら、仙人になってしもうた。（ぱたぱた）
政宗：………Hah?
三成：下らぬ諍いはもうしない。今は、悪い仙道を封神する旅をしているのだ。
政宗：おい、もうそれ違うマンガだろ。
吉継：仕方がないので我は妖精さんとなり、三成のフォローをしているまで（ぱたぱた）
政宗：さて、どこから突っ込んだものか……。とりあえず、全員人間辞めたってことだな。
三成：行くぞ、刑部。この世を惑わす、悪しき女王から人間界を救うのだ！
吉継：あいわかった（ぱたぱた）
政宗：悪しき女王……？女が天下取ったってのか？
三成：しらなかったのか。奴は魔王の妹と呼ばれた女だぞ。
政宗：………あ、浅井の嫁か！？
家康：お市殿は、コバピーなる御仁のお力添えにより、休息に勢力を拡大。
今やこの世界の全てを握っていると言っても過言ではない。
政宗：確かに、気に入られてんもんな……。
家康：政宗も、目をつけられないよう気をつけるのだぞ。
政宗：いくら何でも……世界観が崩壊しすぎだろ。魔王の妹が天下だと……？
そんなことアイツは許して……。そうだ……アイツはどうしてやがる。
――甲斐
（ピンポーン）
政宗：Hey!真田幸村！来てやったぜ！
（がらり）
幸村：…………。
政宗：今日もいっちょ、派手なPartyと行きたい所だが、
まずは聞かせてもらいてぇ話が山ほど……
幸村：…………。
政宗：………？お前、なんだその腑抜けた面は。いくら家ん中とは言え、
人を出迎えるのにスウェットに裸足ってのは如何なもん……
幸村：何用でござるか？今、チャットの途中なのだが。
政宗：…………。
幸村：………（溜息）まぁよい。茶ぐらい出すと居たそう。
政宗：お、おう……。何か、雰囲気変わってねぇか？
幸村：あ。その辺りの物には触らないでくだされ。某の宝でござりまする。
政宗：宝って……このマンガやゲームの山がか？
幸村：………。政宗殿も、某を変な物を見る目で眺めるのでござるな。
政宗：い、いや、別に俺は偏見を持ってる訳じゃねぇぞ！？
幸村：別に構わぬのだが……。粗茶でござる。
政宗：Thanks……。
幸村：………。
政宗：………幸村。
幸村：何でござるか？
政宗：佐助は、どうした？こういう時は大抵あの野郎が
茶菓子とか持って出てくるだろう？
幸村：……っ！
政宗：……？
幸村：佐助の話を……せねば、ならぬのか？
政宗：な、なんだよ。何か問題あるのか……？
幸村：俺の……俺の大切な友を失ったあの日を、話せと申すのか！？
もう……もう……思い出したく……ない……のに……
政宗：お、おい……まさか……
幸村：……っ。
佐助：ただいまー。って、あれ？竜の旦那、いらっしゃーい。
政宗：………。
幸村：………。……ちっ。
政宗：おい、「ちっ」って何だ!!!!ちょっと本気にしたじゃねぇかこの野郎！
佐助：何もめてんの？あ、旦那ー。お客さんにお茶出すなら、お菓子ぐらい出しなよ。
座布団もこんなのじゃなくて、ちゃんと客用のがあったでしょうに！
幸村：はいはい、でござる……。
佐助：「はい」は一回！ちょっと竜の旦那！？何涙ぐんでんの！？
政宗：お前は……お前は変わってねぇんだな……
佐助：はぁ？
佐助：はい。おまんじゅう。
政宗：すまねぇな。
佐助：テレビつけてイイ？旦那が夜中のアニメ録画しといてって言ってたから。
政宗：あ、ああ……。
ＴＶ：（ぽち）……がダブル主演を務める、新作映画の記者会見が行われ……
政宗：あの女優、いつきに似てんな。
佐助：似てるって言うか、本人だし。
政宗：What!?
佐助：隣の子は、例の巫女さんね。日本のヒル○ン姉妹として、今人気なんだよ。
政宗：んな馬鹿な……！だってあんなに、その……でかいじゃねぇか！
佐助：そりゃ女の子だって成長するよー。いやー立派に育ったねぇ。
かすがもうかうかしてられないよ。
政宗：………。
佐助：５年だもの、いろいろあったよ。旦那もお館様のこととか、大将の仕事とか、
いろいろあったしね。それも一段落したから、
今度は目一杯甘やかしてあげようと思ったら……それが失敗でさ。
政宗：失敗？
佐助：うん。甘やかしすぎて、己の世界に没頭する子になっちゃった。
政宗：……。
佐助：今じゃ部屋から滅多に出てこないし、寝ても覚めてもパソコンばっか。
前田の風来坊と、しょっちゅうチャットしてるよ。
政宗：アイツも似たような生活送ってるってことか……
佐助：そうなんじゃない？きっと俺様のことなんか、飯炊き係くらいにしか思ってないよ。
政宗：お前は……それでいいのかよ。
佐助：良くないよ。良くないけど……どうしようもないじゃない。
政宗：………。
佐助：時間は止められない。ぼやぼやしていたら、気付かないうちに過ぎていく。
あれを書こうこれを書こうって頭の中で考えている内に、
結局更新できずに過ぎていくんだよ。
政宗：何の話をしてやがる。
佐助：そうして人は変わっていくんだ。それを、周囲がとやかく言えないよ。
政宗：………。……俺は、こんなの認めねぇ。
佐助：え？
政宗：誰一人、始めに心に決めた未来を勝ち得ていねぇ。こんなもの、未来と呼べるか！
佐助：右眼の旦那は、野菜に囲まれて幸せそうだけど？
政宗：俺は好敵手と決着をつけ、天下を取ることを望んだ。
佐助：聞こえないフリか。
政宗：それが、適わぬ未来であったとしても、それに抗う間もなく
時がたったなんつー展開、断じて認めねぇ！（がし）
佐助：ちょっと、人ん家のカレンダーどうする気？
政宗：こんな５年後、あってたまるかああああああああああ!!!!!（破）
佐助：ちょ……！
――
………。
――
政宗：……ん？
佐助：あ、起きた。いい加減片付けないと、右眼の旦那に怒られるよ。
政宗：お前……何巻いてんだ？
佐助：何って……アンタ達が散々遊んだゲーム機のコード片付けてんの。
遊ぶだけ遊んで、コタツで昼寝だもん。イイ身分だよね。
政宗：遊ぶ……？
佐助：今度はテレビで人生ゲームだって、さんざん盛り上がってたでしょうが。
まぁみんな、ろくな人生歩めなかったみたいだけど。
政宗：Game……？おい、今何年だ！？
佐助：寝惚けてんの？この前年越したばっかでしょうが。
政宗：幸村は、ちゃんと暑苦しいか！？瀬戸内の奴等は……その……まともか！？
佐助：はいい？竜の旦那、大丈夫？
政宗：……っ！
佐助：な、何？急に立ち上がって。
政宗：Wake up!!!!起きろお前等！
幸村：む……？何事でござるか？
元親：ふぁぁ……眠。おう、どうした。
元就：やかましいぞ。
政宗：よし、５年たってねぇな。
幸村：５年？
政宗：お前等、うかうかしてると、時間はあっという間に過ぎていくぞ。
おかしな未来に向かわねぇよう、今年は積極的に動いていくからな！
元就：何を息巻いておるのだ此奴は……。
元親：やる気があるのは結構じゃねぇか！（笑）
政宗：特に元親。お前は牡蠣食えよ。牡蠣。
元親：は？かき？
政宗：天下目指して、今年も華々しくLet's partyだぜ！
幸村：次はWii Partyでござるか♪
元就：よかろう、相手になってやる。
政宗：いや、そうじゃなくてだな。だらだらしてると、とんでもねぇことに……
佐助：ま、ゆるーく行こうぜ。
――今年もよろしくお願いします。
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