小十郎：あまりと言えばあまりな不注意！彼程やめておけと忠告したのに、
駄々をこね倒して借りたボートで昼寝！？呆れてものも言えませんな！
佐助：３人もいて、誰一人帰還手段とか連絡手段とか思いつかないわけ！？
政宗：いや、一応の狼煙は上げようと……
元就：言い訳をするな！
政宗：う……
元就：愚か者が参人寄ろうと、愚かは愚か。一つの打開策さえ思い付かぬとて、
呆れこそするが、納得も出来る。だが、貴様等……その巫山戯た恰好はなんだ！
幸村：な、何も巫山戯て着ているわけでは……
元親：いろいろ頼み事？みたいなもんをされちまって……
小十郎：必死に探す人間がいるなか、遊びほうけているとは良い度胸だ！
佐助：人のことに構っている暇があたら、自分の行いを省みなよ！
元親：はい……すいません……
幸村：うぅ……この説教……いつまでつづくのだ………（沈）
政宗：かれこれ二三時間はたってると思うぜ……
元親：俺、足痺れてきた……
佐助：ホンットに、大変だったんだからね！俺様が烏で探しに行くって言ってるのに、
この人達まで無理矢理付いてきちゃうし……
小十郎：船より早いんだ。仕方ねぇだろ。
佐助：３人は重量オーバーだっての！烏もぶち切れて途中で帰っちゃうし！
幸村：余程酷使したのだろうな……
元親：目に浮かぶようだぜ……
小十郎：だから覚悟を決めて、泳いで探す事にした。しかし……行けども行けども海！
政宗：だから濡れ鼠な訳か……。つーか泳いでって……お前等も立派に遭難者じゃねぇか。
小十郎：絶望的な心持ちでこの島に辿り着いたんだ。
佐助：でも全然見あたらないし、漸く見つけたボートはズタボロだし！
もう……ホント……
幸村：さ、佐助……？
佐助：っ……。……旦那の馬鹿ぁああああああ!!!!
幸村：っ!!!
佐助：どんだけ心配したと思ってんだよ……勘弁してくれよ、もう……
幸村：す、すまぬ……
小十郎：貴方様にもしもの事があったら……この小十郎、
いつでも腹を斬る用意は出来ております！
政宗：お、おい！そんな物騒なもん振り回すな！
小十郎：しかし……自分の目の黒いうちは、貴方を守り通すと誓っております。
それなのに……貴方という人は……貴方という人はぁああっ!!!
政宗：わ、わかった！わかったから落ち着け！なっ？ほら……帰りに泥付き牛蒡でも
なんでも買ってやるから。
元親：………。こいつら……「何度か死にかけました」なんて言ったら、
発狂すんじゃねぇか……？
元就：………（見）
元親：……？な、なんだよ。
元就：………（蹴）
元親：痛ってぇな！なんで蹴んだよ！？
元就：五月蠅い。貴様など藻屑にでも何でもなれば良いのだ。好物である海の底で、
ワカメになって揺られていろ、この昆布男！
元親：い、意味がわかんねぇよ……。なんで俺だけこんな迎えられ方なんだよ……（沈）
野郎共：あ！居た！
野郎共：アニキー！迎えにきやしたぜー！
野郎共：心配したんすよアニキー！
元親：………。野郎共……俺、今まで以上にお前等大事にすっからなぁ………（泣）
元就：………（見）
元親：な、なんだよ。
元就：………（殴）
元親：痛ってぇな！だから何がしたいんだてめぇは！
幸村：（……しゅぅぅぅ）おぉ！点いたでござる！
政宗：色が変わったぜ。大したもんだな……
元親：やっぱシメは花火だよな～。打ち上げ花火、点火するぜ！
元就：もう点けている。受け取れ。（投）
元親：へ？あ！お？うぉ！（すぱぁぁああん）………っぶねぇ……。
打ち上げ花火をパスする奴があるか！
元就：貴様は花火が好きなのであろう。我なりの心遣いだ。
元親：「人に向けてはいけません」って書いてあるだろ、此処、此処ぉ！
元就：貴様は自称、鬼ではなかったか？人にあらず！
元親：この野郎……
佐助：はいはい、喧嘩しないの。西瓜切ってきたよ～。
小十郎：ちなみに、海岸での花火は禁止されていることも多い。
看板等の注意書きを良く読んで、周辺の迷惑にならないよう注意するんだぞ。
政宗：カメラ目線で教育テレビみてぇな事言ってねぇで、花火やろうぜ小十郎。
小十郎：ええ。では、この蛇花火を。（もくもくもく……）
政宗：なんでそんな地味なもん選ぶんだよ。
小十郎：このゆったりした動きが好きです（もくもくもく……）
政宗：……。
佐助：やっぱ日本人なら線香花火でしょ。
元就：ほぅ。なかなか風流だな。
佐助：見えもしないような小さい火花散らして、
ほんの微かな音だけ出して、最期は首からぽたりと落ちて……
まるで取るに足りない人の一生みたいだよね～♪
政宗：どうしてお前の発想は、そう後ろ向きで物騒なんだよ。
元親：今年はなんだかよく分からねぇ展開になっちまったけどよぉ、
来年はもっとでっけぇ花火用意してやるからな。また来いよ！
幸村：おぉ！それは見たいでござるな！
佐助：来年は遭難しないでよ。
幸村：うぅ……肝に銘じるでござる……。
政宗：来年ねぇ……。どうなってるんだか……。
幸村：精進あるのみ！今よりずっと強き武将となりましょうぞ！
政宗：西瓜握ったまま言っても説得力無ぇよ。
元親：俺はもっと沢山のお宝を手に入れて、世界の海を股に掛ける男になってるぜ！
元就：相変わらずジャ○プを卒業しない男よ……（もぐもぐ）
元親：五月蠅ぇよ。そしてさり気なく、俺の分の西瓜食ってんじゃねぇよ。
元就：我は……閑かに過ごせれば、それで良い。
佐助：同感。それが一番難しいんだけどねぇ……。
小十郎：私もそう思いますな。落ち着きのある毎日が欲しいものです。
政宗：じっとこっちを見んな。まぁ……面白可笑しい馬鹿みたいな日が、
続いてるといいな……。
元就：そもそも、この日記自体、存続しているか怪しいがな。
政宗：根本的なこと言うんじゃねぇよ……。
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